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異世界転生した俺は精霊に愛されすぎて、静かに村を育てます  作者: 月灯り庵


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見えない塔

王都が観測塔の存在に気づく回です。


森・王都・塔。


三勢力構図が完成しました。

王城、情報局執務室。


「西方の断崖に、不審な塔があるとの報告です」


若い官吏が書簡を差し出す。


王女リシェリアは視線を落とす。


地図。


航路。


商隊の目撃証言。


「王国の管轄外ですね」


静かな声。


「交易路にも直接的な干渉はありません」


「ですが……」


官吏が迷う。


「森を訪れた不明の旅人と、同時期に塔の動きが活発化」


王女の指先が止まる。


森。


あの丘。


ソラの言葉。


壊れない。


王エドゥアルドも書簡を見る。


「塔か」


短い一言。


知らなかったわけではない。


だが確証はなかった。


均衡を測る者たち。


古い記録にわずかに残る存在。


「敵対の兆候は?」


王女が問う。


「現時点ではなし」


「観測のみと推測」


観測。


つまり、見られている。


王女は目を閉じる。


森は広げない。


王都は急がせない。


だが世界は動く。


塔は、均衡を理由に介入する可能性がある。


「森には知らせますか?」


官吏が問う。


王女は少し考える。


知らせれば、森が警戒する。


警戒は、均衡を揺らす。


「知らせない」


決断。


「森は既に感じている」


それが王女の直感。


森は観測に気づいている。


それでも広げていない。


「監視は続けます」


官吏が言う。


王は頷く。


「だが刺激するな」


塔は敵ではない。


だが味方でもない。


均衡を理由に動く存在。


夜。


王女は窓辺に立つ。


遠い西方を見つめる。


「三年……」


森と約束した時間。


塔もまた、その時間を見る。


森。


丘の上。


ソラが空を見上げる。


精霊が、ほんの少しだけ西へ揺れる。


ミナが呟く。


「増えた」


視線が、増えた。


ハルは静かに言う。


「広げない」


それだけ。


森は動かない。


動かないことが、今の答え。


塔。


水鏡に王城が映る。


「気づいたか」


男が呟く。


均衡は三角になる。


森。


王都。


塔。


互いに干渉せず、互いを知る。


それが一番不安定で、一番壊れにくい。


三勢力が、同じ三年を見つめる。


未来は確定しない。


だが構図は整った。


壊れるか。


壊れないか。


それは、これからの選択。

知らないことは恐怖。


知ったうえで急がないことは、強さ。


三年という時間は、全員に平等です。


―― 月灯り庵

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