表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/29

第9話 メテオラ洞窟

どうも、Ao月です。

第9話どうぞ^^


「ロキ、2体引きつけてくれ!1体は俺がやる」

メテオラ洞窟に向かう為にメテオラ山に来た俺たちは、いきなり山の洗礼を受けていた。


道中不思議なほどモンスターに出会わないと思えば、メテオラ山についた途端、ストーンボア3体が現れた。


まるで何かのイベントのようで、それでいて、ここを抜けられなければこの先進めないぞと言わんばかりの状況だ。


「上等だ」

いつも通り、シャドウハンドを唱え相手の視界を塞ぎ、隠密を発動する。


ストーンボアはこちらに向かって突進していたが、急に俺の姿が消えたことで、

一度止まり、再度ロキに向かって突進を始めていた。


「じゃあな」

一番後ろにいたボアの進路上、首に当たるようにナイフを置く。

新しい武器を作ってもらうまでの急場しのぎでNPCショップで買ったナイフは、少し抵抗を感じた後、ストーンボアの首筋を裂いた。

「抵抗を感じない武器が欲しい...早く素材集めないと」

グリズリーウルフと死闘を繰り広げてから、自分の中の何かが変わったような気がしていた。以前よりも冷静に戦いに臨めている。


「ロキも変わったな…」

ロキに目をやると、ストーンボア2体を相手にあくまで時間稼ぎを目的に翻弄していた。

以前のロキだと、倒そうと無理して傷を負っていたはずだ。


こうして俺はロキと自分の成長を感じながら、最初の戦闘を楽々終えた。

ちなみにストーンボアの素材は、肉とストーンボアの毛皮だった。


肉は速攻ロキが美味しそうにむさぼって無くなったが…



***

「ここがメテオラ洞窟か」

メテオラ山の中腹にそれはあった。


大きく口を開けた入り口、奥の方は暗闇で見えない。

中で暗視を使えば見えるだろうが、暗視を持ってないプレイヤーは片手に明かりを持って進まないといけない。

確かに事前情報通り、難易度が高そうだった。


「ビビってもしかたない。行くか、ロキ」

「ウォン!」


躊躇うことなく俺たちは洞窟の中を進む。道中ノイズバットが何度か出現したが、耳障りな音を出すだけで、討伐はそう難しくなかった。


しばらく進むと、澄んだ泉がある開けた空間に出た。

泉からモンスターが飛びでてくるかと警戒したが、生物の気配がない。


「ん?」

一瞬視界の端に影が見えたような気がした。

気になり、辺りを見回したがそれらしきものは見当たらない。


ロキも一切反応していなかった。


「気のせいか…よし、進もう」

俺とロキは泉で水分を補給した後、そのまま奥へと進んでいく。


「誰も倒したことがないってのは伊達じゃないな…」

進んでも進んでもお目当てのシャドースネークとは出会わない。

道中に出てくるのはノイズバットだけだった。


「クゥーン」

ロキも珍しく疲れていた。


「よし、休憩するか」

そう言い、その場に腰を下ろし、火を用意する。


「ロキ、ストーンボアの肉焼いて食べてみようぜ」

取り出したストーンボアの肉は脂がのっていて生でも美味しそうに見える。


即席の串を肉に刺して、そのまま炙り焼くこと5分、肉汁がしたたり落ち途轍もなくうまそうに見える。


「ロキ…お前そんなに腹減ってたのか」

尻尾をガン振りして、よだれをたらすロキの姿はまさに獣だった。

思わず苦笑してしまうくらいには。


ロキに塊で渡し、少し削いだ肉をほお張ろうとしたとき、目の前を影がよぎった

「いてっ」


手に持っていたはずの肉はなく、減った俺のHPは攻撃されたことを示していた。


「やっぱり気のせいじゃなかったか…ロキお客さんだ」

それは目の前にいた。


漆黒のそれはとぐろを巻いて、ストーンボアの肉を貪っている。

大きさは一般的な犬ほどだが、鱗の黒は1度視線を外せば、洞窟の暗がりに同化してしまいそうなほどで、

見つからないのも納得がいく。

「シャドースネーク、人様の飯を奪うのがどういうことか教えてやる…よ!」

ナイフを一閃


しかし手ごたえはない。


「どこだ?」

「グルァ!」


一瞬にして見失ったシャドースネークにロキが向っていく。

さすがロキ。先ほどの獣モードは忘れてやろう。

そんなふざけたことを思いながらも冷静にシャドースネークを観察する。


ロキが右足を一閃するが、シャドースネークはそれをするすると避け、影に潜る。


「なるほどな、名前も伊達じゃないってことか」

しかし俺は簡単に勝てると確信していた。


なぜなら

「影を扱えるのがお前だけだと思うなよ!」

影魔法シャドウハンドを発動する。


「掴んだ!出てこいこの飯泥棒!」

影の中に潜むシャドースネークを影の外に出す。


「ロキ!押さえろ!」

俺の声に即座に反応し、シャドースネークをロキが踏みつけ抑える。


後はナイフで突き刺すだけの簡単なお仕事だった。


「影の中にシャドウハンドを発動できるかぶっつけ本番だったけどなんとかなるもんだな

ロキ、なんて顔してんだ、ははは」

俺の呟きに、ロキが「えっ」みたいな顔をしていたのが面白かった。


「帰るか」

「ウォン!」

こうして目的を達成した俺たちは昼寝もできそうにない洞窟などに用はないと、さっさと街に帰っていった。


ちなみにあの後肉は焼き直して食べた。

あの肉汁と味を体験した俺は、このゲームでやりたいことに「美味しものを食べる」を追加した。


あぁまたあの肉食べたい…

最近レンに挫折を一度は味合わせないと...って思ってます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