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このゲームにはまだ名前がない  作者: 榊巴
第一章:序節 鬼ごっこ
18/24

一章:序説 第十八話 この人生に名前はある

「これでようやく殺し合いが出来る!!」


公堂中にリミカルドの声が響く。

自身の手で携えた光の縄を付けた手斧を振り回す。

巧みに肘に、肩に絡ませ、手首を捻らせ、その凶刃をイリアスに向ける。


イリアスはそれを弾き飛ばすが、リミカルドを内に引っ張り落とす。その刃をイリアスに引っ掛けるよう差し向ける。


ハクはその凶刃を向けないようにリミカルドに近づくが、もう片方の手斧で振り回し、ハクは距離を取らざるおえなかった。


だがハクへと意識を背かせたため、その隙をうかがい、イリアスは剣を光の縄へ絡ませ、その攻撃を防ぐ。

がその勢いは消えず、一瞬イリアスをかすめる。


イリアス

「くっ」


リミカルド

「ちっ」


クレスは走る。イリアスたちの元へと。


イリアス

「クソッ なんでそんなに楽しそうなんだよ」


不気味に笑うリミカルドに不満を述べる他がなかった。

リミカルドは片方の斧をイリアスに絡め取らているために、もう片方の斧を手に持ち、ハクとの応戦をする。


ハクはリミカルドの一振りを避けるが、持ちてを替え、柄を体に引っ掛ける。

それだけではハクは微塵も倒れるわけではなかったが、重心が柄のほうへとよりかかってしまう。

その瞬間にリミカルドはハクの足をかけ、こけさせる。


ハク

「きゃ」


そのままこけると、斧の刃は内側へと向けていたため、自身の体重とともに突き刺さる可能性があった。

ハクは何がなんでも、リミカルドの腕を掴み、のしかかる。


リミカルドはそれを読んでいたのか、笑い、ハクをあえて突き飛ばす。


地面にぶつかった衝撃で一瞬身動きができなかった。


オクリス(目よ)シレントコンキオリ(沈黙を結べ)、―」


リミカルドは構え、その一閃をハクに差し向ける。

クレスは走る最中に、見える(目に宿す)を発動した瞬間に、イリアスに言う。


「イリアス!! 剣を引っ張れ!」

イリアス

「ああっ!」


リミカルドの斧に流れる魔素が集約していたが、引っ張られたことにより逸れる。


リミカルド

(まだこの魔法(・・・・)について詳しくは分からないが、....まずはアイツ(クレス)から潰すか)


リミカルドはまだ追いついていないクレスのほうへと足を向ける。


クレス

「!?」


リミカルド

(この集団のなかで、ダントツでヤバいのがこのクレスだ。

"クレスの前でイリアスの殺害"の理由はよく分かった。

イリアス殺害の一番の障壁がこいつだからだ

"こいつ(クレス)を殺さない"というのが納得がいかないが、ダントルを殺したということで合点がいく。)


リミカルドは走る最中に、その勢いを殺そうとイリアスは絡めた縄を引っ張ろうとするが、逆に引っ張り返される。


イリアス

「あ、」


リミカルド

(あいつはうちで2番手だった。

その2番手を殺されちゃ、こいつを真っ先に無力しないとイリアスを殺すことはできない。


.....どうやってダントルを殺した?

魔法...だろうな

戦闘中の聞き耳でユビキタスと言っていたな 古エーゲ語で"遍在"を意味する。

ダントルはそれを避けた。

結果、魔法(・・)とよべる影響を受けていなかった。

ならクレスに近付かずに無力し、イリアスを殺害するという選択肢になる。)


だが、というように思考を巡らし、目を巡らし、周囲をみやるリミカルド。


その後を追っていたハクに追いついかれるが、ハクの蹴りを手斧の柄で防ぐ。


(この白いクソガキは威力は立派だが、動きが粗雑。 素直だわかりやすい 戦闘経験がすくねぇ処女(戦士でもない)は考えてることが安直だから面白みがねぇんだよ

だからどうにとでも対処できる。)


引っ張られたイリアスを勢いよくハクにぶつける。


ハク、イリアス

「「くぅっ」」


そうしてクレスの前へと対峙する。

クレスは一切微動だにもせずに、素手で構える。


(剣が折れたか

本当に殺されたんだなダントル 

さぁどうする? ここはお前の魔法の射程距離だぞ?)


