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贈り物。

トルーノとの買い物が終わり、2人で和やかに宿に帰ってきました。

トルーノは私が扉の前に近寄りすぎないように片手で私を下がらせて


「トルーノだ。」

と、名を告げると共にドアの上の方を数回ノックした。


すると、少しの間を開けてゴソゴソ、ガタガタ、ビョンビョンという謎の音と共に扉が開き


「思ったよりも早かったな。他の奴らはまだだぞ。」

と、あくびと共に顔を出したグレン。

どうやら本気で寝てたみたい。

腕を顔の下に入れて寝てたのだろう。

顔に赤い跡が残ってる。

更には何度もあくびを繰り返し、目は眠そうに擦ってる。

普段は私よりもみんなの方が早起きだから、寝起きの姿はレアもの!!

少しぼんやりしながらこちらを見ている姿が幼くて可愛い~!!

なんて思ってると、


「ん?カナ嬢は何も買わなかったのか?」

私の手元を見て、不思議そうに聞いてくるグレン。


「ううん。鞄と手ぬぐいと櫛を買ったの。他にもいろんな店を見れて楽しかった!」

鞄から出して、戦利品をお披露目する。


「おお、良いじゃねぇか。カナ嬢はごちゃごちゃしてんのより、質の良さそうなの選ぶのな。良い趣味してんじゃねぇか。」

と、私の買って来たものを手に取ってじっくりと見ているグレン。


そういえば、これらは私がお財布を出す訳にいかないからって、トルーノにお金を出してもらったんだった。

ちゃんと返しておかないと。


「トルーノ、料金の立替えありがとう。助かったよ。私の買ったもの全部でいくらだった?」

自分のお財布を取り出しながら、トルーノに聞いてみる。

すると、


「んや。いらねぇよ。俺はおひぃさんのおかげで、格安で本を買えたからな。その礼だ。」

と、本を取り出して、目の前で見せながら頭を撫でてくれるトルーノ。


本来は、金銭に関してあまり甘えるのは良くないんだろうけど・・・。

トルーノが凄く嬉しそうに本を抱えてるし、私の頭を優しく何度も撫でてくれるので、

今回はお言葉に甘えちゃおう!

いつもは淡々としてる所が多いトルーノが、こんなに甘い微笑みでこっちを見てるなんて

心臓さんがキュンキュンしてます!!

トルーノからの贈り物だと思うと、自分で買うよりも何倍も嬉しい!!

しかも、一緒にお出かけして選んできた品々だし!

汚れたり壊れたりしないように大事にしよう!!


「トルーノありがとう!お言葉に甘えさせてもらうね。ありがとう、凄く嬉しい!また欲しい本があったら一緒に買いに行こうね?また値引きの役に立てるように頑張るから!」

高価な本の購入には今後、私を連れて行ってちょうだい!

役に立てるように頑張るよ!

そんな思いを込めた私の言葉に反応したのは、トルーノじゃなくてグレン。


「んなっ!ま、まて!カナ嬢!次もトルーノと出かけんのか?俺は?他の奴は?トルーノだけか?」

と、私の肩を掴んで揺すり、顔を覗き込んでくるグレン。


え?

いやいや、なんでそうなったの?

本は高価なんだから、そんなにすぐ次は買わないでしょう?

というか、え?

全員と個別にお買い物行くの?

私は嬉しいけど、皆、欲しい物は今日、買っちゃうんじゃないの?

お金無くなっちゃうんじゃないの?

私も特に買うものは無い・・・。

あっ!!

そうだ!!

私がいつものお礼として、皆に何か買って贈るのがいいかも!!

うんうん。良い!そうしよう!


