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真実の眠る場所
浅野は封を開けて手紙を広げた。二人の刑事にも見えるように。木原はこれが浅野さんの祖母への感謝の手紙だと思ったが違っていた。それは暗号だ。
神津はその手紙を読む。
「とある国の王の息子。趣味は園芸。城の東側には町がない。新世界で私は開拓者。ピノキオのような店員が団扇をサービスしてくれたよ。ヒント東京のどこかにある場所。この場所に真実が静かに眠っている」
「暗号か。浅野さん。この暗号が示す場所に心当たりはありますか」
「ないね」
浅野は携帯電話のカメラを使い暗号文の写真を撮る。
「犯人はこの暗号を示す場所で何をする気なのかしら」
「おそらくこの事件の真相を知っている人がその場所にいる・・」
そう言いかけた木原はホテルで大橋の監視をしている所轄の刑事に電話した。
「木原です。大橋陽一には余罪があるかもしれません。大橋の泊まっているホテルの一室で事情聴取をしてください」
この暗号を解読すれば真実を知ることができる。そう考えた二人は暗号解読のため東京中を東奔西走することにした。
二人は暗号文を回収して公安調査庁をあとにした。