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異世界転生した俺は精霊に愛されすぎて、静かに村を育てます  作者: 月灯り庵


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荷車と笑い声がやってきた

新キャラ登場回です。

明るいドワーフです。

昼下がり。


森の外周で、聞き慣れない音がした。


「車輪」


レイナが即座に言う。


土を踏む、重い音。


だが慌てた気配はない。


防護層を抜けてくるとき、軽く弾かれたはずだ。


それでも進んでくる。


「止める?」


エリシアが聞く。


「まず見る」


俺は外周へ歩く。


森の道を抜けて現れたのは――


小さな荷車を引いた、ひとりのドワーフだった。


「おお?」


丸い鼻。


立派な髭。


背は低いが、腕は太い。


「ここが例の“揺れない村”か?」


第一声がそれだった。


俺は思わず聞き返す。


「例?」


「森の流れが変わったって噂だ」


ドワーフは荷車を止め、周囲を見渡す。


畑。


家。


エルフ。


獣人。


精霊。


目を丸くする。


「なんだここ、面白いな!」


重苦しさゼロ。


いきなり笑う。


ルナが少女形態で首を傾げる。


「誰?」


「旅の鍛冶屋だ」


胸を張る。


「名はバルド。鉄と石と酒が友だ」


レイナが小声で言う。


「酒は要らない」


バルドが笑う。


「畑あるだろ?なら穀物もできる」


勝手に未来を語るな。


「何しに来た」


俺が聞く。


バルドは真顔になり、家を見た。


「建て直したろ、それ」


エルフ建築の中心建物を見上げる。


「悪くない。だが柱はまだ伸ばせる」


エリシアの眉が少し動く。


「伸ばせる?」


「鉄の芯を入れればな」


森と鉄。


本来なら相性が悪い。


だがバルドは地面を軽く叩く。


「この土地、拒まない」


エリシアが静かに目を細める。


「……確かに」


俺は腕を組む。


「で?」


バルドはにやりと笑う。


「住まわせろ。代わりに強くしてやる」


交渉だ。


でも重くない。


楽しそうだ。


丸い土精霊がぴょんと跳ねる。


芽吹き精霊が荷車の下に転がる。


バルドが目を丸くする。


「なんだこれ、可愛いな!」


掴もうとして、土精霊に弾かれる。


「おお!元気だな!」


笑い声が森に響く。


ルナが小さく呟く。


「また増えるわね」


レイナが言う。


「騒がしくなる」


俺は少し考える。


そして言った。


「争わない。森を傷つけない。勝手に持っていかない。困ったら話す」


バルドは豪快に笑う。


「上等だ!」


こうして。


荷車と笑い声が、この村に加わった。


村はまだ小さい。


でも確実に――


広がっている。

ここから発展フェーズがさらに加速します。

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