オッサン集合!
おはようございます。
朝御飯には昨日の夜に用意したお米を魔道具の炊飯器にて炊き上げた炊きたてほかほかのご飯です。
あったかーいご飯にチーズのオムレツを乗せていただきます。
流石に生で食べる勇気はまだないわ。
残ったご飯は塩むすびです。
勿論、料理中は匂いや音をもらさない結界魔法を使ってます。
こうやって考えてみると、お魚欲しいね。
お出汁がとりたい。
それに鮭やサバとか、鰻も食べたい。
私、お魚大好きで鰻もさばけちゃう系女子だから!
ご飯を食べた後は時間が余ってるので、いざと言うときの為に食パンと調理パンを作っておきます。
自家栽培の小麦粉や塩や砂糖や卵や牛乳と自家製の酵母を使ってパン生地を捏ねて発酵は魔法で。
調理パンの上に乗せる具は即席のトマトソースやマヨネーズソース。トッピングにコーンや玉ねぎ、トマトやピーマン等の野菜。
そして、上にチーズを乗せて魔道具オーブンで焼き上げます。
魔法で時間を進めて大量に量産。
いつでも焼きたてのパンとピザが食べられる様に、保温・時間停止の拡張鞄まで作っちゃいました。
これで飢え死にの心配は完全に無くなりました!
後は用意を整えてオッサン達との待ち合わせ場所へGO!
あ、居ました!2人。
あれ?もう2人は?
「お!カナ、こっちだ!こっち!」
と手を振るウェインさん
「よお、ちゃんと起きれたみてぇーだな。アルドとトルーノは買い物だとよ。わりぃな。カナ嬢。」
と近寄った私の頭を撫でるグレンさん
「おはようございます。買い物ですか?時間前だし、全然気にしませんけど。意外ですね。アルドさんとトルーノさんって事前準備完璧に見えるのに。」
と会話をしてると来ました。
「やっぱりもう来てたか。遅れてごめんなー。ちょっと買い足す物があってな」
と申し訳なさそうに走ってくるアルドさん
「すまん。遅れた。」
と近寄ってきたトルーノさん。
オッサン達全員集合でございます。
「おはようございます。私も今来たんですよ。なので全然待っていないです。今日からよろしくお願いします。」
『おう。よろしくな』
と全員が声を揃えて下さった所で出発です。
「と、その前に。やっぱりそのままで行く気だったか。いやぁ、買いに行って良かったなぁ。」
「ああ。丁度良いのがあって良かった。」
と遅れてきたアルドさんとトルーノさん。
私を見ている二人。
何だろう?
「あ?んだ?どうした?」
「・・・。ああ、なるほどなぁ。だからお前ら買い物行ってたのかよ。」
と、残りの二人も私を凝視。
ウェインさんは分かってなさそうだけど。
「どうかしましたか?」
「ああ。その格好だと旅には向かねぇからな。」
「お?んあ?ああ!!そーゆう事か!んだよ、もっとはっきり言えよ!アルド!」
「だな。道中にゃ、毒持ちの草花や魔物が多いからなぁ。そのまま行きゃあ、まんま被るわな。」
「それに夜はまだ冷えるしな。この外套を着とけ。おひぃさん」
と、トルーノさんから差し出されたのは私のサイズにぴったりな外套。
アルドさんとトルーノさんが遅れてきたのってこれを買ってたから!?
ってことは、私の為じゃないですか!
わざわざ買ってきてくれるなんて申し訳ない!
「すみません!そこまで気が回らなくて。ありがとうございます!代金はいくらですか?」
「ああ、金はいい、いい。いらねぇよ。俺らが勝手に買ってきただけだからな。」
と、アルドさんは言ってくれるが、お言葉に甘えて良いものか悩んでいると
「着てみろ。目視だけで選んだからな。サイズが合うか分からん。」
と、トルーノさんが着ることを勧めてくれた。
「そうだぞ!着てみろよ!」
「だな、こいつらが折角カナ嬢に選んできたんだ、着てみせてみろよ!」
とウェインさんとグレンさんに外套を押し付けられる。
うん。ここはお言葉に甘えよう。
変に遠慮してもなんだし。
今後も気軽に話せる様にやっていきたいし。
「ありがとうございます!それじゃあ、お言葉に甘えて、有りがたくいただきます!」
着てみるとピッタリ!
サイズも、色も。
確かに風が遮断されたみたい。
しかも、長くて足元まである外套なのに、軽くて動きやすい。
「凄いです!軽くて動きやすいし、風も遮ってくれて。しかも、サイズもピッタリで、色もデザインもシンプルで嬉しいです!ありがとうございます!」
嬉しい。よく考えたら、おじいちゃん神様以外の男性から、初めてのおくりものだ。
おおう。初めての異性(おじいちゃん神様以外)からの贈り物が外套。
しかも、オッサン達から。
ただでさえ優しいのに、更に好印象だよ!オッサン達!本当にありがとう!
『いやぁ、気にすんな』
と、照れてるオッサン達に胸キュン。
プレゼントのお礼だけでそんなに照れるなんて、オッサン達、今までどんな目にあってきたの?
傷口抉りそうだから聞かないけどさ!
気になるよ!
まぁ、図々しいのは分かってるけど、分からないことばかりだから、しばらくは優しいオッサン達の優しさに甘えながら、隣町まで行こうと思います。
早速、オッサン達から呼び捨てで良いとのお言葉をいただきました。
もっと気軽で良いと。
確かに、ずっと気を使ってるのも疲れるし、もっと仲良くなりたいので、気軽に行きたいと思います!
「これから迷惑も沢山かけると思うけど、よろしくお願いします!ウェイン、グレン、アルド、トルーノ!」
『おう!よろしくな!』
と、更に仲良くなりました。
今から出発です!