豪華な留置所
合田は作戦を実行するために取調室に入室した。
「木原。事情聴取は終わったか」
「はい。一応聞くことは聞きました」
合田は大橋にあることを伝えた。
「大橋さん。事情聴取は終わりました。本当ならあなたを家に帰すのですが今回は特別です」
「留置署ですか」
「いいえ。まだあなたが犯人だという証拠はありません。しかしあなたは殺人犯だと言っている。自首したのが十六年前なら留置署に置いたかもしれません。しかし証拠は時間の経過により風化してしまいました。鑑識技術で証拠を復元することは可能でしょう。つまりあなたを逮捕するのはまだ早い」
合田の言葉に大橋は涙を流す。その姿を合田は見ながら話を続けた。
「しかしあなたの家から白骨化した死体が発見されたことによりあなたの家は立ち入り禁止になりました。証拠を隠滅する可能性もありますから。そこであなたはホテルに泊まってもらいます。荷物や服は我々が準備しますので安心してください」
合田と木原と神津は大橋をホテルに送った。
警視庁の玄関前は報道陣が沢山いたので三人は裏口から送迎した。
合田は車内で大橋に話した。
「これからホテルでしばらく暮らしてもらいます。ドアの前には常に警察官がいます。希望があれば部屋の中にも警察官をいれますがいかがしますか」
「監視ですか。いいですよ。部屋の中でも監視をしてください」