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このゲームにはまだ名前がない  作者: 榊巴
第一章:破節 ふえ鬼
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一章:破節【クレス編】 第二十二話 困惑

がたりと馬車に乗り込むクレスとイリアスが見えた。


「あれは.......」


そう探していた人をようやく見つけたかのようにその馬車を見つめていた。


―、

がたりと揺れる馬車が前へ進むと、徐々に町の家々から人が出てくる。

刻一刻と流れる光景に活気があふれていく姿にどこか感嘆たる思いがこみ上げた。


イリアス

「......父はみんなから慕われていたらしい

だけど父は亡くなっても、皆意を介せず活気を出せるのだな」


そう寂しそうに見つめる。


クレス

「みんな自分の生活がある。自分に精いっぱいなんだ。」


イリアスはただ黙っていた。


「..........それで? 葬儀の件は分かったけど、継承式と軍備の再編成というのは?


確か辺境伯は授与式で正式な継承なんじゃ?」


そう疑問を投げかけた。


イリアスはそれに答える。

「継承式というのは、いわばロンドール家当主拝命の儀みたいなもの。


略式でもいいんだけど、

父が正式に僕を当主にせずに亡くなったからしないと行けない慣わしだ。


だから費用削減のため、葬儀と継承式を同時に執り行う予定。」


クレスはなるほどと頷く。


イリアスは少し外を観ながら言う。

「問題は軍事の再編だ。

父は軍事、行政、司法を1人で行っていてな

右腕とよべる内政官が居ないんだ


今は学園が休学になっている。が、ひと月後のことを考えたらせめて名代(みょうだい)が欲しい。」


クレス

「見つかるまで学園を休むことは出来ないのか?」


イリアスは少し呆れた顔でクレスを見つめる。

「残念だけど、領主の任より学園を優先しないといけない」


クレス

「.......世界の王侯貴族が来るからか?」


イリアス

「そうだ 少しでも関係があるだけで、将来的な利益を独占できるからな

だから周りは躍起になって、自分の子供たちを入学させているんだ。


そういうクレスは...研究のためか?」


クレス

「研究っていうか...その.....」


少し小っ恥ずかしいそうにかく。


「ゲームを触りたくてな」


イリアスは困惑する。


「げ....ゲーム? え? あ、...うん なんかごめん」


なぜか謝られた。


「と、とりあえずそのゲーム?っていうのはよくは知らないがきっと見つかるよ うん」


そう親指を下げた。

適当な反応と威嚇的なハンドサインにむかりとクレスは反論する。

「なんだ その仕草 喧嘩売ってんのか?」


えっと自身が見せた指仕草を見る。


「あれ?...結構いい意味らしいんだけどな」


クレス。

「それって"死ね"とかの意味じゃない?」


イリアスはそれに反論する。

「それは親指を上げることだよ。

エーゲ帝国のコロッセオで使われるハンドサインだ。

親指の上が "首を切れ"

   下が "首をつなげろ"って意味なんだよ

恐らく親指を首に見立てたものなんだろうね


まぁいい意味で使うわけにはいけなかったな すまん」


クレスは思い出す。

「ああ、だから裁判のとき、みんな親指を下にしていたのか....」


「ん?」


「んん?」


「」んんん?


クレスはさらに思い出す。


イリアス

『いいね(≧∇≦)b』


クレス

「お前....ハクにガッツリ親指あげてなかった?......」


すすすすと顔を逸らすイリアス。

「じょ、冗談が通じるとおもって」


少し細目で見る。

「やっていいことの範囲越えてるから

あとで言うね」


―、

ハクは喜色満面で言う。

「そうでしたかーw 私は許します(≧∇≦)b」


フレデリカ

「あなた最低ね...」


そう地面に座らされる頬に手の跡がついた涙目のイリアス。


話を戻すようにイリアスを聞く。

「とりあえずこのあとどうするんだ?」


イリアス

「とりあえず目を擦ります。」


そう拭うと周囲を見て言う。

「今は噂の盗賊団を捜索と同時に討伐隊を編成しないといけないかな」


フレデリカ

「盗賊団?」


事情を話すと理解した2人。

フレデリカ

「そう...盗賊ね あまり事情を知らないけど、民が困ってるならしないといけない...

