パラレル・俺の答えは③
retake.1
校舎外にある鉄の避難階段に接触。ぶつかった勢いで崩壊させ、地面に落下した体は血反吐を吐いた。
落ちたのは丁度さっきぶち破った校舎の位置らしい。続けて降ってくる鉄骨に、後ろにいる斎が短い悲鳴を上げた。
「【氷柱】っ!」
「っの、くそっ……【火柱】!!」
まだ何かを吐きそうになりながら体に鞭打って起き上がり、秀が巨大な氷柱をぶつけ細かくしてくれた鉄骨に追撃、火の柱で消し炭にした。
バラバラと灰が降り注ぐ。
丸々頭の上に落ちてきていればまず間違いなく重症、もしくは今ある怪我と重なって出血多量で死んでいたかもしれない。
瞬時に判断してくれた秀に礼を言うべく、肩で息をしながら申し訳程度の防壁を前方に張り、顔を後ろに向けた。
「ごめ、秀。すっげ、助かった……」
「ううん、むしろごめん。あの後すぐに死人が土屋に向かって歩いていったから牽制しようとしたんだけど、立ちくらみがしてどうにもできなくて」
「それは、しょうがねぇ。あんな怪我してたんだから、当然だろ」
言いながら秀の様子を確認する。
大怪我による顔の血色の悪さはもうすっかり戻っていて、壊れた眼鏡の代わりに当番の時と同じ氷のコンタクトがつけられていた。本人が言うように、戦いたいのは山々だったのだろう。
「死にかけたってのにすげぇやつ……斎は? 大丈夫か」
恐らく何もぶつかったりはしなかったと思うが、念のため怪我をしていないかと秀の隣にいる斎に問いかけると、真っ青だった顔がなぜか真っ赤になり、制服の襟を引っ張られた。
そして飛んでくるのは、怒号。
「こんの、アホが!!」
「いっ!?」
「大丈夫かじゃねぇよ俺の心配じゃなくて自分の怪我を心配しやがれこのボケ!! ドアホが!!」
「な、お前今日っ、暴言吐き過ぎだぞ!?」
「誰のせいだこのバカヤローが!!」
痛い、痛いからやめろ。
あんまり揺らさないでくれ、こちとら骨数本やってんだよ。
心の声が伝わったのか斎は俺の体を揺さぶる行為をピタリとやめ、視線を俺の顔から右手に移し眉を寄せた。
秀の目も同じ場所に向けられ、すぐに死人がいる方を見やる。
「右腕ばっかり狙ってくるのは、多分わざとだね。利き腕だってわかってるんだ」
「だろうな。おかげさまでもう動かせそうにねぇよ」
肩の刺創、腕の切り傷。
こちらが不利になるような戦い方を選ぶなんて頭の切れる奴がいるもんだと、つい文句を言いたくなる。
「はーあ、世界は広いなぁ」
「冗談めかしく言ってる場合じゃないよ。何を考えてるのか知らないけど、こっちを見るだけで動かない今のうちにどうするか作戦を練ろう」
そう秀が俺を軽く咎めた時、ピシィッとヒビ割れの音がした。
retake.2
校舎外にある鉄の避難階段に接触。ぶつかった勢いで崩壊させ、地面に落下した体は血反吐を吐いた。
落ちたのは丁度さっきぶち破った校舎の位置らしい。続けて降ってくる鉄骨に、後ろにいる斎が短い悲鳴を上げた。
「【氷柱】っ!」
「っの、くそっ……【火柱】!!」
まだ何かを吐きそうになりながら体に鞭打って起き上がり、秀が巨大な氷柱をぶつけ細かくしてくれた鉄骨に追撃、火の柱で消し炭にした。
バラバラと灰が降り注ぐ。
丸々頭の上に落ちてきていればまず間違いなく重症、もしくは今ある怪我と重なって出血多量で死んでいたかもしれない。
瞬時に判断してくれた秀に礼を言うべく、肩で息をしながら申し訳程度の防壁を前方に張り、顔を後ろに向けた。
「ごめ、秀。すっげ、助かった……」
「ううん。良かった、なんとかなって。むしろごめん。戦闘僕も加わろうとしてたんだけど、ちょっと……」
その先を言わないまま秀は少し顔をうつ向け、両手を握り合わせるようにして重ねた。その手は、震えていた。
大怪我による顔の血色の悪さはもうすっかり戻っていて、壊れた眼鏡の代わりに当番時と同じく氷のコンタクトが目につけられている。
その様子を見る限り、秀が自らそう言うように、戦いたいのは山々だったのだろう。
retake.3
「お前、腕が……」
「あー……おおよ。多分、わざと狙ってやがる。利き腕だってわかってやがるんだ」
「そんな頭の切れる奴がいるの……?」