そこはダントルが避けたであろう距離よりももう2歩詰めた位置にいたリミカルド。


クレス

「ユビキ...」


そう口を開いた瞬間、リミカルドは一瞬にして上半身を大きく反らし、手斧をあらぬ方向へ投げた。


クレス

「しまっ!?」


気付くのは遅く、その斧が降り立つ場所にはとある少女2人がヘタリ込んでいた場所だ。

サリィ、エスメはひぃっと互いに両手を絡めませ、天命を待つのみだった。


クレスは嗤う。


リミカルドはその仕草が横目から見えたがそのまま飛んでいく姿を見守っていると、2mの高さで飛び、その斧に飛び込みわざと刺さるイリアス。


イリアスは痛みで苦悶するが、その勢いある斧を抑えていた。


リミカルドは思う。


そのための十字の斧にしていた理由だ。

斧は薄めの横線は肉に引っ掛け、抜けにくくするための釣り針のような仕組みにしている。

リミカルドは戦闘を優位にするための特殊な仕組みに作り上げていた。


そしてこの手縄で.....


(いや 待てよ....)


そもそもガキが2m以上高く飛べやしねぇっと

そして斧の速さに追いつくにも、尋常じゃない力が必要となる。

この白いクソガキがそれに見合う可能性があるが、消去法としてガキとイリアスを一纏(ひとまと)めにしていたはず。


そしてハクが居るはずの場所に目を配ると、そこにはイリアスとハクが一緒に倒れ込んでいた。

なおも諦めず立ち上がる姿を見えると一瞬でクレスのほうへと顔を向ける。


「このガキッ!?」


クレスは不敵に嗤う。


アレス(燃え盛る)


リミカルドはバッと自身のローブで身を固める。

(火?)


それはぼうぼうと燃え盛り、火が広がっていく姿を見て、一瞬で脱ぐ。


大きく距離を取る。

ローブは火により、煙も立たせず消え去った。


リミカルドは思いつく限りの対処を取る。

手で鼻と口をふさぐ。


(幻覚系 か? 毒物に関する知識ならある程度あるが、なら実際に斧はどこへ?)


自身の投げたであろう斧と繋がっている縄引っ張ると自身が飛び込んで後ろ方向に感覚があった。


その先には公堂の地面に斧が突き刺されていた。


(なるほど)


クレス

「どうしたんですか? 急に距離を取って、トイレにでも行きたくなったんですか?」


(ほざけ)


このクレスが扱ったもの、つまりダントルを殺したのは"幻覚にまつわる魔法、この火の魔法だ"。

だが魔法の発言がなかった。

なるほど、やっかいだ。

それと性質が俺と同じ魔法だな。


類似点も含め、

幻覚にまつわる魔法について、


射程距離があり、おそらく毒物などが持つ胞子や煙と同じような物が周囲に漂っている。


なら口と手で塞げば、すむ問題だ。


「だがクレス お前武器を壊したんだろ?

聞けば、犬は柵に囲まれているほどよく吠えると聞くぞ?」


「今 その犬と同じ柵なので、あなたも同類ですね」


「ははは 俺は調教師だ 煮るも焼くも俺の差配(さはい)次第だ」


「まぁ水を注げばよく回る水車とはこういうことを言うのでしょうね

調教師? 笑わせないでください


戦い方で右往左往している様で?

