ピアノが弾きたい。
初投稿なので至らない点もあると思いますが暖かい目でご覧下さい。
今思えば理不尽だ。
「お母さん!テストで100点とったよ!」
「あら、すごいわね!」
「ねぇねぇお母さん。」
「なぁに?」
「わたしね、ピアノがしたいの!」
「……ピアノ?」
「うん!みぃちゃんがね、ピアノ上手で
いいなぁ、って思ったんだ!」
「……ダメよ。ヴァイオリンや
ギターならいいわ。」
「えーっ!?どおして!?お母さん前に
100点とったらお願い聞いてあげるって……」
「とにかくダメなものはダメ!」
「……はぁい。」
ピアノが諦めきれなかった私は友達の家で
こっそり練習させて貰っていた。
それがバレた時は酷かった。
「ピアノなんて弾かないでちょうだい!」
「お母さんどうしてそんなこと言うの!?」
「お願いだからっ!そんなのやめてっ!」
「……」
22歳になったある日、母がいなくなった。
……1枚の置き手紙を残して。
『私の愛しいゆりかちゃんへ。』
手紙の書き口はこれだった。
『お母さんね、ゆりかちゃんに謝らなきゃ
いけないことがあるの。まず1つ目。
ゆりかちゃんの嫁行きを見送って
あげられないこと。2つ目。お母さんがピアノを
させてあげられなかったこと。
お金がなかったのももちろんなんだけど、
お母さんはおじいちゃんのピアノが大好きでした。
でも、おじいちゃんはピアノが原因でいなく
なってしまった。だからお母さんはそれ以来
ピアノのことを毛嫌いしていました。
でもね、聞いて欲しいの。
手紙だから見て欲しいの、かな。
ゆりかちゃんが小学生の
頃お友達の家で弾いたピアノの音、
大好きだったよ。』
『お母さんより。』
「……っつ…それならッ!…………」
せめて褒めて欲しかったな、なんて。
自分で書いて自分で泣くというマッチポンプをかましてしまいました。お恥ずかしい限りです……