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16年後の告白者  作者: 山本正純
第一章 自首
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悪夢

登場人物

大橋陽一   介護福祉士

小松原正一  国会議員


井伊晴彦   高校生

広田由美   介護福祉士

中島博    刑事


浅野房栄   公安調査庁長官

遠藤昴    公安調査庁長官秘書


酒井忠義   国会議員

井伊尚政   法務大臣

榊原栄治   警察庁刑事局長

本多みゆき  法務省職員



 十六年前男は庭に大きな穴を掘った。空からは大雨が降っている。そして雷鳴が響き渡る。男は木を植えるために穴を掘っているのではない。それなら悪天候が治まってからでも遅くはないだろう。しかし男にとってこの悪天候は好都合だった。

 男は穴を掘った後リビングに戻る。そこには男の死体があった。首には紐が巻きつけてある。そして男は庭に掘った穴まで死体を運ぶ。死体を穴に落とすと埋める作業に移る。

スコップで死体に土を被せながら男は考える。

「これしか方法はなかったのか。すまなかった」

 この男に死者への懺悔があったならばこの方法を選ばなかっただろう。この方法を選んだとしたら自首をして罪を償うはずだ。

 男は泣きながら死体を穴に埋めた。雷と雨は止むことを知らない。

 男は跳ね起きた。男の顔には異常なほどに汗が流れている。

男は自分の顔をティッシュで拭く。

「あの事件から十六年経ったのか。いったいこの十六年間俺は何をしていたのだ。被害者遺族に謝罪もしなかった。被害者の未来を奪っておいて俺は平穏な生活を送っている。それだけは許せない。そうだ。今からでも遅くない」

 この日も十六年前同様悪天候だった。


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