あなたは迷える子羊でしょ?」


両者は互いに笑う、嗤う、哂う。


イリアス

「もう どうして も聞かない なんで も聞かない

リミカルド これだけは答えてほしい」


リミカルド

「なんだ?」


イリアス

「僕は..."愛されていたの"...?」


リミカルドはその問に黙り、考え、懊悩(おうのう)する。


リミカルド

「今もだ」


イリアスはただ顔をうつむかせ、そっか....としか言わなかった。

クレス

「........高慢(こうまん)ですね」


リミカルド

「何がだ?」


クレス

「それはあなた(・・・)の"言葉"でもあるんじゃないの?」


リミカルドはこみかみに力が入る。


「何が言いたい?」


クレスの目には冷たさがあった。

「子供が嫌いな理由ってただ単に羨ましかっただけでしょ?」


リミカルドはその言の葉に驚く。


「自分の子供時代がただ辛かったから、

だから羨ましかった。

そして何もしらないイリアスの幸せ顔を見ているとイラついて、殴りたくなったことが何度あったか」


イリアス

「く、クレス?」


リミカルドの口角をぴくりと上がる。

「お前 ふざけてるのか?」


クレス

「ふざけてるのはお前だろ?

だから暗殺依頼が来たとき、心底驚いてたじゃねぇか

やった 殺せる と

なんでお前(・・)許可した と

イリアス殺したあと、依頼主殺す を複雑に織り交ぜてたよな?


イリアス殺したあちに依頼主殺すって....

ぷっくあはアハハハ

どんだけ愛憎入り混じってるんだよ」


リミカルド

「お前が何を言っているか分からない」


イリアス

「く、クレス? り、リミカルドがそんなこt」


クレス

「イリアス こいつ壊れてんだよ

愛情が壊れて、壊れて、壊れて、

伝えられる愛情表現が"殺す"しか伝えられないんだよ しかも自分が生きている(イリアスが死んでいる)前提の話な?


だから『今もだ』なんだよ ユビキタス(発散)


気付くとリミカルドはクレスの前立っていた。

蹴り飛ばされる。


「ガキィ 適当ほざいてると蹴り潰すぞ」


クレス

「ガハッもう蹴り潰されてるって」


クレスは自身の腕を犠牲に自身の体を守る。


「それで? もう終わり?」


そのわらいに怒りが込み上がるが、全身が呼吸困難へといたり、膝をついてしまう。

(しまった くそむせる)


