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第4話

 一度心が決まればあとは行動のみ、だ。

 彼女はうちにじっとしていてもらって、夫の方から彼女の弁護士へと連絡をとってもらった。

 そして念には念を入れて、まず弁護士の代理を寄越し、その後彼女を相続する屋敷の方へ移動させた後、離婚の件をアーロンに突きつけることとなった。


「何でだよ! あの女は何処に行ったんだ!」

「その辺りは、依頼人の守秘義務がありますので」


 大口叩いても、こういう男は長いものに巻かれろ、だ。

 法廷が開かれ、彼女が家で何度も殴られていたことに関しては義弟達の証言、着の身着のままでうちに飛び込んできたこと等、私の証言などもあり、まず別居、子供も居なかったことから、普通よりはスムーズに離婚ができた。

 ただ驚いたのは、彼女が義両親を引き取ったことだった。

 だが義両親は勿体無い、とばかりに彼女が相続した大きな屋敷の小さな離れに住むことを希望したというのだが。

 その後嫌がらせにアーロンや義姉が門の辺りまで殴り込むこともあった様だが、残念なことに、既にそこには門番がいた。

 そういう「名家の本家」だったのだ。

 半年くらいそんなことをやっていたら、さすがに迷惑行為として元夫と義姉は捕らえられたという。

 と言うか、少々頭がイカれていたのかもしれない。あまりに興奮状態だったので、病院につれていかれたということだ。



「いらっしゃい!」


 私はそれから時々彼女の館に遊びに行く。

 ただし、迎えてくれる場所はほとんど義両親の居る離れだ。

 しかし確かに考えてみれば、この二人を囲っておいて正解だったのかもしれない。

 元々家族の中では奥ゆかしい方だったらしいし、下手に放っておいたら、アーロンの人質に使われたかもしれない。彼女はアーロンにこのひと達がどうなってもいいのか、と言われたらどうしていたか。

 それを考えると、傍から見たらどういう関係か、というのはともかく、この敷地内に居させるのは良いことなのかもしれない。

 また、両親は入れたのに自分達は! というアーロンと義姉への当てつけにも充分になる。

 だからこそ、あれだけとち狂った行動に出たのだろう。


「ねえどう? 今日はやっといい感じに浸かってたのでミンスパイを作ってみたの」

「ん、いい香り」


 「当主」になっても相変わらずの彼女は、こうやって相変わらず手料理を振る舞ってくれる。

 叔父や叔母とも連絡が取れたので、自分の後はその子孫に継いでもらえればいい、と。もし彼等がこちらに来る時には歓迎する、と。

 まあ、私としては彼女の今後の幸せを祈るだけだ。


 なお、結婚はしばらくはこりごり、だそうだ。

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