パラレル・俺たちのわがまま
retake.1
それはただの過程であって、潰すしかないと思っていた俺とお前では心持ちが全然違う。
retake.2
「あーもう! 一人で突っ走るのは結局変わってないじゃん、未来ちーだなぁって思うけどさ!」
「死人に関してはわがままなのも、未来ちゃんって感じだよね〜」
阿部の声を聞きながら、長谷川が疾風のごとく隣を駆け抜ける。
未来の刀に対抗しようと剣を作り出していたヘンメイへ近付いた。
「風神の舞!」
ターゲットから二メートルほどの距離。
赤い風が作られて、ミクを巻き込まないように炸裂した。
『未来さんではなく未来さんを取り巻く全員が、の間違いでしょうか』
「一緒にされるのはちょっと気に食わないけど。でも毎日相沢と一緒にいれば、みんなそういう思考になると思いますよ」
先生の■があった直後、雄叫び。
『アアアアアアア!!』
「いぎ……っ!」
肉を切る音と一緒に全員の体が帰ってくる。
床へ叩きつけられた。
「いったいなぁ……まだ慣れねぇや」
「慣れるものじゃないよっ! ノーペイン!」
腹を押さえる斎に阿部がすぐ■
retake.3
「……はぁ。下がってろ、阿部はフォロー専門だからな」
「あいあいさ〜! 前はよろしくお願いします!」
「おう」
ビシッと敬礼のポーズをする阿部を後ろに残して、
俺には見えないスピードで目の前に現れたヘンメイが、振り下ろした剣を未来の木刀が受け止める。
払って、切り込んで。
ニヤリとヘンメイの口元が笑った気がして、ぞくっ……とする。
「大賢の槍!」
瞬時に大賢の槍を作り出して前に出る。
素早い剣撃に手一杯になった未来を、亜空間から生み出された剣の雨から守って、すぐさま熱線を浴びせた。
ヘンメイの真下から上に上がらせた◼️の線がサイコロ状に切り裂く。
「ありがとうっ!」
「別にっ、炎神!」
炎を模した龍をぶっぱなして、細かなゼリーを更に小さくする。けれど飛び散った先でまたうにょうにょと動いてくっついて、すぐに再生が始まった。
早い。これで再生スピードが落ちてるって言うんだから、チートにも程がある!
retake.4
いくら死なないとわかったとはいえ、もう少し自分の身を案じてくれ!
retake.5
他にも何か言いたそうだけど、とりあえず手を◼️に動かす未来。どう伝えようか、なんて反論しようかってところだろうか。
「……ねぇ、ホンマにできへん?」
「いい加減に認めろよ、お前はっ!?」
つい声が大きくなる。すると、四方八方から子どものようなくすくす笑いが聞こえた。
『ヘンメイが……笑ってる?』
今までの男女どちらとも取れるような声でも、理性を失った時の機械音とは明らかに違う。けど、変わらない死人独特の声を通信機越しに聞いた先生が、珍しく動揺をみせた。




