残った暗号
電話の後木原と神津は暗号を解読するために都内を東奔西走する。神津は運転をしながら呟いた。
「合田警部の推理が正しいとすればその場所は八王子のどこか」
「残りの文章も解読できれば場所を特定することも可能だろう」
木原は八王子を示していると思われる文章を省き暗号文を再び読んだ。
「城の東側には町がない。そこは新世界で私は開拓者。ピノキオのような店員が団扇をサービスしてくれたよ」
神津は疑問点を指摘する。
「八王子。いや東京にピノキオを連想する場所なんてあったか」
その疑問に木原は呟く。
「ピノキオ。嘘を吐けば鼻が伸びる人形。鼻が長い。団扇。はな」
木原は閃きある人物に電話した。
「大野。今暇だよな。あることを調べて欲しい。インターネットで構わない」
木原はキーワードを大野に伝える。そして指示を与えた。
「このキーワードで検索してください。返信はメールでしてください」
『その必要はない。もう調べている』
大野は木原の指示した言葉を検索した。
『木原さん。ヒットしました。これが事件と関係あるのですか』
「詳しいことは後で話す」
木原は大野の言葉を聞き口元が緩んだ。暗号が解読できたからだ。
「あの場所に真相は眠っている」