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第4話 : 友達の視線、私の気づき


「つばさー、今日お昼どうする?購買行く?」

そう声をかけてきたのは、友達の一人、佐伯さえきあかり。


明るくて、話題豊富で、クラスのムードメーカー。

彼女とは1年の時からの付き合いで、何でも話せる友達のひとりだ。


「購買でもいいけど、今日はちょっと……」

「ん?珍しいじゃん。つばさ、いつも即決じゃん」

「……なんか、教室にいたい気分かも」


自分でもなぜそう言ったのか、よくわからなかった。

けど、教室に残っていたかった。

理由は……きっと、あの人がまだいるから。


「もしかして、誰か気になる人とか?」

「えっ⁉ な、なんでそうなるの⁉」

「あっはは!焦ってるー。図星でしょ~」


冗談混じりのあかりの笑顔に、私は誤魔化すように笑い返した。



昼休み。

藤井くんは、今日もひとりで席に座っていた。

お弁当を食べているというよりは、ゆっくりと時間を過ごしているように見える。


私は、何気なく彼の方を見た。

……すると、彼も同じタイミングでこちらを見ていた。


目が合って、ふたりとも一瞬固まる。

だけど、今日は彼の方が先に——

ほんの少しだけ、目元を緩めた。


それだけで、胸がじんわり熱くなる。


あかりが隣で、私の顔を覗き込んだ。


「……やっぱ、いるな。気になる人」

「……う、うるさいな……」


私は視線をそらしながらも、顔が熱くなっていくのを止められなかった。


何も始まってない。

会話だって、ほとんどない。

でも、私の中では確かに、

何かが、ゆっくりと動き始めていた。


それはたぶん——

“好奇心”と呼ぶには、少し優しすぎるものだった。



---

読んでいただき、ありがとうございます。


今回は、つばさの友人・佐伯あかりが初登場しました!

明るくて、ちょっとお節介で、でも空気も読める子です。

彼女のような存在がいると、主人公の心の動きも際立って見えてきますね。


そして、つばさの中の「気づき」。

まだそれが恋だとは気づいていないけれど、

静かに波紋のように広がっていく感情を、これから丁寧に描いていけたらと思います。


この作品は、急展開よりも、

「いつの間にか変わっていた」

そんな心の動きを大切にしていくつもりです。


それでは、また次の放課後でお会いしましょう。


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