「私はみんなとお買い物に行きたいけど、他のみんなはどうかな?グレンが一緒に行ってくれるなら、次のお買い物は一緒に行ってほしいな。勿論、トルーノもまた本を買う時には連れて行ってくれると嬉しい。」


グレンはまだお金を使っていないから、近いうちに買い物に行くかもしれない。

なので、グレンさえ良ければ、次回のグレンのお買い物の時間を予約させてほしい。


「お、おお!勿論だ!明日、明日にでも行こうぜ!欲しい物・・・はねぇが、何か気に入るもんもあるかもしんねぇし!な?な?明日、どうだ??」

私の肩を掴みながら、勢いよく顔を近づけてくるグレン。


「わ、分かった!明日!明日ね!」

近い!!

顔が近いよグレンさん!!

うおおおおおお!!

照れるよ!!

一気に顔に熱が集中していく!!


「おい、落ち着け。グレン、おひぃさんに近寄りすぎだ。少し離れろ。力も強い。」

そう言って、グレンから私を離す、相変わらずの冷静さです。トルーノ。

グレンはトルーノの言葉で、私との顔の近さに気付いたらしい。


「うおっ!す、すまん!その、なんだ、すまん!」

謝罪と同時に後ろに飛びのいたグレン。

驚いた時の猫みたいでちょっと面白かった。


「ううん。大丈夫。ちょっと驚いただけだから。それより、明日はよろしくね?すごく楽しみ!」

すぐに離れてもらえて良かった。

あまりに近くて全身の毛穴が開いたかと思った。

手汗が半端ない。

あんなに近づくなんて思ってなかったから焦った・・・。

でも、グレンとのお出かけが決まって、今からとても楽しみです!

オッサン達にどんなものを買おうかな?

何が良いだろう?

全員で同じものが良いか、それぞれ別の物が良いか。

悩むね!

贈り物ってなんでこんなにワクワクするんだろう!


「おひぃさん。アルドとウェインの次はまた俺と出かけような?」

私の頭を撫でながら聞いてきたトルーノ。


「勿論!買うものが無くても、お店を見るだけでも楽しいもんね!一緒に行ってくれるんなら嬉しいよ!」


今の私はまだ、中途半端にしかこの世界を知らないから、一人での買い物は正直、凄く凄く怖い。

一緒に行くとオッサン達が言ってくれるのは凄く助かる。

色々話をしながらお店を見るのは凄く楽しい。

いや、むしろ、オッサン達と一緒に歩くだけで楽しいのかもしれない。

次回はグレン、もし可能ならウェインとアルドともお買い物に行きたい。

そしてまたトルーノとも。

今から楽しみだ!!

と、ウキウキしていると、落ち着いたらしいグレンが


「おう!俺も楽しみだ!ああ、そうだ!カナ嬢、そろそろ飯の準備しようぜ!宿は割とキッチリした造りのとこが多いからな。匂いに関しては気にしなくていいぞ。好きなもん作って大丈夫だ。」

そう言って調理道具の入った袋を担いでキッチンに入っていく。


その後ろをついて行きながら、今日のメニューを考える。

久しぶりに手料理を振る舞うのだから、少し緊張する!

とは思いつつも、他のみんなが帰ってくる前に作らないといけないので急がねば!!

今日のメニューは・・・・・。



_____________________________


食事を作り終える間近、扉をノックする音が聞こえてきた。


「ウェインだ!!開けてくれ!腹減った!」

と、部屋の外から元気な声を張り上げるのはウェイン。


「ウェイン、煩いぞ。他の客の迷惑になるだろ。もう少し声量を落とせ。」

と、ウェインに注意するアルドの声も聞こえる。


キッチンに立つ私とグレンに代わり、本を読んでいたトルーノが苦笑しつつ扉を開けに行ってくれた。

私は部屋の中に2人が完全に入ったところで声をかける。


「おかえりなさい!ウェイン、アルド!ご飯、もう少しで出来るからトルーノと一緒に待っててね?」

もうすぐ出来るので、2人にも席についてもらうつもりで声をかけた。


ウェインの事だから元気よく返事をしてくれると思った。

アルドの事だから微笑みながら了承の返事がくると思ったのだが、違った。

ウェインもアルドも照れている様なホワホワとした笑顔を浮かべていた。

なんで?