ハッ!? ここで功績を挙げれば、クレス様の地位向上につながるんですね


さっすがロンドール伯 わたくしのことを考えてくださって...」


イリアス

「いや王女殿下 討伐隊の名目上、ロンドール(うち)の功績になりますので無理です。」


そう冷たくあしらった。

フレデリカは少しショックを受けた。


クレス

「とは言っても、盗賊団の居所が分からないと進む話も進まないな」


ハク

「そうですねー」


イリアス

「そう言うと思って、商会の人間から襲撃箇所を記した地図を貰っといたよ」


そう言うと懐から紙を出す。


――――――――――――――――――


森の中で整備された道を通る馬車を御者がのんべんだらりと進んでいる。

御者は道の先に人が居るのが分かり、馬を止めた。


すると周囲の木陰から軽く武装をした人々が現れる。

ざっと30人が馬車を囲みように集まる。

リーダーのような者が前に出た。


「悪いが 荷物を置いてもらおうか」


質の良さそうな曲がりくねった剣を抜き出す。


シャムシエル(刀剣)か....」


そう御者はフードを外す。


クレス

「アディス方面の出だな? 盗賊ども」


子供が馬車に乗っている姿に盗賊たちはどよめく。


リーダーはこ、子供? そう驚いてる隙に、周囲に囲まれている気配を感じた。


鎧の紋章から見て、ロンドール伯の兵士隊だと分かった。


「た、隊長 囲まれました!」


リーダー

「バカ言え こんなこといつものことだ」


場数を踏んでいるのか後ろに居る部隊にも剣を向けた。

その先の馬上から轟く声が聞こえる。


イリアス

「降伏しろ!! お前たちにもう逃げ場はない」


リーダー

「ふざけるな!! 俺たちは生きるのに必死なんだ!」


イリアス

「ならなぜ行商人たちを襲う 畑を耕していけばいいだろうが それを行わなかったことこそ短慮と言えよう」


くそっ、そういうとクレスに近づくリーダー彼を人質にしようと走り出す。


クレスは近づいてくるリーダーに剣を抜く。


リーダー

(人質にしたくなかったのに こいつ 剣で抵抗するか!?)


リーダーの剣はクレスの剣を絡め取るように振る。

クレスはそれを読み、剣の腹で自身の柄まで滑らし、かちあげる。


リーダー

(しまっ!?)


クレスは身長差を剣の腹で補い、リーダーの体を押し込むのと同時に足を引っ掛け、地面に叩き落とす。


がはっと受け身が取れずにもろに食らう。

その隙に腕を押さえ、身動きを抑えた。


クレス

「意外にも戦えるもんなんだな....」

そう小声で呟く。


盗賊たちは一瞬でリーダーが取り押さえられたことに愕然とするほかなかった。


イリアスは自身の声で森をとどろかす。

「さぁどうする!? ここで死すまで戦うか

剣を落とし、我々に降伏するか選べ!!」


リーダー

「こ、降伏する」


リーダーの意向に従い、盗賊たちはおとなしく剣を落とす他なかった。


―、

クレス

「案外簡単に行けるもんなんだな」


そう言うクレスに呆れるイリアス。

「普通はそう簡単にうまくいかないけどね

大概に血で血を洗うことも多いらしい」


クレス

「そうなんだ....うまくいってよかったけど、ダントルやリミカルドと比べたら全然楽だった」


イリアス

「あれは上澄み中の上澄みだよ?

ちなみにリミカルドとクラカルは十二聖騎士団に匹敵するほどの実力者なんだ

なんで僕たちが生き残れたのか分かんないほどだよ


伊達に泣く子も黙るダンタリ騎士団じゃない」


それに、....という言葉で捕らえたリーダーに目を向ける。

「今回は血を流すために来たんじゃない」


兵士

「ほんとうにいいんですか?」


そう心配そうにイリアスを見つめていた。


イリアス

「ものは試しだ やってみよう」


そう近づくイリアス。


「君たち 飯に困っているんだろ?」


リーダー

「それがなんだ?」


イリアス

「君たちを雇おうと思っているどうだ?」


リーダーは驚く。

「正気か? 俺たちは盗賊だ」


イリアス

「昔は兵士だろ? 随分と腕が立つらしい

それに名主と謳われた父から3年逃げ切ったその采配は見どこがある。」


閉口するリーダー。

クレスが横から入る。

「剣から見るに、アディス方面からの流れ者だと思う。恐らくどこかの国の部隊だったとか?」


一切口を開かないリーダー。


クレス

「........よし 他のやつから尋問(じんもん)していくか」


子供とは思えない発言に驚くリーダー。

「仲間に出すんじゃねぇ 悪魔かお前」


クレス

「」ならっ 話してくれるよな?


