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第17話 茶番と二つ名

遅くなりましたーorz

身の回りが落ち着いてきて、いざ書くとなると久しぶりだからか思うように進まないですね...

エタらないよう頑張ります

「ルールはどうしますか?」

少しして落ち着いた俺は、冷静に、事前の取り決めを行うことにした。


このゲームのPvPは3種類ある。

最初の一撃を入れたほうの勝ちとするファーストアタックモード。

相手のHPを半分まで削った方の勝ちとする、プラクティスモード。

相手のHPが全損させた方が勝ちとするデュエルモードだ。


全損以外は負けてもペナルティはないが、全損を勝敗とするデュアルモードは、デスペナがつくだけではなく、敗者は勝者に対価を支払わなければならない。


恐らく赤髪はデュアルモードを選ぶだろうと思っていると、

「当然デュアルモードだ!狼を手に入れた情報を寄越せ!!」

と案の定言ってきた。最初から勝つ気らしい。負けた時に何を差し出すかについては全く言及していない。


「ではそちらが負けた場合は?」

戦う前に俺は少し追い詰めることにした。


「俺が負けるはずがない!」

「そちらが負けた場合は?」


「負けない!」

「負けた場合の条件を提示しないのであれば、迷惑行為として報告します」

赤髪の根拠のない自信に取り付く島も与えず、ただ追及する。

こういうお子様ほど自分の話を聞いてくれないと顔を真っ赤にするので、からかいがいがあるというものだ。


….いけない、いけない。黒い部分が出てしまっていた。

隣でロキがこちらを純真な目で見上げていた。

なんかごめん。


こんなことを考えて返答を待っていると、顔を赤くして全身をプルプルと震わせていた赤髪がハルバードを地面に力強く一突きし、こう言った。


「負けたら、俺の持ってるゲーム内通貨全部だ!」

乗った!と言いたいところだが、もう1つ俺は条件を追加することにした。


「金輪際、俺と関わらないことを追加してください。」

赤髪は、歯ぎしりしながら顔をしかめた後、その条件を承諾した。


「では、始めましょう」


“プレイヤー・ジーニアスからデュエルの申請がありました。受諾しますか?”

うわーこの人中二病を拗らせちゃった人だったか―。自分の名前を天才にするって…

若干引きながらも申請を受諾する。


カウントダウンが目の前に表示される。

3…2…1…Start!!


「さてと、最初は様子見だな」

開始と同時に後方に飛び、相手の様子をうかがう。


「俺に歯向かったことを後悔するんだな!はぁぁぁぁぁぁ!」

気迫のこもった声で、ハルバードを両手にこちらへ駆けて、上段から振り下ろす。


「よっと」

上体を少しそらしながら、右足を後ろに引き半身になって、それを避け後ろにまた下がる。

なんだが大したことなさそうだ…


「俺の一撃を避けるとはなかなかだな!でもこれは避けられないぜ!くらえ、スラッシュ!」

赤髪のハルバードが光を纏いながらさきほどよりは少し速いぐらいの速度で振り下ろされる。


「遅い」

俺は赤髪の真横を通り抜けながら脇腹にカオスで切りつけ、また距離を取る。


「ぐっ…お前何をした!!」

赤髪の様子がおかしかった。


「目の前が真っ暗でなにも見えない!何をしたんだ!!」

どうやら暗闇状態になったらしかった。

1発で状態異常になるとは…この武器やっぱぶっ壊れだろ…


「くそっ、くそっ、くそぉぉぉぉ!」

赤髪はハルバードを周りに向けて振り回しまくっている。


「シャドウアロー」

赤髪の後方から頭に向けて、魔法を発動する。

目が見えない赤髪は避けることもできず、衝撃で前のめりにのけぞる。


「卑怯だぞぉぉぉ!!!」

同じことを3度ほどした後、罵りながらハルバードを盾のように自分の前に構え、罵る。


正直興覚めだ。さっさと終わらそう。

そう思い、俺は赤髪が向いている方向とは逆の方向からゆっくり歩いて近づき、カオスを再度一閃する。


「あれ?」

刺すやいなや赤髪は痙攣しながら倒れる。

どうやら麻痺しているらしかった。


おい、おい、おいこの武器ぶっ壊れだろ…どんな確率しているんだよ…


「う、卑怯だ…ひっく…」

何だが弱いものいじめをしているようで、いたたまれなくなったのでさっさと終わらせることにした。


近づき、赤髪の心臓にカオスを突き刺す。


“YOU WIN !!”


「昼寝でもするか、ロキ行くぞー」

「ウォン!」

システムアナウンスと共に決着が尽き、俺にゲーム内通貨の3000エナが入ってくる。

正直はした金だが、めんどくさいから俺はロキとそのまま立ち去った。


(なんだよあれ…)

(2回短剣で刺しただけだぞ…)

(状態異常付きの武器なんてほとんど見かけないし、あの発動率はやばすぎる)

(目が見えない状態で近づかるとか怖すぎる)

(鬼畜だ)

(魔王だ)

(あいつは今日から魔王って呼ぼう…)


といった会話が俺が立ち去った後にまことしやかに、野次馬の中でささやかれたとかなんとか。


“「魔王」の二つ名を得ました”

“称号「二つ名を持ちし者」を獲得しました”

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