ガハッかはぁと咳と全身の痛み、そして右腕から焼き上がる苦痛が伝わってくる。


クレス

「ハク!!」


ハク

「はい!!」


そう自身で掴んでいた光の縄で、リミカルドを縛る。

リミカルドはユビキタス(発散)の範囲内での捕縛のため、身動きできずに苦しんでいた。


自身の崩れた腕を持ち上げ、リミカルドのほうへと近づく。


イリアスはクレスの方へと走る。

「さっきのはどういう?」


クレスは少し切なさそうな顔で言う。

「大丈夫だ"みんなちゃんと愛してたよお前を"」


イリアスは閉口してしまった。

そのままクレスは立ち止まるイリアスを無視し、そのままリミカルドのほうへと向かう。


「......まんまと乗せられたな」


―――――――


クラカルに吹き飛ばされる2人。


「相手の動揺を誘い、選択肢を増やし、狭め、考える時間を増やす これが戦闘における判断力を鈍らせる手段となる。」


ミエラは素早く動けたが、その行動も読まれていたのか至近距離で弓を構えられる。


一発をわざと(・・・)かすらせる。


ミエラはその弓の2射目を避ける仕草をするが、その勢いを利用しミエラの首を弓で抑える。


「相手の行動を予想するというのは、大層難しく聞こえるが実際は簡単だ。


右側に道が空いてなかったら、右に行くだろ?」


そのまま後ろへと回り、ミエラを抑える。

その動きを見たグラディウスを槍をもう一度持つが、ミエラを盾として構えられる。


「行動を誘導したらあとは人はみな単純な動きをする」


ミエラを突き放す意外性にグラディウスはミエラを支えてしまう。

クラカルは後ろへと回り込み、2人を抱きかかえ抑える。


グラディウス、ミエラ

「「あ、くっ」」


クラカル

「大事なのは

一般常識を持つこと、

一般常識に従うこと、

そして一般常識から逆らうことさ 

これが卑しさに繋がる


おまえらを愛してる〜」


グラディウス、ミエラ

「「え!? キモ」」


クラカル

「これで思考は一瞬戸惑う」


グラディウス、ミエラ

「「ハッ 離して! 離せ! あ、ぐう」」


頑張って振りほどこうとするが、尋常じゃない力で押し込まれる。


「な? 簡単だろ? これが卑しいって言われるんだぜ? 悲しいだろ?」


グラディウス

「今回は誰かを殺しに来たのか!?」


クラカル

「そうだ」


ミエラ

「アディス第一王女の暗殺ですか?」


クラカル

「あでぃ...ああ、サリィ王女か いや

イリアス・ロンドールの暗殺だ」


ミエラ

(え?)


アディス第一王女が暗殺....対象じゃないの?。

ちょっと待って、え?

思考が回り、動きが鈍くなった。


グラディウス

「おまえ 自分の主の子供の暗殺依頼をどうとでも思わないのか!?」


クラカル

「どうも? 今回その親公認だ

世界中、ガキは(くび)られ、刺され、犬に食われ、騙される

そんな世の中だ 親に期待外れになる

周囲から疎まれ、殺される そんなの当たり前じゃないか?」


グラディウス

「だからこの学園を作ったんだ

おまえは俺が死んで悲しいとは思わないのか?」


クラカル

「哲学者じみたことを言うじゃないか

悲しいな だが()が生きている

"いつか"仇はとってやるよ グラディウス

ああ、だがおまえは"追っている最中に"殺していいリストに載っているから殺す。」


グラディウスは「ああ、そうか!」と言うと、一瞬弛んだ両手から抜けた右腕で隠し持っていたナイフでクラカルを刺そうとする。


おっとっととクラカルは2人から手を離す。


グラディウス

「とことん自分勝手だ」


クラカル

「好きに言え、 どこの貴族も同じようなもんだ」


ミエラは解放されるが、考えることが多く、立ち止まってしまう。


ミエラは考える。

なんで? そもそもの話 どうして3年生で起こるイベントが()起きているのか。


情報はなきに等しい中での考察。

思い出せる限りのイベント内容の会話を思い出すがそれの一切が"繋がる"要素がなかった。


だけど、....


ミエラ

「わたしたちを殺すのですか?」


クラカル

「....."グラディウスは"」


ミエラはすっと深呼吸をする。

(推しは死んでほしくない それが私の....)

「勝たないといけないね グラディウスさま」


グラディウス

「ミエラ....ああ、そうだな」


「合わせられるか?」


ミエラ

「アドリブでいいなら」


グラディウス

「なら合わせよう」


両者は目を凄ませる。

クラカルは少し目元を微笑ませる。


「うし ヤルか」


そう構えるクラカル。

グラディウスは槍を叩くように横に薙ぐ。


クラカルはその槍を掴もうとするが、方向転換させる。

クラカルは驚く隙を、ミエラは素早く駆け込む。

一瞬ミエラに目を向けるのと同時に槍を落とし叩く。

肩にぶつかる衝撃が来ることで一瞬怯んでしまうクラカル。


ミエラ

「こういうことなんですね 意表を突くということは」


クラカルはわらう。

「正解」


「だが 威力が弱い」


そういうと自身にぶつけられた槍をグラディウスごと持ち上げる。

ミエラは追撃を駆けようとするが、持ち上げられたグラディウスごと薙ぎ払われる。


クラカル

「気に入った だが直感だけで人を誘導していると相手は誘導されていると気付く。

そのあとの対処も必要だ。」


(団長たちが戻ってこない クレスという不明点を考えても、もう頃合い(・・・)だが)


グラディウスは立ち上がる。

「くそっ ミエラ大丈夫か?」


そっと添えられた手に掴み立ち上がるミエラ。

ミエラ

「はい すみません」


クラカル

「おう 元気にしてたか?」


グラディウス

「ペッ 謝るよりもまずはこっちを先にしないと」


ミエラ

「そう....ですね.....」


(こんなに全力で走って(【】)いるのになんでなんで.....)


