最低な男
俺は世間一般でいう、いわゆるチャラ男だ。
髪も染めてるし耳に穴が何個も開いてる。
女にだってだらしない。二股、三股はあたり前。体だけのお友達もいっぱいいる。人妻や学校の先生とも関係を持ったこともある。高校二年生にして性病のひとつやふたつ持っててもおかしくないくらい経験豊富だ。(実際は病気なんて持ってないけど。まぢで)
こんな最低な俺でも胸はって自慢できることがある。
「かよ〜まだ〜??」
俺は毎日お隣さんの安浦香代と一緒に学校へ行く。かよは彼女じゃないし一回もそぉいった関係を持ったことはない。
「今いく〜」
玄関で待ってた俺の前にかよが現れた。かよはものすごい美人だ。スタイルだってでるとこでてるし脚なんかめっちゃ長い。性格も優しくて女の子っぽい。表向きは。
「もぉちょっと速くこげねぇのかよ。遅刻しちゃうじゃんか」
実は口が悪くてわがままで乱暴だ。今だって自転車をこいでる俺の頭をぽかぽか殴ってる。(学校まで2ケツでいく)
「ちょっ!!かよ痛いし危ない!!それに遅刻しそうなのはかよが遅かったからで…」
「うるさい!!黙ってこげ」
またぽかっと頭を殴られた。俺はかよの下僕状態だ。もう慣れたけど。
学校について真っ先になっちゃんにからまれた。(なっちゃんこど近藤夏彦は俺の友達だ)
「今日もラブラブ登校かよ〜!!俺も香代ちゃんのお隣さんだったらなぁ」
「別にラブラブじゃないし。そんないいものじゃないよ」
なっちゃんはかよの本性を知らないから。
「なんだよ!!あんなかわいい子のお隣さんで何が不満なんだ!?」
「いや〜不満っていうか〜」
不満はないんだけどねぇ。慣れたし。俺とかよの付き合いは長い。小学校五年生のときにかよが俺の家の隣に引っ越してきてからずっと一緒だ。
「夏彦。拓哉は香代ちゃんに手ださなくても女なんかいっぱいいるんだ」
木村拓哉。俺の名前。
ウソ。安藤拓哉が俺の名前。そんで俺となっちゃんの会話に入ってきたのが斉藤大輔(俺はだいちゃんって呼んでる)メガネかけて秀才!って感じの美形さん。だいちゃんもすごく女の子にモテる。今は彼女はいないみたいけど。
「拓哉は今誰と付き合ってんだっけ??女子大生のケイコさんだっけ??それともOLのユイさん??」
だいちゃんはニヤニヤしながら聞いてくる。
「お前ってほんと女の敵だよな!!」
なっちゃんが最低〜とかいいながら俺を見てくる。
「だってあっちがしようって言ってくるんだし…断る理由もないし…」
「なんて奴だ!!」
「お前断る理由なんかなくても普通断るだろ」
「そもそも好きでもない女の子とするのが最低だな」
「なんだ夏彦。好きな子がいないから未だに童貞なんだな」
まただいちゃんがニヤニヤしながらなっちゃんをからかってる。てか
「えっ!?なっちゃん童貞なの?!まぢ!?」
「〜うるせぇ!!お前らと違って俺は純情なの!!」
「確かに夏彦は純情だよな〜。AVだって真っ赤になってみれなかったし」
「ぁあ〜。あの時かぁ。なっちゃんってば初心者向きのやつなのにさ〜」
「っっうるさ…」
「てめぇら!!」
なっちゃんが真っ赤になって怒鳴ろうとしたとき俺達三人は頭を殴られた。
見上げると担任が呆れた顔してた。
「もぉHR始まってんぞ」
見渡すと俺達以外みんな席についてた。
恥ずかしい。