若者は過去に学ばない?
過去に学ばない人としてすっかり有名になった日本の総理だが、どうやら若者も過去に学ばなくなったらしい。
技術者をやっていると、過去の失敗例というのは他人のものでもとても大事なことである。
昨日、釣り着を街着にしよういうメーカーの話をテレビでみたが、とても違和感を覚えた。じつはこの二つ、使用環境の違いから進化の方向が真逆なのだ。
趣味の釣りは、基本動かない。うろうろしていては魚が食いつかない。一方街の人は留まらない。ほぼ常に移動し続ける。
そこでまず必要なのが、保温と保湿の兼ね合いだ。湿度の高い水辺では汗の発散は難しい。むしろ外から取り込まないようにするため、防湿が重要だ。そもそも移動しないから発汗によって体温を下げる必要もない。そこで、体表面の汗だけを吸取り蓄えるようにする。
一方、乾燥した街中で食事や移動する人々にとっては上昇する体温を下げるためには発汗が必要になる。吸い込んだ汗は水蒸気として外へ排出し続けなくてはならない。
このムレの扱いによる違いは、使用後にも影響する。蓄えた水分は放置すれば匂いの元になる。だから頻繁に洗うことになる。これがまた普段着としては面倒だ。
さて、それ以上に今回気になったのは、ポケット。かつて、ポケットに手をつっこんだまま転倒し骨折する事故がよくあった。原因は転倒時に手が出ないことだった。なのですぐに手が出る構造のものが生き残った。また腹部のポケットの場合、手を入れたままだとナンバという同じ側の足と肩が前に出る歩き方になる。妊婦など腰がひねれない人にはいいが、街着にとって快適とはいえないだろう。
さて、釣りは基本、移動しないスポーツだ。転倒するような大物がかかるわけでもないから、手をすぐに出す必要もない。どうみても進化に逆らっているようにしか思えないのは年寄りだからだろうか。