一章:序説 第十六話 融通
はぁはぁ....ミエラ一行が走り抜ける。
会堂の一室に隠れ、一旦疲れた体を休ませるため座り込む。
ミエラ
「どうしてあれで....」
グラディウス
「わからない だが、鎧を着込んでいると考えて間違いないだろう。
2回も当てたんだ それだけは分かる。」
その感触にはどこか鎧に当てたというものではなかった。
グラディウス
「とりあえず作戦会議だ」
ミエラ
「ちょ...ちょっと待って」
グラディウス
「」なんだ?
ミエラ心配そうにグラディウスの状態を見る。
ミエラ
「そんな体でまだ戦うんですか?」
グラディウスはなんだそんなことか...という顔で作戦会議を始めてみようとしていた。
「戦場なら些事だよ」
ミエラはその言葉が心配になった。
彼の過去は知っている。
知っているからこその心配の目をしてしまう。
グラディウスはそれに気付く。
「.......はぁ まず状況的に戦わないといけない」
ミエラ
「..........」
「だから今体の心配よりも、あいつをどうやって倒すかを考えなければいけない
その子のためにも」
そう気絶している子に目を配る。
ミエラ
(まだ覚悟が足りないのかな)
パンパンと頬を叩く。
「わかった 続けよう!」
グラディウスは頷く。
「まず 間違いなくあいつは追いかけてくる」
そう言うと、腰にあったインク壺を出す。
それを指につけ、先ほど通っただろう道の地図を描く。
「まず俺たちを見失わせた場所は十字路に近い形になっている。
そのため、入った方角を除き、必然的に三方向に相手は探さないといけない。
よほどの運がなければ、すぐには見つからんだろう」
ミエラ
「うん そうだね」
元々のゲームは、
シュミレーションRPGというゲームシステムを
扱った恋愛乙女ゲームである。
ステータスの他にスキル、魔法というのみシンプルな形になっていて、
スキルというのは、
馬術や剣技などの使い続けることによる熟練度Lvによって、威力や新技がわかったりする。
そのため、
Lvがないため、戦闘を終えると使ったスキルの回数で、習熟経験値が貰え、
スキルによってステータス上昇がするというシステムになっている。
例えるなら、
1回の戦闘で、剣技 横薙ぎ 10回を使用したとすると、
横薙ぎ習熟度+10もらえた。
横薙ぎLv1 0/10 → 10/10
横薙ぎLv1 → Lv2
ステータス 筋力、体力、技術 +10
※もしこれが縦斬りだったら
筋力+10、俊敏+10だけ上昇になったりする。
みたいな感じだね。
中々珍しいゲームシステムだと思う。
そして育てた主人公や王子様たちのユニットを戦場に配置し、◯マス以内が攻撃範囲、移動範囲になる。
FEっぽい感じね。
主人公は指揮者ユニットとして、王子たちを指示し勝利へ導くというゲームになる。
そしてこの中でも、
最弱と言われるのが"魔法"。
使える魔法は、
暗視、火の玉、水の玉、重力、毒霧 というなんかほぼ意味がないスキルである。
優位なのは重力なんだけど、移動範囲を半減という中々強いけど、使える距離が短いためほぼ空気。
しかも作中魔法を使えるの主人公とこの結界を扱ったクラカルだけ。
※ただしラストは除く。
そして作中最強なのがこの結界である。
逃げれない、強制戦闘、死亡率高めのため、ここは相当に嫌われている。
私はすごくイヤな顔をしながらゲームを進めてた記憶すらある。
ある意味、敵が楽しそうなゲームでもある。
―、
グラディウス
「よし これで行こう」
ミエラ
「うんわかった」
グラディウス
「ミエラ 本当に戦えるのか?」
ミエラ
「うん 推しのためなら頑張る」
グラディウスは疑問を浮かべるが、そのままちゃんと訂正する言い方をする。
(お、推し?)
