第19話 不穏なシルエット
どうもAo月です。
ここから本編入ります!
合間にキャラ紹介とかもしかしたら挟むかも。
「よーっし!行くぞー!」
「シズクは相変わらず元気だな…」
「ん。たまについていけない」
「ふふふ、そうですね。ですが、私はもうシズクちゃんの活発さには慣れちゃいました。」
「なんだよーみんなして、もう!味方はロキちゃんだけだー!ね、ロキちゃん」
「ク、クゥーン」
「シズク、ロキも嫌がってるぞ、やめてやれ」
「ブルータス、お前もか…あっそろそろタタラマ渓谷につくよー!」
あの後、俺は始まりの街の噴水で、シズク達と合流して、新しい街に行くためのボスを倒す手伝いをすることになった。
場所は俺の行ったことがない場所かと思いきや、俺とロキにとっては相性の良かった場所だったので、正直簡単なのでは?と思いつつ、シズク達とともにタタラマ渓谷まで来ていた。
「で、お前らがやられたボスってのはどういうやつなんだ?タタラマゴーレムのでかいやつとか?」
「それがね…タタラマゴーレムより小さいの」
「小さい?そいつはゴーレムじゃないってことか?」
「ゴーレムなんだけど…私たちと同じぐらいで早いの。それに状態異常も効かないし、魔法も効きにくくて…」
「んータタラマゴーレムがほとんど手ごたえなかったから正直想像しずらいな…でも状態異常が効かないのか。こいつの出番はなさそうだ」
「うわっその短剣…緑色がすごく綺麗だけど、何だが危険なにおいがするね…」
「ぶっ飛んだ性能持ちの新しい相棒だよ。」
そう言ってカオスを掲げると、シーナがじっと寄ってきて、
「見せて」
普段からは想像もつかない勢いで目を輝かせていた。
「…すごい…これ誰が作ったの」
「変わった武器を作る知り合いさ」
「紹介して」
「ほんとに変わったや…」
「紹介して」
「おっおう…とりあえずボスを倒して、新しい街に行こうぜ」
いつもにもないシーナの剣幕にクラマを紹介することになった。
クラマもキワモノだから、シーナとはもしかしたら馬が合うかもしれないな…
「みんなー!タタラマ渓谷についたよー!気を引き締めて!」
「ウォーン!」
シズクの声掛けとロキの一吠えで、俺たちは意識を戦闘にシフトする。
「よーし、肩慣らしにタタラマゴーレムを倒しながら、ボスの所に最速で行っちゃうぞー!」
そういって意気揚々よ進むシズクについていく俺たち。
この時俺はまだボスとの戦いがそこまで苦しくないものだとたかをくくっていた。
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「ここを越えたらボスが出てくるよ」
そこは開けた場所で、最初に戦った狼のボスと同じような場所でいかにもこれからボスがでてきますよというような場所だった。
「シズク、作戦は?」
「シーちゃんとレン君が牽制、私がアタッカー、キーちゃんがバフと回復で!」
「ん。レン、私が主に牽制するからダメージ与えて」
「はいよ」
シズクが全員を一瞥した後、頷いて一歩踏み出す。
物々しい空気が漂った後、中央のから土くれが盛り上がり、人型の形を取った後、黒いオーラが人型を包み込み終わったかと思うとそこに現れたのは、真っ黒な人型のゴーレムだった。
青いラインが全身に走っており、目の赤色と相まって不気味さが漂っていた。
金属にも見えず、土にも見えないが、ゴーレムの肉体はしなやかに見える。
このボスはミスティックゴーレムという名前らしく、名前からもいまいち想像がつきにくかった。
「こいつ…私たちが前戦ったのと違う…みんな気を付けて!」
「はい」
「ん」
「おーけー」
「よし、みんないっく…うっ」
「シズク!!」
いざ戦闘を始めようとした瞬間、ミスティックゴーレムが一瞬にして距離を詰め、シズクを突き飛ばす。
突き飛ばした体勢のまま、じっと動かないミスティックゴーレム
体の青いラインは赤く点滅していた。
「キーリア、シズクの回復!」
「はい!」
「シーナ!こいつの気を引けるか?シズクが復帰するまで俺がアタッカーをやる。」
「ん。可能。任せて。」
「ロキ、お前もいいな?」
「ウォン!!」
シズクが戻ってくるまで何とか持たせるしかない、そう思い気を引き締め、動かないミスティックゴーレムにシーナとともに近づく。
シーナが短剣を背後から一閃。それでもミスティックゴーレムは動かない。
「こいつ…どうなってる」
再度シーナが短剣を振るおうとすると、ミスティックゴーレムはそれを左手で防ぎ、後ろに飛び去り距離をあけた。
「レン、こいつ不気味。でもやるしかない。牽制するから攻撃」
「やるしかないか」
シーナの後ろからロキと一緒に近づく。
こうして俺たちとタタラマ渓谷のボスの戦闘が始まった。