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黒い屋敷とバラの庭に閉じ込められた少女  作者: 愛憎少女
第2章 A girl wandering a road
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#番外編 Deformed wing

─────私の背からのびる大きな翼。


これは、私が「吸血鬼」である証。

でも、私の翼はお姉様やお兄様の様な翼では無かった。


お姉様もお兄様も、両方蝙蝠の翼。

吸血鬼の眷属を表す、蝙蝠。

2人とも生えてる場所や大きさは違うけれど、両方とも蝙蝠の翼だった。




──でも、私の背からはえている翼は違っていた。


私の翼は、右の翼はお姉様やお兄様と同じ蝙蝠の翼。

でも、左の翼は蝙蝠の翼なんかじゃなかった。



私の左の翼は、まるで庭から見える大きな木についている枝みたいな物が骨組みになっていて。

その枝みたいな物の周りには、バラのつたみたいなのが巻かれているの。

でも、このつたはバラみたいにとげとげしてない。

それで、そのつたから様々なお花が咲いているの。


名前は、知らない。

私は、バラしか分からないから。


それで、枝からはいっぱい、きれいな飾りがぶら下がっているの。

蝙蝠の形の飾りとか、空に浮かぶ欠けた月の飾りとか、お星様やお花の形とかたくさん。

とってもきれいな、絵本でみたお姫さまがつける宝石みたいなのも、ついてるの。

いっぱい、いっぱい、ついてるの。

とってもきれいで、月の光できらきら光るの。


それにね、つたから咲いているお花は、私が飛んだり能力を使ったりすると花びらが散ってしまうの。

でも、すぐに新しいお花が咲いて、花びらはお星様みたいにきらきら光って消えちゃうの。


お姉様やお兄様は、私の翼を「きれい」って言ってくれる。

「特別な、私しかいない翼」って。




────でも私は、お姉様とお兄様みたいな翼が良かった。

そうしたら皆、私の事をおかしな目で見ないはずだから。

皆、私を恐れてるような、私がお姉様やお兄様と違うことをからかっているような、そんな目で見てくるから。


私の能力のせいなのかもしれない。

何故か生まれつき体についている、沢山の傷やあざのせいなのかもしれない。


もし、それが無くても。

翼がこれだったら、同じだと思うの。


……………よく、分からなくなっちゃった。




…………ねぇ、お姉様、お兄様。

私は、どうしてお姉様とお兄様がいる屋敷に入ったらいけないの?

危ないって、言われるけど、お姉様とお兄様がいるなら大丈夫じゃないの?


ねぇ、お姉様、お兄様。

どうして私の足を動かせない様にするの?

私が、お姉様とお兄様の言う事聞かないで、お外に出ると思ってるから?

私が、上手く能力を使えないから……?


──それとも、きれいって言ってくれてたけど、本当は私の翼が嫌だから………?

分からないよ。お姉様、お兄様。



1人ぼっちは、さびしいよ………………………


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