「そうじゃない
こっから先は人を殺すかもしれない
それで本当の戦えるのか? という話だ」
ミエラはその言葉に釈然としなかった。
「..............できます」
グラディウス
「いいのか?」
ミエラ
「グラディウスさまが死ぬ...よりはまだ....」
そう苦悶した顔をする。
グラディウス
「わかった 無理はするな」
ミエラ
「はい....」
――――――――
ハミルトン
「おや ピピンの子 逃げなかったのかい?(真顔)」
グラディウスは自身に持っている槍を携えている。
「ああ、 逃げなかった」
ハミルトンは「そうかい」と言い、剣を構える。
回廊での戦闘が始まる。
ハミルトンの剣撃を避けると会堂へと入っていった。
ハミルトン
(おびき出し 女の子は入り口左右どちらかに居るのかな?)
ハミルトンは警戒し、会堂に入ろうとした瞬間、狭いドア口にグラディウスの槍の突貫突きが来た。
ハミルトンは避けれず、そのまま下から上へと弾き飛ばす。
その瞬間、ミエラから後ろから挟撃、逃げ道を作らせないために足への斬りつけをしようとする。
ハミルトン
(なぁ!?)
「丨ポエンティア《力ある体の》カリブルヌス!!」
またかぁあんっとなる。
ミエラはその剣にある衝撃は弾かれ、態勢を戻すために一旦離れる。
ミエラ
(ぽえ....え、なに? ぽえむ? こんな戦闘中に?)
なんか聞いたことがない言葉が聞こえた。
だけどそう発言をしたあとに、剣を弾かれた。
弾かれたせいで手首を痛めたのが最悪な状態だけど、もし何かを詠唱しているとなると、魔法ということになる。
魔法っていえば、詠唱文だからね!
けど....ゲームでは、魔法なんて
暗視! とか 火の玉! とか詠唱文全然なかったんだけど、なにそれ初耳。
っわわっ!!!
ブンっとハミルトンの剣がこちらへやってくるのが見えた。
(やっばい 集中しすぎた!!)
ハミルトン
「危ないですね!! ダメですよ人を傷つけては(真顔)」
ミエラ
(危ない?........)
もし危ないというのであれば、それは防げなかったということ。
だから私は考える。
ありとあらゆるゲーム知識を集約させる。
多分F◯teみたいな透明の防具を着込んでいるんだ!! それがあのかぁあんっって鳴るんだ!
なんかすっごい計算式(見ただけの画像)を貼り付けまくる脳裏。
目をかっぴらく(ハッ!!??)キュピィイン
分かった!!(ペ◯ソナ風)
ゲームとかだと付与系だと、時間制限がある。
だから基本的に時間が越えたら、おそらく再詠唱するはず。
その時間を計算するんだ!
さっきは10秒経過してたから、そこから13、14、15、16.......
待って、こいつゲーム内で妙に硬かった理由って"この魔法"のせいなん?
グラディウス
(ミエラ?)
じっとハミルトンを見ている姿に何か案があるのかと感じ、そのままハミルトンの意識をこちらへ集中させる。
剣戟が続く。
ハミルトン
(くっ このガキ 槍が得意なのか
剣と違って、上手いこと近づけさせないように間合いを取っているな。)
ハミルトンはその奥に居るミエラの行動を見つめた。
(何を考えている。.....臆病になったか?
いやあんな大胆に俺の足を狙ったんだ
狙いがあって止まっている。
まずはあの子からっ)
だがグラディウスの突きが上手いこと、ミエラへの意識を削ぐ。
(まずはこいつをどうにかしないといけない....だが)
ハミルトンは小さく呟く。
「丨ポエンティア《力ある体の》カリブルヌス」
ミエラはそれを見逃さなかった。
(1分30秒!!)
