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異世界転生した俺は精霊に愛されすぎて、静かに村を育てます  作者: 月灯り庵


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売れる森、育つ森

交易と経済の芽生え回です。

「売れたな」


バルドが笑う。


街から戻って一週間。


持ち帰った塩で保存食を改良し、薬草を乾燥させ、ベリー酒も試作した。


「薬草茶、評判いい」


エルフの一人が言う。


「保存食も」


ルナが頷く。


レイナは腕を組む。


「人、増えるかも」


俺は少し考える。


交易は小さく始めた。


でも、街の商人が言っていた。


“森の薬草は質がいい”と。


精霊の影響だろう。


芽吹き精霊が畑を走る。


丸い土精霊が基礎を固める。


大地が安定しているから、質も安定する。


「欲張らない」


俺は言う。


「一気に広げない」


エリシアが頷く。


「森を削らない」


バルドが言う。


「でも鍛冶場は拡張だな!」


そこは欲張るのか。


笑いが起きる。


村は明るい。


重くない。


金に目がくらんでいない。


ただ、少しずつ豊かになる。


「分配は?」


ルナが聞く。


「全体で使う」


俺は即答する。


防護層の強化。


保存庫拡張。


道の整備。


村全体の安定。


レイナが短く言う。


「いい」


丸い土精霊がぴょんと跳ねる。


芽吹き精霊がころころ転がる。


精霊の森は、戦わずに強くなっていく。


奪わずに、広がる。


この村は――


静かに、でも確実に、豊かになっている。

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