第11話 弟子入り
どうもAo月です。
昨日は投稿しようとして寝落ちしてました...スイマセン
ストックはもう切れますが、まずは投稿しきろうと思います。
今回はレンがステージアップするための始まりの始まりです。
どう強くなっていくのかぜひ想像してみてください^^
「どうぞ」
「お邪魔します」
「ウォン」
俺とロキはエナさんの家を訪れていた。
昼寝場所から少し行った場所で、なんならタタラマ渓谷のエリア内にあった。
深緑の木々に囲まれた木造のこじんまりとしたログハウスはとてもなごやかで、落ち着ける空間に見える。
部屋の中央には囲炉裏があり、なにやら大きな壺で緑色の液体を煮込んでいた。
「ここが私の城だよ。お近づきのしるしにこれをどうぞ」
そう言って言われたのは瓶に入った緑色の澄んだ液体だった。
早速アイテムの情報を見てみる。
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【回復薬+】
使用者のHPを100回復する薬
製作者が丁寧に作ったことで、癒緑草の苦みも消え、飲みやすくなっている。
製作者:エナ
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「まじか…」
NPCショップで売られているものとは効果が異なっていて、驚いた。
回復薬の後ろに「+」もついているから、普通の回復薬より良いものだとわかる。
ちなみにNPCショップで買った通常の回復薬がこれだ。
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【回復薬】
使用者のHPを50回復する薬
1つ1つ丁寧に作らず量産したことで、素材の苦みがそのまま出てしまっている。
飲むのはつらいが、効果は保証されている
製作者:[ ]
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回復量なんて倍だし、なによりも重要なのが味だ。
掲示板でも回復薬を飲むのはただの苦行なんて言葉が多く見受けられる。
飲んでいないからなんとも言えないが、アイテムの情報を見る限りこれは革命に近い。
「ふふっそんなに見つめちゃってどうしたの?」
「エナさんはこれをいつも作っているんですか?」
「そうよ。それよりいいものも作るけど、メインはそれね。まぁ知り合いに卸してるぐらいだからそんなに作ってはないけどね」
ウインクしながら、簡単に言うエナさんだが、これはすごい…
「なにかコツでもあるんですか!?」
この人からいろいろ聞けば、もし自分でアイテム製作をする時に役立つと思い、食い気味に尋ねる。
「どうしたの、そんな鼻息荒くして、ふふっ」
大人の魅力あふれる微笑みで、優しくこちらを見るエナさん。
「いや、あの、いつか自分で作る時があった時に参考にしたいなって」
思わずたじたじになってしまう。なにしてんだ俺。。。
「あら、レン君も薬を作るのに興味があるの?良かったら教えてあげよっか?」
「いいんですか…!?」
願ってもない申し出だ。このチャンスを逃すわけにはいかない。
「退屈してたし、いいよ。でも私の指導は厳しいぞ~。ついてこれるかな?」
「頑張ります!!よろしくお願いします!!」
NPCがリアルの人間と変わらないことと、大人なエナさんに終始たじたじな俺は、こうしてエナさんに薬師としての指導を賜ることになった。
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EXクエスト 隠れ谷の薬師の指導を受けることができます。
受けますか?
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こう表示されるアナウンスへの、俺の返事は当然こうだ。
Yes
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EXクエスト 隠れ谷の薬師の指導を受注しました。
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しかし、隠れ谷ということはエナさんとの出会いも、エナさんの家があるエリアも隠し要素なんだと内心びっくりする。
なんだか特殊ルートをずっと進んでる気分だった。今のところ得しかないから何も問題はないけれど。
飽きることのないこのゲームへの期待度がまた上がった瞬間だった。
「クゥーン」
寂しそうにロキが一鳴き
・・・すまん、ロキ。ロキのこと忘れてた…