イリアス

「雇うにしろ、雇わないにしろ せめて君たちの過去を知りたい 何があった?」


リーダーは舌打ちをする。

「俺たちはカストル国からの出だ。」


クレスは知らない国の名前が出てきたため、イリアスに目を向ける。


「カストル国は数年前にアディス大王国に滅ぼされた国だ。」


クレス

「ああ、サリィ王女のとこ」


リーダー

「........そうだ 俺たちは国が滅んだから逃げて、逃げてここまで来た。


だがここの者たちは肌の色が違うと言って、排斥してきたんだ。

住める家も耕す田畑の知恵もない俺たちはただしたくもない盗みでどうにかするほかなかった。」


イリアスは感嘆する。

「3年間もその状況を維持出来たことはすごいな」


疲れから「もう限界だったがな」とそうこぼす。


リーダー

「だが、 その判断したのは俺だ!! みなは生きるためにやったんだ 俺だけを罪に問いただせ 他は釈放しろ」


嘆願の声が盗賊たちの耳に届き、涙目になった。


イリアスは冷たく発する。

「なぜ?」


リーダー

「え.....」


イリアス

「俺が欲しかったのは、3年間その状況を維持した采配と指揮能力があるお前が欲しいのであって、他はなぜ生かす理由があるんだ?」


その目には、子供の目にはないどす黒い輝きがあった。

リーダーは「殺すのか?」と狼狽えながら質問をする。


「..............」帰ってきたのは沈黙だった。


リーダーはただそこに居た2人の子供が怖くて怖くて仕方ないなかった。

彼らの声に冗談も震えも温かさもなかった。


リーダー

「お願いします せめて せめてあいつらだけでも」


だけどもう身動きが取れない状況にうなだれる他なかった。


イリアス

「いいよ!」


えっと腑抜けた声が出る。


「だからいいよ だって血を流すために来たんじゃなくて、雇うために来たんだから」


クレス

「さ...すがにやりすぎた?