―、古いお話。

私は小さい頃からヤンチャだった。


かわいいものを侮辱(ぶじょく)されると無性(むしょう)に腹が立った。

みんな同じモノ(・・・・)が好きなのに、どうしてお互いに(ののし)り、(さげす)むのかが分からなかった。


だから殴った。 許せなかったから


身勝手な正義感だと思う。

私も "あのとき" わかってた。

だけど殴らないと分からないと思った。


『人を殴ってはいけません』


私はどうしてもそれ(・・)が理解できなかった。


だって人って宥めても反省しないし、殴っても反省しないんだよ?

プ◯キュアの悪役だってそうじゃん!

アメコミの敵役もそうじゃん!


アニメの悪役も主人公も正義の味方だって、

自分の(正義)を振り回してるじゃん


なのに人を殴ってはいけません?

"あなた"も人を殴る癖に?


だから戦争なくならないんだよ!!


子供ながら身勝手な考えだ。


てか子供の頃にこんなこと考えている私まさかのテロリスト系!? こっわ


いやうん 一旦お話戻します。


結局"そんなこと"をしていたから、

助けた子からも、いじめていた子からも嫌われた。

別に感謝しろとは思わなかった。

ただの自己満だった。

笑顔のない自己満だった。


.......結局私はなにがしたかったんだろう


そう自宅での謹慎処分を貰った。

家族にはこってり叱られた。


家族には本当に申し訳ないと思ってる。

私は家族のことは大好きだった。

笑顔で話している姿に私は満足していた。


その2人からよくセンパイという人のお話が出てきた。

恋愛相談に乗ってもらった話。

結婚相談も両者にしてもらっていたらしい。


そして、―


『はぁ 今日は先輩が来てるから大人しくゲームでもしていなさい』


「」え? ゲーム買ってくれたの?


『家に居てもすることないだろ? 勉強はすぐ終わっちゃうし、人を殴る以外優等生なんだから 本当に困ったけど仕方ない』


「ごめんなさい」


そっと頭に手を添えられる。


『それができるなら次はちゃんと殴った子たちに謝っときなさい』


「もう謝った」


『1回だけでしょ? そうじゃなくて態度にも未来の行動にも謝ったと思わせるようなことしなさい』


「?」


『反省しなさいってこと

あ、先輩にも失礼働いたら、私と一緒に学校に行って1-6年生全員に謝りに行くわよ』


「え!? 殴ってない人も居るのに!?」


『お母さん恥ずかしいからやりたくないけど、

人に迷惑をかけるってことはその周りにいる人たちにも苦しむってことを覚えさせないといけないからね〜』


「お母さん プレハラ プレハラ〜」


『なにそれw? プレッシャーハラスメント?

どこで覚えたのよ

ちゃんと反省しなさい』


「」。いやー


すごすごとテレビへと向かうと、確かにゲーム機があった。


タイトルは【アルテメリア学園 〜白色の革命〜】


絵が描いてあるパッケージ含めて、全然知らなかったが「なにこれクソゲー?」

子供ながらに思う。

私がやりたかったのはインクをぶつけ合ったり、家族で一緒にサイコロ振り回すゲームをやりたかったんだけど。


しかもCERO Cだし、私7歳なんだけど

....まさかお母さん、お父さん

ゲーム知らない系?....


いやお父さん バイ◯ハザードして....あれ?

プレステ1か....ないんだっけ?


