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パラレル・先生も作戦に加わるバージョン

 未来の弾丸で細かく散らばったゼリーが、うねうねと動いて一番形の残っている場所へと集まっていく。

 斎のゲッソリとした表情が見えた。


「キモいです……」


 まあそう言わないでください、谷川くん。


『彼女はその再生力を活かして多くの人の命を救い、人間が入るには危険な場所や死人の群れにも立ち向かう優秀な使い魔だったのですよ?』


『ようするに、ヘンメイは皆さんに遊んで欲しいだけなので〜』


『とにかく隠れてください。作戦を練り直している間に皆さんがやられては困るので』


 先生の指示に従って、全員急いで部屋の端に移動する。

 暴風で吹き飛んでいた少し大きな木の影に身を潜めた。

 未来が作ったらしいけど、まあまあヘンテコな形。それを見ながら俺はためいきをつく。


「なあ、去年の今ごろもこんな感じだったよな? 一人死にかけて、めちゃくちゃボコられて、最後は斎の作りかけキューブと阿部に助けられて……ってさ」

「ボコられたのはアンタだけよ、つっちー」

「うっせぇな……力不足だったんだっつの」


 長谷川に答えながら、尻目に未来を見る。

 要はあの時のお相手だったわけだが、知らないフリをしてるのか、目を逸らしやがった。


「一年経ってんのに進歩無しかー」

「敵の強さや能力の違いも視野に入れなよ、土屋。それに今回はキューブ無しでしょう。代わりに周りのフォローはいるけどさ」

「そうそう。それに、ちゃんと進んでるだろ? 多分、誰かさんはさ」


 斎の言葉にみんなキョトンとする。その後、ああと納得して視線が未来へ向いて。

 その視線に気付く未来もまた、照れたように笑った。


「あっでも、今回も新しいキューブ持ってるよ?」

「え?」


 俺が目を丸くする横で、阿部がポケットから何かを取り出した。

 それは、この間斎が見せてくれた透明のキューブ。

 今は薄い茶色をしている、俺たちが持っているキューブの半分くらいの大きさの新しいキューブだ。


「あ、阿部っ? それ、一応ほぼ完成だけどまだテストしてないぞ!? なんで持ってきてんだよっ!」

『ああ、それが必要なんですよぉ谷川くん。テストをしている時間はありません、代わりに結衣博士から許可を貰いました』

「おふくろに!?」


 呼び方おふくろなんだ。って突っ込みたくなった。

 こんな思考になるってことは恐らく俺もかなり平常心を取り戻してきたんだと思う。多分だけど。


『先ほどあなたが教えてくれた、ヘンメイに追加されている反転の技を抑えるために必要なんです。リングは九州にいる精鋭部隊の四番手、小山内(おさない)くんに届けてきました』

「小山内……って、え、小山内(みなと)さん!?」

『はい〜。彼の文字は知っていますね?』

「も、もちろん。『拘』です」

『ええ、それを使います。ヘンメイの反転の技を、その文字を使って()()しましょう。そうすればわざわざ目潰しする必要はありませんからね』


 彼が使っている本来の用途とは違いますが、と先生は


「ちょっと、谷川。アタシがバカなの? 話が見えないんだけど」

「大丈夫だぞ長谷川。多分この中でわかってんの斎だけだ、秀ですらこの顔だから」

「ああいや、なんとなくはわかるよ。一応そのキューブの特性は教えてもらったから」


 斎が先生と話してる横で、秀の説明を揃って聞く。

 この新しいキューブは、見せてもらった時に思ったのと同じで、以前の赤いキューブが元になって作られているものらしい。

 ただ違うのは、


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