ちょっと脅して相手の本性見る感じで言うつもりだったんだけど」


そう兵士に声をかける。

「.....差し出がましいかと思いますが、やりすぎかと 最悪イリアス様、クレス様に牙をかけられていた可能性があります」


クレス

「ダメカー」


やれやれとしている兵士

「ダメですね」


ハク

「結構イケてるセリフ集のつもりだったのですが」

ひょっこりと兵士の後ろから現れるハク。


依然として話が飲み込めない盗賊たち。


イリアス

「今回捕らえたのは俺たちの話を聞いてくれない可能性があったから、捕らさせてもらった。」


そういうとリーダーの縄を解く。


「君たち盗賊団をわたくしロンドール辺境伯の元、雇いたいと考えている。

君はどう思うかな?」


リーダーは何かを言いたかったが、何か呆れたのかただ一言「話だけを聞かせてくれ」とそう伝えた。


―、

リーダー

「なるほど ロンドール辺境伯が自決してしまったのか 空席の軍事の采配を俺に?」


兵士

「私は反対です こんな得体のしれない者たちにうちの仲間の命を預けるなんて」


リーダーはその兵士に「それはそうだ」と頷く。


クレス

「その提案をしたのは俺だ イリアスはその選択を信じた。」


イリアス

「みんなの気持ちはわかります

ですがサルエド、あなたは父の空席 軍団長の席に収まる資質だと断言できますか?」


兵士サルエド

「.....言えません 重すぎます」


イリアス

「まぁそれほど 父の采配は妙手(みょうしゅ)だったんだ」


ハク

「でしたらイリアス様が引き受けたらよかったのでは?」


イリアスを首を振る。

「父からは"何も教わっていないんだ"」


クレス

「なにも?」


イリアス

「父は子供に仕事ぶりを見せない人だった。それでも盗んでみようと躍起になったがことごとくがうまくいかなかった。


だから僕の補佐役がほしいんだよ」


リーダー

「だからといって私みたいなのを....」


イリアス

「確かあなたたちの盗賊団は家族も含め、200人居ますよね?」


リーダーは驚く。

「どこでそれを!?」


イリアスはただ思い出す。

「襲われた商人からです。

襲撃者の中には煤にまみれた女の手が見えたと 襲撃場所と人数から計算して総勢200名居るんじゃないのかって」


クレス

「そっから家族ごと流れてきたんじゃないのかって話から提案したんだ

彼らを雇えるんじゃないのかって」


イリアス

「で? どうする? 君たちの家族含め私が保護しよう その代わりにその腕をロンドールの元振るってくれないか?」


リーダーはただ一言。

「みなに飯を食わせられるんだよな?」


イリアスはただ笑顔で頷く。


ハク

「マスター 私出番なかったんですけど」


クレス

「諦めろ」


そんなーとつい声が出てしまったハク。


――

―――

――――


軍団長リンド

「え....これ 私がやるんです?」


そう言われると溜まりたまっているであろう書類が山積みになっていた。


イリアスはドア付近に佇む。

「うん! ちなみに役職は軍団長だけど、内政官もしてもらうからそのつもりで」


えっと振りかえるとドアは"閉められていた"。


イリアス

「いやーラッキーラッキー まさかカストル国の将官をやっていたなんてとんだラッキーだ」


その状況を見つめていたハクとフレデリカ。


フレデリカ

「ルンルンではしゃいでるけど、仕事丸投げよね あれ」


ハク

「そうですね」


遠目で見ているとイリアスに近づく執事が居た。

執事

「坊っちゃま お客様がいらっしゃいました」


イリアス

「僕に?」


はいと答えた執事に頷き、そのまま応接間へと向かうイリアス。

フレデリカとハクはなんとなく付いていった。


イリアスは応接間に入る。

「お待たせしました わたくしロンドール家当主 イリアス・ロンドールと言います」


そう顔を上げると、美しい女の子が居た。

やわらかくしなるストレートな茶髪、どこか遠く見つめるような冷たい青い目。


「はじめまして ロンドール伯

わたし テトラ商会会長ティリシー・テトラの娘 エルシー・テトラと言います。


父にあなた様を補佐するよう言いつけられました。」


「..........」


「いかがなさいました? ロンドール伯」


目を奪われたのか気を取り戻したイリアス。

「」っああいえ、

ティリシーさんからそういった連絡をもらっていなくて驚きまして


そう話をつづけた。


「そうでしたか」


フレデリカとハクは後ろからその状況を見ていた。

フレデリカ

「とても美しい方ですわ ロンドール伯が目を奪われるお気持ちわかります。」


ハク

「フレデリカ様も美しさなら負けないんですけどね それはそれとしてイリアスに恋が芽吹く感じですか?wktk」


フレデリカは「そうかも」と嬉しそうにハクと見つめ合う。


たまたまの通り道にフレデリカとハクが応接間を覗きこむ姿が見えたクレス。


「いかがなさいました お二人」


フレデリカ

「クレス様 クレス様!! イリアス様にお会いしたいと言っていた方がとても美しい方だったのです。」


ふーんと("昨日の件"かな?)と思い出しつつ、覗き込んでた隙間から見るクレス。


エルシー

「そうでしたか

ロンドール伯もお父君が亡くなったあとだというのに、立派にお勤めを果たしているとお聞きしています。

わたしはそのお姿に尊敬します。」


ロンドール伯

「はいキリッ 父の務めは重くツライものですが、それが当主たるさだめです。

民のために務めを果たすのが亡き父の思いも報われると信じています。」


ハク、フレデリカ

((さっき仕事を丸投げていたような...))


クレス

(は? ティリシーさんの娘綺麗すぎないか? 遺伝子どこに残してきた? 残ってるのあれ?)


覗きこんでた一同驚きを隠せなかった。


エルシー

「ロンドール伯を補佐せよと父に言いつけられましたが、ロンドール伯が素晴らしい方だとは思わずはたしてそのお役目果たせるかどうか...」


ロンドール伯

「いえッ エルシーさんが居るだけでも私は十分にお役に立てると考えています。

エルシーさんは為せるものから為してゆけばいいと思いますよキリッ」


エルシー

「ロンドール伯.....」


ロンドール伯

「わたしのことはイリアスとお呼びくださいニチャ」


そうしっかりとした顔でエルシーを見つめているイリアス。


クレス

(にしても腹立つなぁ 何がキリッだよ)