まぁいいや ホラー耐性あるし、やろー


かちゃりかちゃりとゲーム機を起動し、ディスクを入れる。


すると後ろから人の声が聞こえる。


「それなんだ!?ワクテカ」


好奇心に満ちた声が聞こえる。


私の開口一番は、「あ?」


振り返るとそこにはひどく疲れて、深い目元のクマと無精髭で汚いと思った。


だが目を輝かせ、テレビの光景に引き込まれていた。


私はどこか.....いや


「今ゲームをしようとしてる」


「ゲームってなんだ!?」


「はぁ? おっさん知らないの?

ゲームはみんなで楽しむものだよ」


「いや そういうのは触ったことはないんだ」


なんとなくの好奇心で、ゲームのOPが始まるついでにゲームについての話していた。


おっさんはその話を一生懸命に聞いていた。

楽しそうに、ほんとうに楽しそうに、


........どこかそれが煌めいてみえた。


「そうか ゲームってそういうのなのか」


不思議と笑う。私はテレビモニターに指を差す。

「おじさん 一緒にゲームやろ?」


その人はどこか嬉しそうに、目をうるわせる。

だけど


着信音がなる。

おじさんはすぐさまに電話に出る。


「はいはい またですか? わかりました

今すぐ向かいます」


「」あれ? 先輩 もうですか?


「ああ、 ごめんね またいつか」


「あ...うん 楽しみにしてる」


そういうとその人はすぐさまに外へと出ていった。


「何時だと思ってんだよあの会社 23時に電話かけるって....」


どこかお父さんはやるせなさそうな顔をするが、私を見ると元気そうな顔で言った。


「お前〜 なにか失礼なことをしたか?」


そう冗談をかけるように笑顔で言う。


「ううん 全然!!」


―そこからおじさんと仲良くなった。

一緒にゲームをできるわけじゃなかったが、色々な所へと出かけた。


私はおじさんが好きになった。

別に恋とかではない。


ただ人として好きになった。


私は気付いた。

どうして人を殴っていたのか...


ほんとうにしょうもない理由だった。


みんなに笑顔になってほしかった。


ただそれだけ だからそれに和を乱す人が嫌い...だったんだと思う。

だけどその"思い"のぶつけ方が分からなかった。だから殴った。


......自分でも恥じたいほどの内容。


だけど....長い時間(とき)も経たずにおじさんは死んだ。


葬式に呼ばれたとき、

葬式に人は居なかった(少なかった)

お父さんはやるせなさそうな顔をしていた。


『あんなに、あんなに 先輩に頼って言う言葉もやることもそれかよ.....』


そう私を掴んでいた手ではないほうの拳に力が入った。


私も"おじさんの死"はもう分かっていた。

ゲーム(・・・)で学んだから、

どれだけ苦しいことか、どれだけつらいことか

私はないてしまった。


まだおじさんとはゲームを一緒にしていない


ただそんな後悔が胸に残る。


そこからだ。

私は笑顔で生きることした。


みんなを笑顔ですることが私の楽しみになった。


あんな後悔(・・・・・)を二度としたくなかった。


だからだと思う。

アルテメリア学園が好きになった理由も、


"死んでほしくなかった"


だから一生懸命に喪女でも夢女でも、

彼ら(・・)をどれだけ笑顔に出来るかせいいっぱい考えた。


せいいっぱいだ。


―――――


ミエラ

「これだけじゃもう倒せない 私は走っても(【】)追いつけない。

"私はなんのために" なら....」

(考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ)


グラディウス

「やりますね だがもう.... ミエラ?」


ブツブツとなにかを囁いていたミエラ。


クラカルはただじっと見つめる。


ミエラの肺からすべての息が吐き出される。

全身に力が入る。

奥歯が噛み砕けそうな痛みと共に、ミエラはクラカルを睨みつける。

白い息がミエラの周辺から漂う。


「ㇵぁ.......テラスアギト(◯◉▲▣)


一瞬でその場に居た全員に鳥肌が立つ。

なにかに飲まれる瞬間だった。


パリンっとなにかが割れる音が空に轟く。


クラカルは結界が破れたことに気付く。


「おっともう時間だ」


そう言われた瞬間、ミエラの意識が戻る。

ミエラ

「あれ? 私....」


グラディウス

「.........」


クラカルは戻って来るはずであろう団長たちが来る方向を見つめる。

グラディウスもその方向に釣られる。


ミエラも釣られる。

(え? なに? チ◯ドの霊圧でも消えた?)