「グラディウスさま!! こちらへ!」
グラディウスはそれに気づき、すぐさまに会堂へと入る。
ハミルトンはそれについていこうとするが、玄関口の挟撃を恐れ、一旦足を止める。
(ああ、死にたくない)
そのままミエラはグラディウスの耳にだけ聞こえるように言う。
「グラディウスさま 1分30秒 いえ1分20秒を数えてください!」
グラディウス
「いっぷん....?」
ミエラ
(あ、そっか)
「今から75数えてください 魔法が消えます」
グラディウス
「わかった!! 72からだな」
ミエラ
「わたしが牽制します!」
ハミルトンはミエラたちが集まっていることが外側から見え、そのまま会堂へと入り、走り込む。
剣でグラディウスを襲おうとするとミエラがそれを受け止める。
ハミルトン
(スイッチした?)
だが、という風に戦闘経験の少ないミエラでは手がいっぱいいっぱいだった。
ミエラ
(こ、これが戦い...)
相手が熟練の傭兵とあってか、その剣は早く重く、そして軌道を見せないような動きをしていた。
(剣の動きが視覚外から来る!!)
くっと剣撃を受け止めるが、防ぐのに精一杯であり、そろそろ限度が来ていた。
ミエラは避ける、防ぐがそれでも勢いで吹き飛ばされるも上手いこと受け身をし、態勢を持ち直す。
ハミルトン
(意外にもしつこい だがっ!!)
ハミルトンは下からの攻撃を防ごうとするミエラに全身に力を入れた斬り上げをする。
するとミエラの剣は持ち手から離れ、飛んでいく。
その勢いでミエラは尻餅をしてしまう。
ミエラはひぃっと本能で防御する。
ハミルトン
(勝った!!)
そう振り上げた剣を両手に持ち、振り下ろそうとする。
「1」
ずぱぁんとハミルトンの胸に何かが貫かれる感触が伝わる。
べチャリとミエラの顔に血が飛ぶ。
ハミルトンは自身の胸を見ると槍が胸貫き通していた。
そして後ろにいるであろうピピンの子を見つめる。
グラディウス
「..........そのまま死んでおけ 裏切りもの」
すっと槍を抜かれる。
ハミルトンの力は抜け、そのまま倒れ込む。
ハミルトン
「ああ、.....死にたくない(えがお)」
そうつぶやき、その目には瞳孔が開いていた。
ミエラはその目を"見つめてしまった"。
べっとりと顔についた血を自身の手で触れ、確認する。
グラディウス
「ミエラ 大丈夫か!? すまな.....ミエラ?」
血の生暖かさが自身の心臓の鼓動を早めた。
目の前の男の冷たく瞳孔が開いた目に冷や汗が迸る。
全身の鳥肌がむしょうに逆立つ。
ああ、これが死なんだと。
一瞬で理解した。
一瞬で、"覚悟"とは何かを理解した。
一瞬で、人生の選択肢に"殺す"という項目が増えたことを理解してしまった。
ああ、― "罪深い"ってこういうことを言うんだ
ミエラは恐慌した。
全身を抑えそうになったしゅんかん、
グラディウスはミエラに抱きつく。
優しい声で耳元に囁く。
「おちつけ おちつけ」
そうなんどもなんども、恐怖で何も聞こえない私に囁く。
「大丈夫だ 俺の目を見ろ」
こちらをじっと見ていたが、それが怖かった。
はっきりと見れず、震える私を揺さぶる。
「大丈夫だ 俺の目を見ろ!!」
そう顔を抑えると目の前にはグラディウスの顔があった。
「ミエラ 聞こえるか? 聞こえるなら頷いてくれ」
私は恐怖で震えながら、グラディウスに頷く。
「もし俺の声で聞こえるなら、俺の目は何色だ?」
言っている意味が分からなかった。
分からなかったが、グラディウスの瞳は黒くとても美しかった。
「俺の瞳は赤く見えていないか?」
私はその瞳に赤い何かは見えなかった。
私は否定するように頭を横に振る。
「本当に?」
こくりと頷く。
「そうか....安心しろ おまえは"殺していない"
おまえの目の前の光景は"おまえに焼き付いていない"
だから安心して俺の瞳を見ておけ、」
なんとなく言いたいことがわかったような気がしたが、私はグラディウスの瞳をただ静かに、ただ静かに見つめていた。
すると体が落ち着き始めていった。
恐怖も鼓動も汗も、グラディウスの瞳を見つめていたら自然と収まっていた。
「........あ、ありがとう......」
グラディウス
「いいよ 戦場でよく使う手法だ
ミエラに効いてよかったよ」
「効いてよかった?」
少し悲しそうな顔をするグラディウス。
「人によっては、目が赤く見える現象があるんだ。それが見えたら一生その赤さに取り込まれる」
「赤く....」
おそらくは人の死のことを意味してるんだと思う。
そしてそれが目に焼き付いてしまうんだろう。
私はあやうくそれに"取り込まれそう"になった。
グラディウス
「ミエラ 俺は結界をかけた者を追いかける
だからここで休憩しておけ」
ミエラは全身に力が入らず、グラディウスを引き留めようにも引き留められなかった。
「どうして!!」
グラディウスは少し眉をひそめ、言う。
「君は"戦える人"だが、"殺せる人"ではなかった。」
「ミエラにはこの先はキツイ
おそらくは耐えられない可能性がある」
ミエラ
「私は戦えます 戦わせてください!!