ハク

「真実を知ってしまったら、さぞ落胆するんでしょうね」


少し動き出そうとするハク。

フレデリカはハクの肩を掴み、止める。


フレデリカ

「ダメよ ハク 人の恋路を邪魔したら

そんなことをしてしまったら、わたしたちの恋路もうまくいかなくなるわ」


ハクはハッと諭され、「そうですね...」とその足を止めた。


そんな話をしていると、後ろから人は近づいてくる。


リンド

「みなさん....って王女さまもいらっしゃるし」


リンドは頭を掻くしかなかった。

先日ロンドール伯の屋敷に案内されたあと、すぐにこの国の第三王女との謁見があった。


勧誘から謁見などの事態が絡まりすぎて慣れなかったリンド。


クレス

「どうしたんですか?」


やれやれという顔でリンドは伝える。

「ロンドール様が仕事全部押し付けた上で、どこか行ったんですよ」


クレス

「そ....そうなんだ」(なにやってんの)


リンド

「で、問題なのがわたしは南方のカストル出身のために、エルテ語が読めないんです。

だからいくら書類仕事に関わってたとしても判を押せないので探そうとしてる。」


クレス

「あー...うん それならイリアスなら目の前の応接間に居ますよ」


と指をさす。


「さいですか」と適当に返事すると、そのまま応接間入る。


フレデリカ、ハク、クレス

「「あっ」」


リンド

「イリアス様 すみませんが仕事押し付けられても、文字読めないんでその〜.....」


そう目の前を見ると、イリアスはエルシーの手を掴み、向かい合っていた様子だった。


「お邪魔でしたね....」


そう踵を返そうとした。

イリアスは狼狽えた声で聞く。

「リンド!?せ、せめてノックをしてから入るのが普通じゃないか.....クレス?ハク?フレデリカ様?」


クレス

(しまった)

ハク

「バッチリ見てましたススス」

フレデリカ

「わたくしはなにも見ていませんわ」


一様に状況から目をそらそうとする一行。


イリアスはただ黙って赤面をしていた。


この状況に首をかしげるエルシー。

「あの...イリアス様 この方々は?」


イリアス

「あ、ああ彼らはリンド、クレス、ハク、フレデリカ 先代ロンドール亡きあと、私の手伝いをしてもらっている方々なんだ。」


エルシーは落ち着いた声でそうなのですねと言った。


イリアス

「リンド なんの用だ? てか鍵閉めたはずだけど」


リンド

あんなの(ピンキング)子供でもできますよ

そうではなく、ロンドール様

勧誘し、私の部下、家族たちを保護してくれたこと感謝いたします。


が、肝心の書類のエルテ語が読めず、判をおせない状況でして、その相談をしようとしていました。

あと仕事全部押し付けないでください」


イリアス

「.....分かった リンド 私が読むからその補佐をして....」


ハッと気付く後ろを向くイリアス。


エルシー

「え? リンドさんという方に仕事を押し付けていたのですか? ロンドール伯というお役目も?」


そんな疑問をイリアスに突き刺す。


イリアス

「い、いやこれは訳あって」


ハク

「あんなウッキウキに部屋から出てたのに?」


背後からヤジが飛ぶ。


エルシー

「なるほど 今代のイリアス・ロンドール伯はサボり癖があるということなんですね」


そう顔を俯く。


クレスはあーあという顔になり、フレデリカは「ああ恋路がー」とハクを揺さぶっていた。

イリアスはただ狼狽えるしかなかった。


目に力が入った姿でエルシーはイリアスに近づく。

「父がおしゃったように、この不甲斐ないイリアス様を補佐する役目 十分に理解いたしました!」


そう言うと、イリアスの手を取り、リンドの元へ向かいます。


エルシー

「リンド様ですね?」


落ち着いた声なのにどこか情熱的な行動に少し困惑隠せないリンドは頷く。


「リンド様はエルテ語読めないとお聞きしました。 そちらの補佐もしますので、イリアス様の監視お手伝いください!」


「イリアス様! 執務室はどこでしょうか!?」


リンドは「あ、ああ分かった」と適当な返事をしつつ、イリアスを執務室へ連れて行くエルシーだった。


クレス

「もう2日、3日で色々起きまくってるな」

ただそう思ったことを呟いた。


ハク

「自業自得ってやつですねー」


フレデリカ

「....意外にも行動派なのですね わたくしもクレス様の手を引っ張れるようにしないと...」


となんとも濃い時間を過ごしていた一行。

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