#35 前期中間考査――②
そうして迎えた前期中間考査。
今回の試験は、1日目に数学と物理、2日目に現代国語と情報、3日目に外国語(英語)と芸術、4日目に現代社会と近代史――の日程で行われる。
そして今日は、その1日目。
今回の試験の日程の中で、最も多くの人間が唸る日だ。
「ついに来てしまったか……この日が」
1時限目の数学が始まる10分前、SHRが終わった直後だ。綾の後ろから、そんな声が聞こえてきた。綾にとって、その言葉を聞くのは初めてではない。なにせ、中等部にいた頃から、テストの度に聞かされているのだ。進級の時など、対策テストをやる度に言っていた。
「我々は今、本当にテストなどという不毛なことをやっている場合だろうか?」
綾が後ろに顔を向ければ、詩織が未奈とエルカを相手に、拳を掲げながら力説していた。
「昨今、人類は相変わらず戦争し、今も戦場では多くの人が命を落としていっている」
詩織は目を固く瞑り、苦しげに訴える。二人は、テスト直前であるにも関わらず、前傾し聞き入っていた。綾はというと、完全に無視をして、数学の最終チェックを行っている。
「全高14メートルの人型機動兵器が登場して以降、戦争はさらに激しさを増した。軌○エレベータの所有権を巡り争い、また別の戦場ではカー○リッジシステムを備えたデバイスを振るって少女が孤軍奮闘している」
「軌道エ○ベータ?カートリッジシ○テム?」
未奈は、聞きなれない単語に首をかしげる。
その未奈に、エルカが説明をする。しかも、やたら詳しく。100年以上も前のアニメのことを、だ。
「我々は、この現実を重く受け止め、戦争根絶のために動かねばならない。そう、ソレスタルなんたらのように!」
「ソレスタルビー○ング」
エルカが正式名を口にするが、詩織はそれを大いにスルーし、
「聞いているのか?アヤ・クリハラ。君もザ○ト軍なら少しはその態度を改めたらどうだ?ん?」
やたらガ○ダムネタが多いが、それをつっこむ者はいない。綾は変わらず無視を貫き、未奈はネタが分からず、エルカは無口のため。
「くっ……!ギ○スさえあれば……!」
詩織はそんなことを苦々しげに呟き、ご丁寧に下唇まで噛んでいる。
だが、そんな詩織の一人芝居も間もなく終了することに。この学校ならではの上品な音色で、だが他校との違いはそれだけの予鈴が、広い――否、広すぎる校内に鳴り響く。
♪
「終わったーっ!!」
テスト4日目の放課後、教室内で誰よりも早く、詩織は叫んだ。
ほとんど飛び上がる勢いで立ち上がったせいで、ちょっと豪華な造りの椅子は盛大に吹っ飛――ぶことはなく、ガタンという音を鳴らして後ろに下がっただけだった。この椅子はバランス感覚もいいらしい。
そんなことより、と綾は思う。このテスト期間中に、詩織は何かを本当に確立したらしい。バカ(この学校においては、だが)なのは前々からだが、果たしてこんなキャラだったか。初日のアレ然り、2日目のドジをかます直前に発するものと同種(と思ってしまった)の妙なヤル気然り、3日目の回収の際にチラリと見えてしまった外国語の記述問題の解答然り。
ちなみに、現代でもテストだけは不正を防ぐために紙を使って行われている。
「綾はこの後どうするの?」
そんな近い過去の回想を綾がしていると、詩織がそんなことを聞いてきた。
「普通に帰るけど――」
「じゃあ、何か食べていこうよ。未奈とエルカも」
「まぁ、それは別にいいんだけど……」
綾がそう答えると、
「なんだね、その返事は?そんなんでは、碧○学園の生徒会に負けてしまうぞ」
碧陽○園?どこの学校よ、それ――などと綾が考えていると、詩織はすでにスイッチを切り終えていて、
「それじゃあ、行こー!」
と、カバンを引っ提げ、教室の出口へと歩み始めていた。
「はぁ……」
綾には最早、溜息を吐くことしかできなかった。隣で、綾のその様子を見た未奈が苦笑を漏らす。エルカは変わらず無表情。
綾は思う。
――さっぱり意味がわからない。
やほい\(-o-)/
神崎です。
神崎も来週からテスト期間ですよー。
はぁ……。
テスト……テストかぁ。
ま、ムリだな。うん。
英語とか特に。
さて、まぁ来週の木曜、ミクとか発売だけど、それはとりあえず置いといて、今話のことを。
まぁ、読んでくれた方は分かるでしょう。ネタです、完全に。
ガンダム(あとがきは伏字なしで。理由は――――気分です)ネタが多いのは、作者がガンダム好きだからです。
といっても、C.E.(SEED&SEED DESTINY)と西暦(OO)が専門なんで、ガンオタと呼べるかどうかは不明。
ちなみに、一番好きな機体はストフリ。ダブルオーライザーもいいけどねー。
と、ガンダムわかんねー人にはつまらねー話になっちまった。
元からつまらない?あぁ、そう。ま、知ってるけどね。
じゃ、あっしはここいらで(-o-)/