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真実を暴く舞台 2
大橋は首を傾げる。
「あの場所ですか」
大野は暗号文を取り出す。
「四百二十九人の国民たちは王の結婚を祝福する。今日は歴史に残る一日だ。そんな日はハムエッグをつまみにして一夜を明かすに限る。我々はこの場所に向かおうとしている」
大橋は驚く。
「こんな暗号作った覚えがないです」
「それはそうだろうな。筆跡鑑定の結果あなたの文字ではないことは証明されたから。この場所は最後の舞台です」
大野は木原の推理が書かれたメモを取り出し読んだ。
「キーワードは四百二十九人の国民。このキーワードに、今日は歴史に残る一日だという文章を合わせる。これであることが連想することが出来る」
大野はスケジュール帳を取り出す。
「四百二十九が日付だとすると、四月二十九日。その日は昭和の日。国民の休日。歴史というキーワードに合致している。そしてこの昭和の日というキーワードが示す場所が東京にある。それは」
大野がそう言うとパトカーがその場所の駐車場に駐車した。
「この国営昭和記念公園しかない」