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影の巨人と少女の過去

1. アルトの提案:旅の準備

翌朝、少女アリスはベッドの上で目を覚ました。昨日までの疲労が嘘のように消え、体が軽い。アルトの治癒魔法の効果だ。


「おはよう。体の調子はどうだ?」

声の方を振り返ると、崖の向こうで朝陽を浴びながら立っているアルトの姿が見えた。彼の長い黒髪が風に揺れる。


「あ……ありがとうございます! こんなに元気になるなんて……」

アリスは慌てて起き上がり、深々と頭を下げた。


「礼なんていらないさ。さて、村を救いに行くんだろう?準備をしないとな」


そう言うとアルトは家の片隅から古びた革袋を取り出し、中から地図やポーションらしき瓶を並べ始めた。その横では、ティオが手伝うような振りをしながら小さな前脚で瓶を転がしている。


2. ステータスと魔法体系の説明

準備の途中、アリスが思い出したように尋ねる。

「アルト様は……その……本当にお一人で影の巨人を倒せるんですか?」


「倒せるかって? ああ、楽勝だな」

アルトは笑いながら、目の前に右手をかざした。その瞬間、空中に青白い光が現れ、**「ステータスウィンドウ」**が表示された。


アルトのステータス

名前:アルト・グリモア

職業:賢者(最強ランク)

レベル:???(上限不明)

HP:∞(魔法的な治癒で自己再生可能)

MP:∞(魔力を無限に生成)

攻撃力:9999+

防御力:9999+

魔法属性:全属性(火・水・風・地・光・闇・特殊)

特殊スキル:

魔法制御:すべての魔法を即座に発動可能。

次元転移:瞬間移動や空間操作が可能。

アブソーブ:倒した敵の能力を吸収し、自分の力として使える。

アリスはその圧倒的な数字を見て、唖然とする。

「……本当に、規格外ですね……」


「まあ、俺が倒せない相手は今のところいないかな。でも、今回はお前の力も借りるぞ」

「えっ!? 私なんて……」


「いや、お前が使える『治癒魔法』は、俺にはない視点をもたらしてくれるかもしれない。戦いだけじゃなく、支援も大事だろう?」


アリスは少し不安げだったが、アルトの言葉に少しだけ勇気をもらったようだった。


3. 魔法訓練の始まり

「それじゃ、村に行く前に少し魔法の訓練をしようか。準備運動みたいなもんだ」


アルトは家の前の広場にアリスを連れて行った。


「まず、お前の使える魔法を見せてくれ」

「わかりました……!」


アリスは両手を組むように広げ、口元で小さく呪文を唱える。手のひらの上に、青白い光の球が現れ、それが周囲に温かい波動を広げた。


「ヒール!」


近くにあった枯れ草が元気を取り戻し、緑の芽を出し始めた。


「ふむ、確かに治癒魔法の素質があるな。でも、威力が低いな……」

アルトは手を顎に当てて考え込むと、不意に指を鳴らした。


「分かった、お前の魔力を増幅させる簡単な方法を教えてやる」

「ほんとうですか!?」


「まず、自分の魔力の流れを可視化するぞ」


アルトはアリスの手に触れ、静かに呪文を唱えると、アリスの体の中に青い光のラインが走った。それは魔力の流れを表している。


「ここが詰まってるな。この部分を改善すればもっと力が出せる。こうして――」


アルトが魔力を流し込むと、アリスの光が一瞬で強く輝いた。


4. 村への出発と影の予兆

訓練を終えた二人は準備を整え、村への道を歩き始めた。ティオもアルトの肩に乗り、悠々と景色を眺めている。


「どのくらいの距離にあるんだ?」

「村までは歩いて半日くらいです……でも、もう村がどうなっているか……」


アリスの声が震える。その目には不安と、少しの絶望が浮かんでいた。


「心配するな。俺がいる限り、どんなモンスターもお前に指一本触れさせないよ」

アルトの言葉に、アリスの表情が少しだけ和らいだ。


だが、その平穏は長くは続かなかった。


5. 森の中の不穏な気配

道中、二人が深い森を進んでいると、突然空気が変わった。温かい陽射しが陰り、冷たい風が吹き抜ける。


「……何か来る」

アルトが立ち止まり、周囲に視線を巡らせた。


そのとき、森の奥から黒い霧がゆっくりと流れ出してきた。その霧は形を変えながら、次第に巨大な姿を取り始めた。


「これって……!」

アリスはその姿に見覚えがあった。


「そうか……こいつが『影の巨人』の一部ってわけか」


アルトは片手を軽く上げた。次の瞬間、彼の手のひらに真紅の炎が現れた。


「ちょっと肩慣らしといこうか」


6. 絶対的な力の披露

黒い霧が触手のように伸び、二人を飲み込もうとする。アリスは身をすくめるが、その触手はアルトに届く前に跡形もなく消し飛んだ。


「炎魔法、『インフェルノ・シェル』」


アルトが静かに呟くと、森全体に広がるような巨大な火球が現れ、黒い霧を完全に焼き尽くした。周囲は一瞬で元の静寂を取り戻す。


「……こんなの、相手にならないよ」

アルトは笑みを浮かべたが、その目はどこか険しい。


「どうやら、本体に近づいてきたな」


次回予告

「影の巨人との遭遇――最強賢者の力の真髄」

影の巨人の正体とその狙いが少しずつ明らかになる。アルトとアリスの旅路は、さらなる危険に満ちていた――。










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