表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生した俺は精霊に愛されすぎて、静かに村を育てます  作者: 月灯り庵


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/49

空を統べる者が降り立つ

ドラゴン族登場回です。

敵ではなく、確認と興味。

空が、鳴った。


それは咆哮ではなかった。


もっと低い。


もっと深い。


空気そのものが震えるような音。


レイナが即座に森の外周へ跳ぶ。


「上」


短い警告。


ルナが少女形態のまま、空を見上げる。


エリシアが息を呑む。


丸い土精霊が俺の足元にくっつく。


芽吹き精霊が光を弱める。


雲を割って現れたのは――


巨大な影。


ワイバーンとは比べものにならない。


長い体躯。


広げれば森を覆う翼。


赤銅色の鱗が太陽を反射する。


「……ドラゴン」


エリシアの声がかすれる。


逃げられない。


戦えば、森は消える。


だが――


ドラゴンは急降下しなかった。


ゆっくりと旋回し、外周の上空で止まる。


防護層がわずかに軋む。


だが破られない。


巨大な瞳が、こちらを見下ろす。


「結界か」


低く、はっきりした声が響く。


声だ。


言葉だ。


ドラゴンは、言葉を話した。


俺は中央に立つ。


「攻撃の意思はない」


できるだけ平静に言う。


レイナが一歩前に出る。


ルナが隣に立つ。


ドラゴンはゆっくりと高度を下げた。


森の外周の外側へ。


決して踏み込まない。


やがて光が集まり――


一人の男の姿になる。


長身。


赤銅色の髪。


瞳は黄金。


圧がある。


だが敵意はない。


「我が名はゼルヴァルト」


静かな声。


「空域を統べる一族の者」


エリシアが一歩前へ出る。


「なぜ来た」


ゼルヴァルトは俺を見る。


真っ直ぐ。


測る目。


「ワイバーンを落としたのは、貴様か」


隠せない。


「守っただけだ」


ゼルヴァルトはわずかに口角を上げる。


「誇示しないか」


ルナが小さく言う。


「興味本位?」


「半分」


ゼルヴァルトは答える。


「もう半分は、脅威の確認」


空気が張る。


だが声は穏やかだ。


「この森は、我らの空域の流れを変えた」


「悪い意味で?」


俺が聞く。


「否」


ゼルヴァルトは即答する。


「安定している」


沈黙。


風が通る。


森が揺れる。


丸い土精霊がぴょんと跳ねる。


芽吹き精霊が光る。


ゼルヴァルトはそれを見て、目を細めた。


「興味深い」


レイナが言う。


「争う気は?」


「ない」


はっきりと。


「貴様らが空を荒らさぬ限り、我らも地を荒らさぬ」


対等な宣言。


命令ではない。


条件だ。


俺は頷く。


「森を削る気はない」


ゼルヴァルトは静かに空を見上げる。


「ならば見守ろう」


その体が再び光に包まれる。


巨大な竜の姿へ。


翼が広がる。


森に風が吹き抜ける。


だが破壊はない。


ゆっくりと高度を上げ、雲の向こうへ消える。


静寂。


レイナが息を吐く。


「強い」


ルナが言う。


「でも敵じゃない」


エリシアが森に触れる。


「均衡は保たれています」


俺は空を見上げる。


ワイバーンより上位。


空を統べる者。


それが“確認”に来た。


精霊の森は――


もう、上位種に認識される存在になった。


それでも。


中心は揺れない。

今回はドラゴン族が現れました。

力の象徴のような存在ですが、争いではなく“確認”でした。


強者に認識されるということは、誇りでもあり、緊張でもあります。

皆さんなら、ドラゴンと距離をどう取りますか?

友好か、警戒か、それとも静観か。


次回、森内部の変化と“余波”を描きます。


ブックマーク・評価・感想で応援いただけると励みになります。


これからも、静かに育てていきます。


月灯り庵

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