グラディウスさまにはしんで....」
グラディウスは微笑む。
「死なないさ ....だけど君に死んで欲しくない 君の元気さは"今がある"からできることだ」
ミエラ
「それじゃ グラディウスさまが」
グラディウス
「もう行く」
ミエラ
「あ、待って....」
足に力が入らなかった。
恐怖なのか、脱力なのか、わからない何かが全身に巡る。
「動け 動け なんのために なんのために!!」
そう足を叩くが、一切の兆候はなかった。
「なんのために....なんの....」
ミエラの瞳に涙が流れる。
恐怖と恐怖と恐怖が織り混ざる。
ただただ 彼女は泣くことしかできなかった。
――――――
リミカルド
「だから死んどけよ」
意識が取られたイリアスにその凶刃がやってくる。
ハクはイリアスを庇い、リミカルドの凶刃を受ける。
ハク
「あなたとんでもないほど卑怯ね」
リミカルドは笑う。
「卑怯で結構 殺し合いは騙し合い 使えるもんは全部使う 昔坊っちゃんにそう伝えたぜ?」
イリアスは動揺しながらも聞く。
「父は....父は....本当に...?」
リミカルドは動揺するイリアスの言葉に耳を傾ける。
「ああ、うちのボスはロンドール おまえの父親だよ」
イリアス
「な、ならど...どうして...」
リミカルドはその言葉の意の方を無視する。
「わかりにくかった? よくよく見ろ 俺たちダンタリ騎士団の旗とロンドールの家紋に整合性があるだろ?
ダンタリの紋章には真ん中が空白、ロンドールの家紋は周囲がない。
これを合わせることで、俺たちが繋がっていることを意味しているんだよ
な、わかった?」
イリアス
「僕の言葉を無視するなぁ!!」
そう激昂をする。
「どうして 父が僕を殺そうとしている!!」
リミカルドははぁとめんどくさそうに髪をかき上げる。
「知るかよ てめぇがやらかしたからだろ?
