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パラレル・罪滅ぼし
retake.1
その時は、喋り足りないからといったニュアンスの返事でやり過ごした。もちろん嘘ではない。
しかし本当の理由は伝えられなかった。
retake.2
傷つけたはずなのに許してくれたあなたを。
認め、共にいてくれる優しいあなたを。
大好きなあなたの盾になろう。
retake.3
未来は、前の学校の話を一切しない。
右腕の傷痕についても話さない。
過去に関わるその全てを、凛子はまだ何も知らされていない。
それでもよかった。
未来が負っている心の傷を、誰かに打ち明けたいと思う時が来るのなら、その全てを理解して受け止められるような存在でありたいだけだから。
これから先ずっと、対等であり続けるために。
あなたの隣を、自信を持って歩いていけるように。
──だからお願い。そのために今、全力でやらせてほしい。