だが来なかった。


クラカル

「それじゃグラディウス 楽しかったぜ」


そう去ろうとする。


グラディウス

「待て そのままで生きていけると思ってるのか?」


クラカル

「舐めるな小僧 俺は卑しきクラカル

好きに生きるからこそ、人から疎まれた男だ 生き方もうまいってことよ」


グラディウスはどこか疲れたように俯くが、ただほんの少し笑った。


「ああ、グラディ 今回の依頼には顔の絵が描かれたリストがあった。

その対象は"追っている最中"に殺していいリストと呼ばれている。

そのリストにはお前も載っていた。」


グラディウス

「な!?」


「そしてものの見事にお前が"この場"に居た。 本命はイリアスだが、(やっこ)さん中々に用意周到じゃないか 気をつけろよ」


「なら依頼主だけは吐いてくれ!!」


「残念だがそれは言えない」


「なぜだ!!」


「"会っていないからさ"

依頼場所にあったのは俺たちの魔法の呼び方とイリアスの居場所のみだった。」


グラディウスは驚く。


「まぁそういうことだ 達者でな」


「ま、待て!!」


そういうとクラカルは学園の外へと向かうように走り出す。


グラディウス

「ミエラ おうぞ.....大丈夫か?」


そうミエラに目を向けると、


ミエラ

「え?....」


口からポタポタとなにかがたれる。

視界が赤くなり、鼻はなにかがたれ、耳の中からなにか()が入ったような感覚が伝わる。


下を見ると、"赤かった"。


グラディウス

「ミエラ!! ミエラ!!!」


私は目を閉じた。


―――――――――――――――


「.......まんまと乗せられたな」


リミカルド

「訂正しろ 一切合切だ」


クレス

「何を? イリアスを"愛していた"ことか?」


リミカルド

「そうだ あんなクソガキ どこの誰が愛するというんだ」


クレス

「..........」


この記憶はダントル(・・・・)からのものだ。

こいつの苦労も、辛酸も、喜びも"知っている"。

だからこそ "気持ち悪い"


どうしてか こいつ(リミカルド)が最優先にしたことは、

イリアスを守ることでも、擁護することでもない


"嫉妬"を優先したことだ。


彼の中で、愛情も欲も等しくどうでもいい


嫉妬だけが彼を生きさせたのだ。


だからイリアスを殺す。

幸せそうに暮らすイリアスを殺せる大義名分(くそったれの理由)で、


クレスの瞳に光が入る。


「お前....ほんとうに何もないんだな」


「あ゛!?」(人生経験すくねぇガキがほざくなよ)


