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異世界転生した俺は精霊に愛されすぎて、静かに村を育てます  作者: 月灯り庵


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空から来た災厄と、揺れない命

初の本格的脅威回です。

でも絶望にはしません。

最初に影が落ちた。


畑の上に、巨大な影が横切る。


「……上」


レイナが顔を上げた瞬間、空気が震えた。


低い咆哮。


空を裂く羽音。


巨大な翼を持つ影が旋回する。


ワイバーン。


森の上空を支配する存在。


「なんでこんな近くに」


エリシアが息を呑む。


精霊たちが一斉に静まる。


丸い土精霊が俺の足にしがみつく。


芽吹き精霊が震える。


ワイバーンは村の上空を旋回し、ゆっくりと高度を下げる。


「縄張りに気づいた」


レイナが低く言う。


「新しい集落は潰す」


その言葉の直後、ワイバーンが急降下した。


「散れ!」


俺が叫ぶ。


エルフたちが一斉に広がる。


ルナが少女形態のまま両手を広げる。


風がぶつかる。


土が舞い上がる。


家が軋む。


「くる!」


レイナが跳ぶ。


ワイバーンの爪が地面を抉る。


畑の端が崩れる。


芽吹き精霊がころころ転がる。


丸い土精霊が土を固める。


だが、でかい。


圧倒的だ。


「火を吐くわ!」


ルナの声。


次の瞬間、熱が走る。


俺は反射的に前へ出た。


考えたわけじゃない。


体が動いた。


その瞬間――


何かが、静かに広がった。


足元から。


大地から。


透明な膜のようなものが、村を包む。


火がぶつかる。


だが、弾かれる。


揺れない。


風も、熱も、通らない。


ワイバーンが吠える。


再び突進。


だが、見えない壁にぶつかる。


空気が震える。


エリシアが目を見開く。


「……結界?」


俺は分からない。


ただ、守ると決めただけだ。


村を。


精霊を。


みんなを。


その意志に応えるように、大地が応えた。


水路が光る。


畑が揺れる。


森の木々がざわめく。


ルナが息を呑む。


「ハル……あなた」


レイナがワイバーンの横腹を斬る。


エルフたちが同時に矢を放つ。


森の魔力が絡みつく。


動きが鈍る。


俺は一歩前へ出る。


「ここは、渡さない」


声は大きくない。


でも、揺れない。


大地がさらに強く応える。


ワイバーンの足元が沈む。


地面が固まり、拘束する。


森の根が絡みつく。


最後に、ルナが月光を落とす。


光が一直線に走る。


ワイバーンが大きく吠え、翼を打ち、そして――


空へ逃げた。


静寂が落ちる。


誰も怪我はない。


家も無事。


畑も半分は残った。


丸い土精霊がぴょこんと跳ねる。


芽吹き精霊も転がる。


レイナが俺を見る。


「……お前」


ルナの赤い瞳が、深く揺れる。


「やっぱり、揺れない」


エリシアが静かに言う。


「この地は、あなたを中心に守られた」


俺は畑を見る。


壊れた場所もある。


でも。


立っている。


村は、立っている。


俺は息を吐く。


「直せばいい」


その言葉に、みんなが少し笑った。


災厄は去った。


村は守られた。


そして今、はっきりした。


この村は――


もう、ただの小さな集落じゃない。

次回、村はさらに結束します。

そしてハルの能力の正体に一歩近づきます。

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