十二の詩《うた》 第六回
十二の詩 第六回
① イチジクとザクロの熾烈な争い。
② 夢半ば倒れる、上がらない腕と想像する脳。
③ カマキリが食す、怠惰な日常。
④ 杉と松の花粉事情。
⑤ 朝日が昇り一日が始まる、でも物語は始まらない。
⑥ 常勝無敗と勧善懲悪、やがて交わる、悲しき末路。
⑦ 記号と暗号、回帰と復帰、理化と化学それらの退路。
⑧ 首にまかれる蛇と鰐。
⑨ 十時と二時のシンメトリー。
⑩ 鯖に輝く銀色の翼、そして落涙。
⑪ コンクリートに生える、人生と希望の隙間。
⑫ 一振りの包丁、その輝きにひるむ玉ねぎ、夕刻の出来事。
平成二十四年一月二十日 記す