オッサン達の紹介。
旅に同行してくれる事になった4人組のオッサン達。
彼らは自分で自分達の事を《強面》だと言う。
確かに怖い。
んでもって、顔や身体中にひきつった様な傷もあるし、ガタイも良い。
更にはそれぞれの武器が大きく目立つので、怖さが倍増している。
分かりやすく言うなら、チャカを持ったヤクザの幹部だ。
我ながら的確な表現だと思う。
そんなオッサン達に自己紹介をしてもらった。
まず、スキンヘッドの《ウェイン》
彼は斧を使うが、武器なら何でも使える言わば脳筋タイプの男だ。
私を【カナ】と呼び捨てにし、隣町までの道中では武器を教えてやる!と約束してもらった。
次が赤茶の短髪の《グレン》
彼は大剣を使うタイプの筋肉自慢のオッサン。
私を【カナ嬢】と呼び、道中では旅の心得を教えてくれるらしい。
次が白髪が少し入ってきた黒髪短髪の《アルド》
彼は双剣を腰から下げている、話をしてみると比較的穏やかなオッサンだ。
私を【カナちゃん】と呼び、道中では薬草について教えてくれるらしい。
そして最後に銀の短髪の《トルーノ》
彼は鎖鎌を武器にしていて、他の人に比べると寡黙な感じ。
私を【おひぃさん】と呼び、道中では地形について教えてくれるらしい。
全員、言うなれば、そこそこ強い強面のモブキャラオッサン達って感じだ。
格好いいとかはない。
ヒーローにはなれないタイプの人種だろう。
おまけに全員、言葉が雑だ。
全員、オッサン特有の言葉だと思う。
時々、誰が喋ってるのか分かんなくなるもん。
ただ、全員優しい。
道中ではそれぞれのオッサンが、私一人でも旅に困らないように、
依頼での旅での注意点や、武器の扱い方、初めて行く土地での休憩場所の見極め方、薬草や食べられる果物や茸の見分け方等々を教えてくれると申し出てくれた。
しかも、オッサン達は隣町のギルドで登録した後もしばらくは一緒に居てくれるらしい。
依頼の受け方や達成報告の方法を教える為らしい。
最初は薬草集めや掃除などの雑用らしいが、町から出る事もあるから、慣れる迄はオッサン達から誰か一人を連れていけと。
更には、もし、他のパーティーや組みたい人が現れたら、自分達の事は気にせずに切ってくれて構わないと。
少し寂しそうな顔をされました。
まだ旅に出てもいないのに。
オッサン達や。
過保護過ぎませんかね?
なんか、娘の感覚でいないかい?
【なんか、娘を嫁に出す気分だな。嫁も娘もおらんが】って言ったの誰?
何で全員で頷いてるの?
しかも、なんか少し切なそうな顔してるの何で?
よく分かんないけど、暫くはオッサン達のご厚意に甘えよう。
この世界の常識なんかも教えてほしいし。
取り敢えず、明日の待ち合わせ場所と待ち合わせ時間を決めて、部屋に戻ることにしました。
お腹がすいたので、お部屋で某携帯補助食品を食べようと思います。
神様が詰めてくれたやつ。
私の好きなチョコレート味だったのはきちんとチェック済みだ。
うむ。明日が楽しみだ!