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黒い屋敷とバラの庭に閉じ込められた少女  作者: 愛憎少女
第3章 Dedicated to an Angel
23/50

#19 改めて

「────っ、だって私……こんな、だし……」


疑問を疑問で返され、不思議で堪らないと表すかの様な目線を向けられ、彼女は下ろしていた人形を握りしめると目を伏せ、口にする。


「私の翼、お姉様やお兄様と違って、何故かこんな風になっているし、……分からないけど、たくさん傷ついてるし……それに………」


────段々と小さくなっていく声を聞き、カミーユは目を伏せている彼女と目線を合わせる様に跪くと、にこりと笑う。


「私はその翼、違っていて綺麗だと思いますっ。それに傷があっても怖くないですよ?」


決して嘘ではない本心からの言葉を、彼女は笑みを浮かべながら言うと、ルリアは少しだけ不安そうにしていたが、"ほんと……?" と尋ねる。


その言葉にカミーユはゆっくり、けれどしっかりと頷くと、彼女は安心したのかふにゃりと頬を緩め笑みを浮かべた。



────やっぱり、可愛らしい。


ふにゃりと笑うルリアは、まるで花が咲き乱れたかの様に可憐で可愛らしくて。カミーユは心の中で思うと同時に、彼女をもっと笑顔にさせたいと決意する。


そして立ち上がると、カミーユは彼女に自己紹介をしていない事に気付くと口を開いた。


「あ、そう言えば挨拶してませんでしたね。私はカミーユ。お嬢様の世話係となりました。よろしくお願いしますねっ」


自己紹介をしつつ彼女はぺこりと挨拶をすると、ルリアも片手に人形を持ちながらドレスの端を少し摘む。


「わ、私はルリア……ルリア・W(ウィスタリア)・カーディナル………セリーヌお姉様の妹なの……よ、よろしくお願いするわ……?」


綺麗なお辞儀──カーテシーをし、小さな声で挨拶をし返すとカーテシーを止め、人形を抱きしめ直す。

挨拶をし終わった2人は、無言で互いを見つめあっていたが、打ち解けてきたらしく2人とも笑みを浮かべ、その場には暖かい空気が漂っていた。


その間、食事の用意をしていたジェシカは、2人が打ち解けているの傍から見、笑みを零すとパンッと手を叩く。

そしてその音に驚き自身の方を向いた2人に向かって口を開いた。


『打ち解けてきたみたいですし、そろそろ食事にしましょう』


その言葉にルリアは頷き食事が用意されたテーブルに近付き、カミーユもジェシカの手伝いをする為にテーブルに近付いた。

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