どうしたの?

今のは何がオッサン心を刺激したの?

時々、私の考えとは全然違うところで照れるんだよね。

今のは何に照れたのか・・・。

うむ。謎だ。

むむむ。と唸りつつ私が悩んでいると、


「《おかえり》だってよ・・・。なんか良いな。【俺の為に飯を作ってくれて、出来るまで待ってて】だなんてよ、俺、なんか感動した・・・。」

と、感極まってるらしいウェイン。


「【お前の為】じゃなくて【俺らの為】だからな?ウェイン。野郎に言われても嬉しくもなんともねぇだろうが、カナちゃんに言ってもらえるとこんなに嬉しいんだな・・・。うん。いいな、なんか。」

と、ウェインの言葉を訂正しつつ、照れたように嬉しそうに微笑むアルド。



ああ、なんとなく分かった気がする。

【おかえりなさい!ご飯、もう少しで出来るから待っててね?あ・な・た♪】的な

新婚さんみたいな雰囲気を味わったということで照れてる系でしょうか?

そう考えると私も照れてしまうんですが・・・。

赤くなる顔を手で扇ぎながら考える。

《おかえり》と《ただいま》は今後、言うようにしよう。

皆が喜んでくれるなら嬉しいし、

家族が帰ってきたって感じで好きだから。


「ウェイン、アルド、《おかえり》。《ただいま》は?」

返事を促すように《おかえり》と言う。

すると2人は頷きあい、笑顔で


『ただいま!』


と返事を返してくれた。

それを聞いて、トルーノとグレンも《おかえり》と2人に声をかける。

すると、ウェインとアルドはまた照れ臭そうに《ただいま》と返事をした。

そして笑いあうオッサン達。

多分、オッサン達は普段おかえりやら《ただいま》とは言わないんだろう。

お互い、どこか気恥ずかしそうに、照れながら笑っているから多分そうだと思う。

でもきっと、今後はごく自然に帰宅時の挨拶が行われると思う。

みんな嬉しそうだもの。

良いなぁ。笑いあうオッサン達、可愛いよ。

可愛い。ものすごく目の保養。

癒される。

このまま暫く眺めていたいのだが、ご飯が冷めてしまうので、程よいところで声をかけよう。


私は暫く、可愛らしいオッサン達を堪能し、ウェインのお腹が盛大な音楽を奏でた所で

ご飯を仕上げ、食べる用意を始めた。


グレンと一緒にみんなの前に並べる夕飯。

アルドもトルーノも

【美味そう】

【いい匂い】

と感想を述べているのだが、一人、様子がおかしいオッサンがいる。

そう、ウェインである。

今日のメインを見た時、お肉にテンションが上がったかの様に見えたのに、直ぐに眉毛をハの字に変えた。

そして、


「うぐっ!!ピーマン・・・。ピ・・・・。」

と、苦悶の表情で声を絞り出すウェイン。


今日のメインは《ピーマンの肉詰め》です。


もしかして、ウェインはピーマンが駄目なの?

だとしたら、なんでグレンは教えてくれなかったんだろう?

