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間違った道
月影は浅野に会った。公園を歩きながら月影は話す。
「警察庁と交渉して捜査を再開させたのはあなたですか」
浅野は微笑む。
「はい。それなりの条件を啓示したら首を縦に振ったの」
月影にはその言葉の意味が分からなかった。
浅野は指を立てる。
「それは秘密なのよ。それと退屈な天使たちの対策チームが出来るという噂を聞いたわ。あの組織の対策チームが開設されそうだったら協力するよ」
その時浅野の携帯が鳴った。
「警察庁の榊原刑事局長が私に何の用かしら」
『食事でもしますか。まだあの話を聞いていなかったから』
浅野は電話を切った。
「食事の約束が出来たからもういいかしら」
「いいえ。その前にあなたの秘書が逮捕されました。これからどうしますか」
浅野は鼻で笑う。
「そんなことはどうでもいいの。もう未練はないから。政治家だって間違った道に進むでしょう。人なのだから」