パラレル・剣か槍か
retake.1
「つっちーの慣れの早さは異常なんだもん。長期戦には絶対なりたくないわぁ
「慣れ? なんのことだ」
retake.2
「つっちーのすごいところは、その人並外れた『慣れ』の早さ。戦闘が長くなればなるほどつっちーは慣れて、アタシの動きを認識しちゃうわけよ」
「慣れ?」
「そー。未来ちーもよく言ってたよ? すごいって」
未来に手伝ってもらう時の鍛錬の様子を少し言っているらしいが、俺にはそんなこと一度も言われたことがない。何かの間違いじゃないのかと聞き返すと、「未来ちー、つっちーには言わないもんね」と呆れ混じりに笑われた。
「とまあ、そんなわけよ。時間なんてかけさせない。サクッと終わらせて、アタシは次に行く」
着地した俺に【鉄扇】の先が向けられた。
「だから潔くやられちゃって? つっちー」
「ねっ」と長谷川のウインクに合わせてパネルが表示された。
《隆一郎VS凛子》
「持ち上げるだけ持ち上げといて、簡単にやられたらダッセーよなぁ」
長谷川のHPバーの下に表示された、彼女のオフェンス値とディフェンス値。84%と14%という数値を見るに、攻撃のバリエーションが多いと思っていいだろう。
「上等。返り討ちにしてやんよ」
【火炎の剣】に纏う炎を更に燃え上がらせ、自分の高ぶる感情を俺は素直に受け入れた。
retake.3
「オフェンス値、50。ディフェンス値も50……?」
意外な数値だった。攻撃的な連想が普段多く出るような気がしていたから、もし低くても六十ぐらいまではあると思っていたのだが。
retake.4
表示された勝利の文字たちを見てから阿部に目を向ける。
(うーん……ゲームだなぁ)
倒れた阿部の目には、赤いバツ印がついていて、胸の上には逆三角形で示された『ゲームオーバー』の文字。
自分の体の大きさ、腕や脚が次第に元に戻ってくるのを感じながら、この後どうなるんだろうと疑問を浮かべていると、《HP回復》の表示に次いで体力ゲージが表示された。
どうやら勝利したらすぐに次の戦闘に入れるよう万全状態にしてくれるらしい。五百まで減っていた体力が満タンの千になっていた。
「うお!?」
急に阿部の体が光って何事かと目を向けると、光と一緒に瞬時に消え去った。
残ったのは でできた そうな一つの鍵。
《ドロップ:解錠》
「ドロップ?」
出てきた表示に首を傾げると、待ってましたとばかりにその下に説明バーが追加された。
《ドロップとは:敵のHPを0にした際、一定確率で相手の能力を一つ得られる》
「へぇ。デスゲームってそんなルールもあったのか」
《獲得:解錠》
《スキル一覧》
スキル1:解錠
スキル2:???
スキル3:???
スキル4:???
スキル5:???
「スキル……多分技のことだよな? ドロップして取るかどうかは自分で決めていいわけだ」
見たところ得た技を消す機能はないらしい。ドロップ条件が相手に勝利かつ一定確率でというならたくさんは遭遇しないかもしれないが、必要かどうかはどうかはきっちり判断しないとな。