もし、ピーマンが駄目なんだとしたら・・・・。

可愛いです。

苦くてキライとか言われたらどうしよう。

萌える。

萌えるが、どうしても食べれないようなら、何か別の物を作ろう。

ピーマンを剥がせば食べられることを願いつつ、未だに暗い表情のウェインに話しかける。


「ウェイン、もしかしてピーマン嫌いだった?食べれなそう?もし、食べれないなら、ピーマンを剥ぐか別のを・・・」

と、話す途中でグレンが


「ウェイン、苦手なのは分かるが、食えなくはねぇだろ。味見したが新鮮なピーマンだからか味わいも違ぇ。食ってみろ。カナ嬢が作ったんだからな。」

と、私が作ったことを強調した。

するとウェインは私の方を見て、意を決したかのような顔で


「だ、大丈夫だ!!カナが作ってくれたんだ!に、苦手だけど、食う!俺は食うぞ!よし!!俺は食う!!緑の魔物に勝つ!!」

と、明らかに変なテンションで口の中にピーマンの肉詰めを放り込んだ。

そして、目を固く閉じて口をモゴモゴと動かしたかと思うと、

突然、目を見開き


「んにゅ?あれ??もぐもぐ?美味い?んぐ?あれ?ん??」

と言いながら飲み込み、不思議そうな顔をしながら二個目を口に放り込んだ。

次はじっくりと味わうように咀嚼し飲み込んだ後、

キラキラと目を輝かせながら


「うめぇ!!おい!!美味ぇぞ!!カナ!俺、ピーマン食えた!!このピーマン、ぐちゃべちゃ、ガリゴリしてねぇし、甘いし、苦くもねぇし、肉汁ジュワーで美味い!!俺ピーマン好きになった!!」

と次々に口に入れていくウェイン。


「飯とも合うな!!ムフー!!モゴモゴ!!」

と、ご飯をかっ込み、いつもの様に嬉しそうにモゴモゴするウェイン。


幸せそうに食べてくれてるから良かった。

というか、ピーマンが《ぐちゃべちゃ》とか《ガリゴリ》って、どんな状態よ。

その表現について詳しく聞きたいんだけど、

他のみんなも

【美味い。こんなに鮮やかなのは初めて見るな。】

【これ本当にピーマンか?食感も味も別物だな。】

【触った感じからして別物だったからな。新鮮なピーマンは硬いらしい。】

とか、詳しく聞くのが怖い単語が並んでるんですが。


硬くないピーマン?

何ですかそれ。

どこまで腐らせてんの?

もしかして、ぶにょんぶにょんなの?

私が育てる元にするために買ったピーマンもフニャフニャだったけど、それよりも上位種に進化するらしい。

お目にかかる日が来ないことを心の底から願います。





オッサン達からの《おかわりラッシュ》も無事に終わり、後片付けも終えてゆっくりと休もうと思っていると、ウェインの叫び声が聞こえた。


「おあぁぁぁ!忘れてた!!カナ!!これ!!カナにやろうと思って買って来たんだ!!使ってくれ!」

と、差し出されたのは一枚の布。


ん?

ハンカチかな?

お土産に買って来てくれたのかな?

私に贈ろうと思って買って来てくれたんなら嬉しい。


「私が貰っても良いの?」

と聞いてみると


「おう!酒を買いに行く途中の店で【最後の一枚だ】って言ってたからよ、買って来たんだ!色は灰色でイマイチだけどよ、これな、特別性の口布なんだぜ!魔具の一種っつーか、アンデッドと対峙した時用の口布でよ、臭いを遮断する役割があんだ!コレがありゃ、匂いがキツイとこでも買い物に行けるだろ?カナが使うのに良いと思ってよ、買ってきたんだ!やるから使ってくれ!」

と、灰色の口布を広げながら説明してくれるウェイン。


真ん中に模様が描かれている灰色の口布は、確かに不思議な力を秘めている様な感じがする。

こんなに便利な品物があるのか!!

驚きで目が飛び出しそう!!

これがあれば、皆が外食する時にもついていける!!

私は食べれないけど。

気兼ねなく調味料売り場にも行ける!!

この前みたいに、他人が一緒の野宿の時なんかも、他の人達の食事中でもこれをしてればへっちゃらさ!!

やったぁ!!

出来る事が格段に増える!!

しかも、トルーノに続き、ウェインからの贈り物!!

テンション上がる!!


「ウェイン!!ありがとう!!嬉しいよ!コレがあれば、他の人と一緒に行動することになっても平気だし、食料品も買いに行ける!!」

と、喜んでお礼を言うと


「おう!喜んでくれるか!本当はよ、もっと性能が良い《鼻栓(はなせん)》があるらしいんだけどよ、カナの鼻栓姿は見たくねぇし、高くて手が出なくてよ・・・。」

と、少し悩まし気な表情をするウェイン。


うわぁぁぁぁぁ!!

