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雷蝶の奏曲  作者: 重鳴ひいろ
二章
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32/76

#27 <華焔> vs ベルガッセ――⑪

どもです。

お待たせ・・・・・・しました?

今、この小説の設定を整理しているのですが(思っていたよりもとんでもないことになってきたため)、終わらない!

アニメを見ているからなのか、ゲームをやっているからなのか、原因はよくわかりませんが。

まぁ、きちんと整理しとかないと、後々大変ですからね。頑張ります。



さて、この長い戦闘ももうすぐ終わりです。

今しばらく、お付き合いくださいませ。


それでは、以上、作者でした(^^)/

 それはまるで、巨大積乱雲を迸る雷と小規模な隕石が、幾度も衝突しているかのようだった。

 そして、そんな雷と炎が荒れる中で戦う二頭の竜は、神話にでも登場しそうな"龍"に見えた。

 だが実際の龍は、これとは比較にならない力を持っている。

 雷が走る度空は瞬き、炎が走る度空は焼ける。

 夕日によって、瓦礫が積み上げられた地に影を落とす二体の竜は、互いに決定打を打てずにいた。

 だが、これが竜と竜の戦いだと、互いに理解していた。

 竜同士の戦闘で、最終的には機動力や知力は些細な問題でしかない。

 体皮を覆う竜独特の鱗は、あらゆるものを弾く。砕くのに必要なものは一つしかない。

 角度でも狙い目でもない。必要なのは、圧倒的な力だ。あまりに単純で、面白味もなにもないが、これが終局的な答えだった。

 だからこそ、祐太は、そして藍色の竜――アゼリア・スティーゲンは、その魔術もろとも貫く最大の一撃を放たせないように攻撃を繰り返しながら、同時に機会を窺っていた。

 そしてだからこそ、その狙っていたタイミングが互いに合致したのは、ある意味当然の結果と言える。

 その、魔術を正面から貫くほどの魔術が互いに放たれたのは、地上1500メートルのところだった。

 そこは、このターミナルの"ライン"ギリギリの場所。つまり、これより上に行けば、別のターミナルへと転送されてしまう。

 そんな、竜でなければ来れない上空で、二つの円環術譜が展開した。

 「ヴェノゲルグ・デリアベルト!」

 「ディセロ・レゾンベリカ!」

 祐太とアゼリアが同時に放つ。

 竜系のみが撃てる超大口径の熱線と勝るとも劣らない太さのプラズマ砲が――衝突した。

 高磁力と高熱の波が荒れ狂うなか、空気が鳴動し、衝撃は地にまで走り、地盤を、いやターミナル全体を揺らした。

 そうして、数秒の後、未だ余韻が残る中、高高度の空に滞空していたのは、紅蓮の竜――祐太だった。

 だが、完全に無傷ではなかった。

 ふわりと降り立ち、人の姿へと戻った祐太の右肩から、赤い液体が流れ出ている。

 あのプラズマ砲は、力でこそ負けていたものの、確実にダメージを与えていたということだ。

 「祐太ッ!」

 祐太が、自分を呼ぶ声がした方に顔を向けると、細かな傷をいくつもつけた未奈が走ってくるのが見えた。

 それを見た祐太の顔に、ふっと笑みが浮かぶ。

 肩がズキズキ痛むが、少なくとも生きている。

 ――そうか。

 そこで、祐太は改めて気付いた。

 ――俺が負けていれば、もうこの世界にはいられくて、この世界でこいつと会うこともできなくなっていたのか。

 その目に涙を溜めた未奈が、走ってきた勢いそのままに抱きついてきた。

 「バカッ」

 未奈は、顔を押し付けているせいでくぐもる声で、祐太を罵る。

 そこには、普段綾たちには見せない表情をした未奈がいた。

 すなわち、恋愛的な意味で好きな相手だけに見せる表情。

 そして、本当に心配していた、幼馴染の表情。

 「あぁ・・・・・そうだな」

 祐太は、そんな未奈の頭にぽんっと軽く手をおいた。

 そうしながら、綾の方へと視線を移す。

 見れば、祐太だけではなかった。

 全員が、綾を見ていた。

 綾を――立ちあがった、深青の雷蝶を。

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