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異世界転生した俺は精霊に愛されすぎて、静かに村を育てます  作者: 月灯り庵


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ここに根を張ると決めた日

エルフ本格定住回です。

明るく、前向きに。

「私たちは、この地に根を張る」


エリシアがそう言ったのは、修復作業がひと段落した夕方だった。


大げさな宣言ではない。


でも、はっきりした声だった。


新しい家の中央、丸い机を囲んでいる。


レイナは腕を組み、ルナは少女形態で静かに座っている。


丸い土精霊は机の上。


芽吹き精霊は椅子の脚にぶら下がっている。


「元々そのつもりじゃなかったのか?」


俺が聞くと、エリシアは少し笑った。


「仮住まいのつもりだった」


「仮かよ」


「でも違った」


エルフの一人が続ける。


「昨日、森があなたを中心に守られたのを見た」


別のエルフが言う。


「逃げる地ではない。育つ地」


レイナが短く頷く。


「強い」


ルナが言う。


「揺れない」


俺は肩をすくめる。


「別に俺は何も」


「何もしていない者に、大地は応えない」


エリシアが穏やかに返す。


少しだけ照れくさい。


「じゃあ?」


俺が聞く。


「本格的に家を作る」


「畑も広げる」


「水路も整える」


「森と共に」


口々に明るい声が上がる。


悲壮感はない。


失った森の代わりではない。


“ここがいい”という選択だ。


ルナが小さく言う。


「にぎやかになるわね」


レイナは静かに言う。


「悪くない」


丸い土精霊がぴょんと跳ねる。


芽吹き精霊がころころ転がる。


俺は机を見回す。


「歓迎する」


それだけ言った。


エリシアが深く頷く。


「では、共に育てよう」


この日、エルフは“仮住まい”をやめた。


この村は、本当の意味で――


増え始めた。

エルフ本格定住回です。

明るく、前向きに。

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