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選んで、残す
種の選別と改良回です。
「全部は使わない」
俺はそう決めた。
一番甘い実。
一番強い茎。
一番育ちが早い株。
それを選ぶ。
レイナが言う。
「食べないの?」
「種にする」
ルナが微笑む。
「未来に回すのね」
エリシアが土を整える。
「森のやり方と同じ」
自然淘汰。
でも優しく。
精霊の力は“底上げ”する。
だが、選ぶのは俺たちだ。
丸い土精霊が区画を整える。
芽吹き精霊が新芽を促す。
数週間後。
違いがはっきり出た。
実が大きい。
甘い。
皮が薄い。
「……売れる」
バルドが笑う。
だが俺は首を振る。
「まずは安定」
大量生産はしない。
森を削らない。
段階的に。
外との関係は、この土台の上に作る。
街の商人が再び来る。
「この味は反則だ」
と笑う。
でも俺は言う。
「無理には売らない」
希少。
安定。
品質。
これが武器になる。
精霊の森は――
戦わずに、勝てる畑を作る。
次は以下あたりを考えています
・保存技術強化
・加工品開発
・街が本気で動き出す




