第2話 初戦闘
こんばんは。Ao月です。
拙作ですが、楽しんでくれると嬉しいです^^
ストックできるよう頑張って筆を進めていきます。
「おー結構プレイヤーがいるなー。戦ってるのは角の生えた兎かな?」
門を抜けた先の草原で、多くのプレイヤーが兎に近い姿の魔物と戦っていた。
「とりあえず俺も戦闘しとくか…」
少しめんどくさく感じたが、草原を進み魔物を探す。
「…いた」
ホーンラビット Lv?
どうやら角の生えた兎はホーンラビットというらしい。というか敵の情報少なっ。
恐らく情報を読み取るスキルがあるんだろうな。
Lvが見えないのは俺よりも上だからかな。
とりあえず戦ってみるか。
短剣を構えて、じりじりと迫ると、ホーンラビットは耳をぴくっと動かしたかと思うと、
急にこちらを向き、飛ぶ。
「うわっ」
気づけばホーンラビットの角が目の前にあり、ぎりぎりで慌てて躱す。
心臓が激しく鼓動していた。
「…ふぅ…」
初めての戦闘で緊張している自分を落ち着かせ、冷静にホーンラビットの動きを観察する。
「そこだ!」
再度飛んで角で突こうとしたところを避け、地面に着地したタイミングで短剣を振るう。
どうやら着地のタイミングに隙があるみたいで、簡単に攻撃が入った。
「よっしっ!」
5回目の攻撃でホーンラビットは粒子となって消えた。
「おっ倒したら自動で経験値と素材が手に入るのか」
ログを見ると、経験値とアイテムを獲得したアナウンスがあった。
「獲得したアイテムはっと、角兎の皮と肉か。まぁ最初はこんなもんか」
戦闘になれるために俺は再びホーンラビットを探す。
倒すこと5体目。Lvアップのシステムアナウンスが鳴った。
「どれどれ」
スキルの熟練度とステータスがどれぐらい上がっているのか楽しみにしながら、
ステータスを見る。
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レン / Lv2 (+1) / SP 3 / AP 2
HP 60 (+10)
MP 60 (+10)
STR(筋力) 12 (+2)
DEF(耐久) 12(+2)
INT (知性) 12(+2)
AGI(敏捷) 12(+2)
DEX(器用) 12(+2)
LUC(運) 20
【スキル】 5/10
短剣(7/100)
気配察知(0/100)
瞑想(0/100)
隠密(0/100)
回避(10/100)
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これを見るとどうやらステータスはLvアップで一定値増える+プレイヤーの任意で割り振る形式らしい。ステータスポイントはちゃんと考えて使わないとな。
そのためには昼寝に必要なものは何か考える必要があるな。
フィールドで寝て、敵に見つかった時に逃げやすいように敏捷に振る。
「よし、昼寝場所を探そう」
そう決めて俺は草原を歩き出す。
*****
「だぁーっ!ずっと草原じゃねぇか!」
かれこれ歩くこと30分。一向に草原が眼下に広がっており、昼寝できそうな場所には出会えない。出会えるのはホーンラビットばかりで嫌気がさしていた。
気づけばLvは5まで上がっていた。もちろんステータスは全て敏捷に振った。
日も真上に上り切り、後は落ちるだけ。
帰りの時間も考えるともう諦めて、今日は帰るかと考えつつもしばらく歩くと、視線の先に大きな岩山が見えた。
周りは膝丈ほどの草が生い茂っており、最高の昼寝場所とは言えないが、十分に気持ちよくなれそうな場所だと思えた俺はそこに向かうことにした。
「しかしいかにも怪しそうな場所だな。」
あたり一面草原なのにそこだけ岩山がある。怪しいですと言っているような場所ではあったが、それでも俺は寝たかった。
「よし、魔物に見つかりにくくするために少しでも努力しよう」
そうひとりごち、中腰で小走りで移動しつつ、気配察知と隠密を発動する。
途中ホーンラビットの近くを通ったが、いつも飛び掛かってくるはずのホーンラビットは何もしてこない。結構使えるスキルなんだなと感心しながら歩き、やがて目的の岩山に辿り着いた。周りを一周して魔物がいないか見てみるが、幸運なことに魔物はいない。
そしておあつらえ向きと言わんばかりに岩山にくぼみがあり、心地よく寝れそうな場所があった。
「最高だな…」
周りの草をちぎり、枕替わりにしてそのまま横たわり目を閉じる。
ゲームの中で寝ることになるなんて時代も進んだものだなと爺臭いことを考えながら、
そのまま俺は眠りについた。
この時の俺は、これから起きることを想像すらしなかった。