表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒い屋敷とバラの庭に閉じ込められた少女  作者: 愛憎少女
第2章 A girl wandering a road
11/50

#8 何かの正体

じっと、柵の向こう側を見ているルリアの背後に誰かが忍び寄り、誰かはルリアの肩にポンッと軽く手を置く。


『わっ!』「ひっ……!?」


それと同時に声を上げ、ルリアはいきなりの事に驚いたのか、体を跳ねさせ小さく悲鳴を上げると急いで振り向く。


──そこには、暗い朱の髪を軽く1つにまとめ肩に垂らし、にこやかに笑っているメイドの女性がいた。


彼女の名前はジェシカ。

この屋敷のメイド長の1人であり、彼女達の食事を担当しているメイドだ。


「ジェシカ……びっくりしたぁ………」


ルリアはジェシカの笑顔を見、ほっとしたかのように息を吐きながら呟く。


『ルリア様は1つの事に凄く夢中になりますからね』


ジェシカはルリアの様子を見、にこやかに笑いながら言うとルリアを抱えあげる。


「きゃっ……!?」


『それに頑固だから、普通に言っても聞かないことを知ってますよ』


急に抱えあげられ驚き、ルリアは慌ててジェシカから落ちないように彼女の首に手を回し、ジェシカはそう言いながら柵から離れる為に歩き出す。


「あ……!」『危険だから、内側に行きましょうね』


柵から離れていき、ルリアは小さく声を上げ降りようとしたがジェシカの力には敵わず、頬を膨らませながらも抵抗を止める。


「………お姉様とお兄様に言われたのね……」


頬を膨らましながら呟くルリアを見、彼女の機嫌を取ろうとジェシカは立ち止まり、ルリアを抱えてない方の手を広げる。

すると、一瞬で彼女の手から炎で出来た紅い蝶が現れ、蝶はルリアの周りをぱたぱたと飛び回りだした。


『そんな顔をしていたら、可愛い顔が台無しですよ?』


「わ、……!」


ぱたぱたと自身の周りを飛び回る紅い蝶を、彼女は掴もうと手をのばすが、蝶はあと少しで捕まる、といった所でひらりとルリアの手をかわし、ルリアは頑張って捕まえようと、ジェシカの言葉も耳に入らず蝶に夢中になる。


ジェシカは一気に夢中になったルリアを見、くすりと笑うと柵から離れる為に歩きだした。





────一方、セリーヌ達は "何か" の目の前に立っていた。


『…………人間かしら』


"何か" はマントを被った少女の様で、弱々しく呼吸を繰り返す少女を、セリーヌはしゃがみこみ少女の顔を見つめながら呟く。


「……いえ。魔女のようです」


だが、ジャンヌは首を横に振り答えると、セリーヌは立ち上がりドレスを軽くはたく。


『魔力が見えたのね。……さ、魔女なら助けるわよ』


"魔女"

セリーヌはその言葉を聞き、静かに笑みを浮かべるとそう言い、ウィルは倒れている少女を抱えると屋敷に戻る為に歩き出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