ガキ」
「え....」
「こちとら約束なんだ 俺が別のことを意識してる間に死んでくれよ 坊っちゃん」
ハクはその言葉に苛つきの左の口角を上げる。
「まさか イリアスさまの話を無視していたのは、気持ちを整えるため?」
リミカルドはハクに答える。
「そうだよ? 親友のガキ殺すなんてしんどいじゃないか? だから別のこと考えながら殺そうとしているんだよ」
ハク
「 どうして 殺さない って選択肢が出ないの?」
その言葉には威圧感があった
リミカルド
「は? 依頼は依頼 イリアス暗殺の依頼に判子を押したのは
テオドア・マルクグラーフ・ロンドール本人だ
約束もある。」
ハク
「約束?」
リミカルド
「互いのガキに問題が起こったら、恨みっこなしで殺そうってな」
イリアスはその言葉に絶望をし、膝をつく。
イリアス
「そ...んな だけど だけど!! 僕は何もしていない!!!」
そう胸に手をあて、訴える。
リミカルド
「ガキはいつだってそういう
てめぇがやらかしたことに一切気付かないことが多いからな
てめぇに咎に気付かなくても、てめぇ以外が咎だと言ってんだよ」
イリアス
「........」
リミカルド
「暗殺依頼が出てるのはその証左だ」
ハク
「信じてあげないのですか?」
リミカルド
「信じるもくそも 殺せと言われたから殺す それが仕事だ」
イリアス
「.....なにもしていないのに?....」
リミカルド
「だから死んどけって俺たちのためにも
暗殺でも暗殺されるほどなんだから、立派なことしたんだ 誇れよ」
イリアス、ハク
「「は?」」
リミカルド
「だから もう依頼された時点でおまえはもう死ななきゃいけねぇんだよ....」
両者ともに怒りで顔が歪んでいく。
地団駄をふむイリアス。
「俺が なにもしてないって言ってんのに
なんでひとっ言一つ聞きやしねぇんだよ!!!!!」
リミカルド
「うるせぇなぁああああクソガキが!
俺たちに迷惑かけた時点で詫びれねぇ癖して、生意気言ってんじゃねぇ!!!
だからてめぇは父親にも捨てられたんだよ」
イリアス
「リミカルドぉおおおお!!!!」
イリアスは激昂し、リミカルドに剣を振る。
リミカルドは右手にある手斧でその剣を受け止める。
リミカルド
「てめぇは同じこと何度すませば気が済むんだよ!」
受けた衝撃をそらし、斧の刃で引っ掛け、弾き飛ばそうとしていた。
イリアス
「それはおまえのほうだろ!!!」
その弾き飛ばす力を利用し、柄を滑らせリミカルドの指への切り込みを狙う。
それに気付いたリミカルドは、持ちての方向をずらして、イリアスを内側に、自身の蹴りを放つ距離まで引っ張り持っていく。
「させません!」
ハクはその隙に出来た脇に蹴りを放つ。
イリアスは逸らされた剣撃をもう一度立て直し、もう一度リミカルドへ向けて斬り込む。
その食らった衝撃でリミカルドはそこから一歩離れるようにイリアスの攻撃から避ける。
脇腹をおさえたリミカルド。
(ヒビが入ったか....)
「てめぇのせいで俺たちは狂ったんだ」
イリアス
「まだ言うか!!」
リミカルド
「そうだよ まだ言うぜ てめぇのせいで俺たちは狂っったんだよ
俺たちが一体どれだけの犠牲を払って、この学園を作り上げたと思う?」
イリアス
「.....は?」
ハク
「狂言 戯言 ふざけてます?」
リミカルドは笑う。
「この学園は...この平和は、幾千幾万の屍で出来ているっていってんだ!
俺たちが一体どれだけの努力でこの学園を作り上げたと思っている」
イリアス
「それが!! 僕に関係有るのか!!」
リミカルド
「あるさ ここを暗殺現場にしたおまえに責任がある」
イリアスはもう理解したくないほど、聞きたくないほどの怒りが込み上げてくる。
「てめぇは俺たちの努力を無駄にしたんだ?
分かるか?クソガキ
俺が クライトス王家に生まれ、国は滅び、てめぇの親父と事業を立ち上げ、ようやくここまで来れたんだ。
てめぁが今まで生きてこれたのは、長生きしてきた俺たちのおかげだ
なのにてめぇは俺たちに迷惑ばっかかけさせやがってふざけてるのか!!」
イリアス
「ふざけてるのは おまえだよリミカルド
何が迷惑だ!!何が努力だ!!!
それを褒め称えろ!?
裏を調べもしない、信用もしない、会話もしない!! それで迷惑?
勝手に突っかかってくるのはてめぇらだろ!!
ふざけんなよ おまえらはいっつも僕を褒めもしないじゃないか!!
