表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奈落の底で拾った【略奪】スキルが、絶滅寸前の人類を救う切り札だった件  作者: 水原伊織


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/26

24.外部からの初期化(フォーマット)――機神兵団の武力介入

バグの亡者どもをデバッグ(殲滅)したのも束の間、世界のシステムはさらなる「外部エラー」を叩き出した。

地獄の執念でも、天界の執念でもない。それは、因果の計算式にすら存在しない「未知の陣営」による武力介入だった。


アビスガルドの空が、バグのノイズとは異なる「無機質な光」によって切り裂かれた。

現れたのは、幾何学的な紋様を刻んだ巨大な金属の門。そこから、蒸気と電磁火花を散らしながら、数千、数万の**【機神兵デウス・エクス・マキナ】**が転送されてきた。


「……地獄でも天界でもない。この世界の『外部』からか。非効率な増援だな」


ユーシスは【零式・極】の血振るいもそこそこに、空を見上げる。

降りてきた機械兵たちは、感情を一切持たない電子音で、王都全域に「宣告」を響かせた。


『──目標:アビスガルド。

 状態:異常個体「ユーシス」および「レイリア」による因果律の過剰消費を確認。

 プロトコル実行:現文明を物理的に初期化フォーマットし、管理下へと置く。』


「……フォーマット、だと? 俺の街を勝手に初期化設定デフォに戻そうなんて、いい度胸ね」


レイリアの背中の銀翼が、怒りで鋭く逆立つ。

マリアとの痴話喧嘩で高まった魔力は、今や「外敵」という明確な排除対象を見つけ、臨界点を超えて輝いていた。


「レイリア、迎撃しろ。こいつらはバグじゃない。……明確な意図を持って送り込まれた『修正プログラム』だ。……だが、俺の仕様スペックに追いついていない時点で、ただのガラクタだ」


ユーシスが地を蹴る。

機神兵の一団が放つ高出力のレーザーが王都を焼き払おうとするが、ユーシスはその軌道を「因果ごと」切り裂いて無効化する。


「……【零式・一閃:回路寸断ショート】」


ユーシスが通り過ぎた跡には、首を跳ね飛ばされた機神兵の残骸が、ただの鉄屑となって降り注ぐ。


「私のユーシスが作った街を、勝手に触らないで! 【永久凍結・絶対零度システム・フリーズ】!!」


レイリアの杖から放たれた極低温の波動が、空中に展開する機械兵団を次々と「計算停止」へと追い込んでいく。

物理的な装甲など、神格化した彼女の魔力の前では紙切れに等しい。


「……全機に通告。……この領域の制圧効率を最大化する。……機神兵、全弾発射準備リローディング


空の裂け目から、さらに巨大な、王都そのものを押し潰さんばかりの「機神母艦」が姿を現し始めた。


「……ハッ。大きいだけの的か。……リソースの無駄遣いだな、外部の神様よ」


ユーシスは不敵に笑うと、自身の右目に刻まれた「管理者権限」を最大出力で解放した。

アビスガルドの空は、今や「神の愛」と「機械の嵐」、そして「執行者の刃」が入り乱れる、世界最大のデバッグ戦場と化していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