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黒い屋敷とバラの庭に閉じ込められた少女  作者: 愛憎少女
第2章 A girl wandering a road
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#10 魔女の少女

ルリアは小さな家の前まで辿り着くと扉を開け、一目散に中に入るとベッドに寝転ぶ。


ベッドに寝転び、彼女は力強く人形を抱きしめていて、人形からはミシミシと綿が溢れ出し、壊れていく布の隙間からは小さな茎が出、様々な色の花が咲き出す。


彼女の、「代償と引き換えに触れた物を創造、もしくは破壊する能力」が両方発動したのだ。


しばらく、彼女は人形を強く抱きしめていたが、能力が発動している事に気付くと慌てて人形から手を離し、ベッドに転がった先程の面影が微塵も無くなってしまった人形を悲しそうに見つめる。


そして、傷だらけになった手でそっと、壊れかけの人形に触れると、彼女は静かに涙を流し、ベッドに顔を埋めた。






──────ベッドで眠っている少女は、ゆっくりと目を覚まし。段々と視界に映る景色が森ではない事に気付くと目を見開き、飛び起きる。


彼女が今いる場所は倒れた森ではなく、淡い月の明かりが入る広い部屋で、天井には灯りがついていないシャンデリアが吊るされ、部屋には家具──アンティーク調の家具と言うのが分かり、床は夜空の様に蒼いカーペットが敷かれ、自分が今いるベッドも大きく、ふかふかとしていた。


────どうして、私はこんな場所にいるんだろう。


彼女はそう、きょろきょろと部屋を見渡しながら考えていたが、扉を開ける音が耳に入りすぐさま扉の方を向いた。



「……あら、起きたのね」


彼女の視界に映るのは、手に持っている燭台で顔を僅かに照らされているメイド服を着た女性の姿。

女性は少女が起きている事に気付くと静かに呟き、シャンデリアの明かりを灯す為にシャンデリアに近付いていた。


少女は、ゆらゆらと動く燭台のろうそくの灯りに目を細めるが、ここが何処なのか聞こうと口を開く。


──だが、女性が宙を浮き、そのままシャンデリアの明かりを燭台で灯した為、驚きのあまり声を出す事が出来なかった。


「………どうかした?」


女性はシャンデリアに最低限の明かりを灯すと地に降り、少女に近付くと、少女が驚いている事に気付き首を傾げる。


『……ぇ、ぁ………魔女、なんですか…?』


少女は首を傾げている女性を見、疑問を言おとしたが声が掠れていた為少し咳き込んだ後、そう疑問を口にする。


『……あ、ここはどこなんですか?貴方は誰なんですか………?』


そして、女性が答える隙を無くすかのように次々と疑問を口にし、女性は少し冷たい目で質問してくる少女を見つめた為、少女は慌てて口を閉じる。


「ここはカーディナル家当主であり、吸血鬼の長であるセリーヌ様の屋敷よ。貴方が森に倒れていたからセリーヌ様が助けたと言う訳。そして私はジャンヌ。貴方と同じ魔女」


少しため息をつくと女性は──ジャンヌと名乗った彼女は少女の質問に全て答え、少女はまた目を見開いた。

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