「てめぇ 何見え透いたようにしてんだよ

てめぇの何がわかるんだよ」


「分からない だけど てめぇがしょうもない嫉妬心からイリアスを殺そうとしているのは確かだからだ」


「!?」


「許せないんだろ?」


「ああ、そうさ 許せない 

なんでこいつがのうのうと生きていけて、どうして俺たちは()に生きていけれなかった。


なんでだ!!! なんで こいつらだけがゆるされて」


「それが後悔っていうんだ

後悔は未来の子供たちに最善の道筋を示すための言伝だ。

俺らの苦労を、俺らの世代で終わらせるためだ」


「ふざけるな 何がわかったような口でいいやがる 学園!? ハッ知ったような口で言うな」


ここ(・・)を作り上げるのに一体どれだけの犠牲があった

一体どれだけの地獄から作り上げたと...」


「30の国家と45万人の死者で積み上げた地獄だ」


リミカルドは驚愕する。

リミカルドすらその正確な数字を知らないからだ。


「かの賢者は(うた)うだろう

『善意で舗装された道は地獄となり、

地獄から汲み上げた悪意が作り上げた道筋は平和となろう』と


師匠は自分を大罪人となっても生涯を賭して、100年後先にある平和を作ろうとしている」


「は? 100年後なんてありゃしねぇよ

神が許すわけねぇ」


「そう神に縋っているから何もせず、ただ善意(・・)だけが出来上がったんじゃないか」


「口が回るようだがな」


「黙れよ

お前の人生 嫉妬にまみれ、情もないその姿は空っぽのようだな 名前もない」


「!!?? ふざけるなよクソガキ

俺の人生にケチをつけるだと!?

俺にケチをつけるだと!?


舐めるな ふざけるな バカにするな


愚かなのはお前だ


人生を一歩も歩んだこともねぇガキが

知ったような口を吐くな

イリアスもそうだ 舐めた口聞きやがって

ぶっ殺してやる

俺は意味があるんだ

生きた意味があるんだ!!」


リミカルドの肺から全身まで空気が抜け出す。

息が冷たくなり、クレスを睨み殺すように


「ハァ.....テレスアギト(▣□◎) 睨め 俺の人生になm(※%‰%°⁉ⅠⅠ-)


イリアスはリミカルドの頭蓋を刺し貫く。


「................」


クレス

「イリアス.....」


イリアス

「クレス 言い過ぎだ」


ほんの少し動揺するクレス。


クレス

「ごめん」


ハク

「マスター治します」


ああ、と自身の腕を差し出すと、みるみると腕が回復していった。


イリアス

「.......クレス 俺の気持ち代弁してくれてありがとう」


クレス

「いや....俺はただ」


イリアス

「ふっ....笑っちまうよな 俺は家族に構ってほしかったんだ ただ構って....」


クレス

「.............」


ハク

「お二人は強いのですね 私は....何も」


イリアス

「いやお前は俺助けてくれた それだけで十分だ クレス お前の判断は間違ってなかった」


クレスはほんのすこし目を落とす。


「お前はよかったのか その...リミカルドを殺して」


イリアスは少し呆れる。

「あんなに煽っていてそれを言うのか?」


クレスは黙る。


「はぁ いいんだよ 結局話込んでもどのみち殺されていた。

多分 お互いに理解はしあえた。

だけど、それは理解だけで、共感も同情でも賛同でもなかった。」


リミカルドを見る。


「生きる世界(ばしょ)が違ったんだ

それに貴族だ 闇の一つ2つないとね...」


クレス

「ふっそうか....」


クレスは疲れながらも、サリィたちのところを向かう。


怯える彼女たちと目線を合わせるようにしゃがむ。

少しはにかみ、目をうるわすように言った。

「怪我とかない? もう大丈夫だよ?」


そう言われた2人は安心し、涙が、あふれクレスに抱きつき、泣き叫んでいた。


イリアスは小さく呟く。

「......僕のことを愛してくれてありがとう」


とそう自身で持っていたものをすべて落とす。


ハク

「イリアス....」


がちゃりがちゃりと誰かが走ってくる音が聞こえる。


気付くと周囲の人たちは意識が戻っており、ガヤガヤと驚きを持っていた。


憲兵や警備兵が公堂の中に走り込む。

そしてその憲兵たちはクレスの元へと走る。


周囲に囲まれた憲兵からサリィを守ろうとするクレス。


憲兵は叫ぶ。

「お前が此度(こたび)の事件を起こした張本人だな!!

クレス・カルエ・デ・サルゴ!」


一同に混乱が生じる。

イリアス

「ちょ..ちょっ」


クレスは大人しく立ち上がる。

「わかりました。」


そう手を出すと、ぐっと地面に押し倒されるクレス。


そのまま手縄で縛られ連行されていく姿の状況に追いつけなかった。


クレス

「大丈夫だ 安心してくれ」


そう言われたことで"もう何も言えなかった"。


この事件は後に、負傷者6名、死者4名の"学園襲撃事件"として記録される。


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