それのどこに褒め返す要素があるんだ!!」
ハク
「それはあまりに身勝手すぎます
本当に調べもしない大人がする所業ですか?」
イリアス
「黙れよクソアマ てめぇは部外者だろ」
ハク
「被害者です 当事者ですよ 勝手に部外者にするのはやめてください」
リミカルドはブチギレる。
これだから子供は嫌いなんだ。
これだから.....―、
昔の話だ。たった一言で終わる話。
"裏切られた"。
ただそれだけだ。
元々クライトス王家の第二王子として、生まれごく平凡と生きていた。
王家として生き、王家として育てられたが、
その教育の厳しさからある一言を発した。
「こんな厳しいなら王家なんて要らない!!」
と子供ながらに微笑ましい話だった。
だが、国民たちには動揺が起こり、家臣たちは楽しそうに微笑んだ。
気がつくと国民たちの反乱が起こり、呆気なく国は亡びた。
理由は色々とあった。
だが最期のきっかけは"その言葉"だった。
その言葉のせいで私は家族を亡くし、家財を亡くし、未来を亡くした。
家臣たちは散り散りとなり、ゆく当てもなく奴隷商に拾われた。
陵辱、コロシアムなどを転々と売られていく人生だった。
そして最期に出会ったのがロンドール家の実験用の奴隷として買われたことだった。
「おまえの人生を聞きたい」
と自分と同じ歳の子供がそう言った。
時が経つと、傭兵団を立ち上げた。
そこで俺は、俺たちは悪名を轟かせた。
クラカルはどうしようもないほどの煽り屋。
ダントルは過去の人生で陵辱された結果、自身も陵辱したがる癖になった。
ハミルトンはスラム街から俺が引っ張り出した。
マルドは言う事聞かねぇが、有用だから気にいっていた。
そして、ロンドールに立ちはだかるモノを殺し、依頼でも殺し、子供も殺してきた。
するとどうだ?
俺たちの功績のおかげで学園が出来上がったそうじゃないか?
血なまぐさい学園なこって
そこで学園に入れるガキはなんだ?
貴族だ、王族だ なめてんのか?
俺だって王族だった。
ふざけてるのか? てめぇらは地獄にいたことねぇのに何幸せそうな顔してんだよ
俺たちのおかげでその幸せな学園生活できてんだよ 感謝しろよ
なめてんのか?
脳裏に思い浮かぶあの言葉。
『こんな厳しいなら王家なんて要らない!!』
それが自身の囁く言葉として止まらなかった。
後悔か、懺悔か もう聞くのが嫌で嫌で仕方がなかった。
ああ、だから俺は子供が嫌いなんだ!!!
リミカルド
「黙れよ 黙れよ!! 暗殺は決定事項だ
なにもしてない? バカにするな!
てめぇはロンドールから剥奪されてんだよ
依頼書通りにな!!」
イリアス
「ほざけ!! 僕が一体なにをしたんだ!!」
リミカルド
「だから知らねぇよ てめぇやらかしたんだろ? てめぇがやらかしたことに責任を持て!!」
イリアスは以前としてこの言い合いを続けようとした瞬間、
「イリアス!!!」
会堂の玄関口から声が響く。
そこには血だらけではぁはぁと息を吸っているクレスが居た。
「話は聞いた もうこれ以上は堂々巡りだ。
もう殺ろう。」
イリアス
「クレス.....だけど...」
クレス
「話が通じない時はいつだってある。
それはお前もいっぱい経験したんだろ?」
イリアス
「............」
凄む顔で剣をもう一度握り直すイリアス。
リミカルド
「わかってんじゃねぇか ダントルは?」
クレス
「殺したよ とんでもないクソ野郎だったよ」
リミカルド
「3対1か 楽しみだな!」
そう言うと自身にある光の縄を回し、手斧を振り回す。
「ようやく 殺し合いが出来る!!」
そう会堂中に響いた。
お久しぶりです榊巴です。
多分この先も結構グロイ展開が続きますがご了承ください。
作者もなかなかしんどいなこれという感じで書いてます()
これが終わりましたら、ほわほわ展開来ますのでもう少しの辛抱です。