鼻栓じゃなくて良かった!!

本気で鼻栓じゃなくて良かった!!

オッサン達の前で鼻栓姿とか、死ねる!!

そんなのするぐらいなら涙ボロボロ流しながらでもあの異臭に耐えるわ!!

口布万歳!!

口布を選んでくれてありがとうウェイン!!

と、万歳三唱をしたい気分になると同時に、とある考えが脳裏をよぎる。

・・・あれ?

待てよ。

ちょっと待て。

鼻栓は【高くて手が出ない】って言ったよね?

そんなに高いの?

じゃあ、この口布は?

高いんじゃないの?


「ねぇ、ウェイン?もしかして、この口布も高かったんじゃ?」

恐る恐る聞いてみると、


「んあ?ああ、今日持ってた金、全部使ったけど良い買い物したろ!」

と、誇らしげなウェイン。


今日、持って行ったお金を全部って・・・。

酒屋さんに行く前にこの口布を買ったって言ってたよね?

もしかして、今の全財産を出してきたって事?

高価だと言われている本を買える以上のお金を?

私の為に?

凄く凄く楽しみにしてたお酒も諦めて?

こ、これは甘えて良い値段じゃないんじゃない?!

アウトだよね?!

アウトだよね?!

ちょっと血の気が引いていってますよ!!

とアワアワと焦っていると、

アルドが、グレンとトルーノに話しかけた後、


「ウェイン、その口布の代金は半分、俺達で負担する。流石に全部は懐が痛ぇだろ?半分、俺達が出すからその金で酒を・・・」

とウェインに告げるアルドの言葉をぶった切って


「いや、いらねぇ。コレは俺がカナに買って来たんだ。俺からの贈り物だ。金も酒もいらねぇ。」

と答えるウェイン。

更に


「大事に使ってくれよ!カナ!」

と、嬉しそうに私に口布を渡すウェイン。


貰ってるのは私の方なのに、凄く嬉しそうに笑っているウェインにキュンとする。

嬉しそうに、幸せそうに、

【つけてみてくれ!】

と、ワクワクが全開のウェインが可愛くてしょうがない。

勿論、速攻で装着してみせましたとも。

アルドに教わりつつ、鼻全体を覆えるように、覆面の様に装着する。

首のあたりに下がる布は、服の襟で抑える。

すると、あら不思議。

さっきまで嗅いでいたはずの、食事の残り香が全く無くなっている。

息苦しさも無いし、これは素晴らしい品ではありませんか!

鼻栓とは違って、結ぶのに時間がかかるし、水の匂いや雨の匂い、火事の匂いや獣の匂いも分からなくなるから、

普通に森を歩くには向いてないかもしれないかもしれないけど、食事のときに使えるだけで、私としては宝物を手に入れた気分だ。


「ありがとうウェイン!!これ凄いよ!!匂いが全くしない!私、この口布があれば調味料なんかも買いに行ける!もっと美味しいご飯を作れるように頑張れるよ!」

と、喜びながらお礼を言うと、

オッサン達も嬉しそうに

『良かったな。似合ってるぞ。』

と、声を揃えて褒めてくれた。


その後も、

今日見たお店の事や、トルーノが買ってくれた品物を見せたりしながら、様々な事を沢山話した。

嬉しくて嬉しくて、話がいろんなところに飛んでごちゃごちゃしていたにも関わらず、オッサン達は

【そうか、そうか。】

【良かったな。】

【楽しかったか?】

と、嬉しそうに相槌を打ってくれた。

そして、

もう遅いからとベッドに入るように言われた後も、アルドが行った胡散臭いお店の話や、ウェインの値切りの話、グレンがみた夢の話など、様々な話をバックミュージックに、私は眠りについた。

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