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異世界転生した俺は精霊に愛されすぎて、静かに村を育てます  作者: 月灯り庵


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甘さの理由を探す

農業強化編スタートです。

ここから数話、しっかり積みます。

「甘すぎる」


街から戻った商人がそう言った。


保存ベリーを一口食べて、目を丸くする。


「森の作物とは思えん」


俺はその言葉を聞きながら、畑を見ていた。


確かに甘い。


だが理由は分からない。


精霊の影響?


それだけじゃない気がする。


「土が違う」


エリシアが言う。


「水の流れも」


ルナが畑の端にしゃがみ込む。


少女形態で、真剣な顔だ。


丸い土精霊が地面をぺちぺち叩く。


芽吹き精霊がころころ転がる。


「でも全部が全部じゃない」


レイナが言う。


「端は普通」


俺は畑を区切る。


中央。


外側。


水路近く。


木陰。


「試すか」


そこからは、実験だった。


水量を変える。


間隔を変える。


精霊を近づける区画と、離す区画。


肥やしも試す。


結果ははっきり出た。


中央区画。


精霊がよく集まり、水路が安定し、土精霊がよく跳ねる場所。


そこだけ、甘さが一段違う。


「……中心だ」


エリシアが呟く。


ルナが静かに言う。


「ハルの位置」


俺は立っていた場所を思い出す。


畑を整える時。


いつも、中央に立っていた。


偶然か?


いや。


安定の加護。


大地の流れ。


「広げられるか?」


俺が聞く。


エリシアが頷く。


「中心を増やせばいい」


ルナが続ける。


「流れを分散させる」


丸い土精霊がぴょんと跳ねる。


芽吹き精霊が転がる。


試行錯誤は続く。


畑はさらに広がる。


精霊の森は、ただ育つだけじゃない。


“研究”を始めた。


外にない味。


それは偶然ではない。


作れる。


育てられる。


積み重ねられる。


精霊の森は――


土から強くなる。

次回は「種の改良」に入ります。

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