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第75話 勇者様の凱旋?(6)
「一度俺とエルがジェノルド帝国へと帰って休戦したと伝えた方がいいんじゃないかな?」
僕がエルに提案を出せば。
「う~ん、そうね、その方がえぇかもね?」と。
エルがまた公爵家の令嬢さまらしくない言葉を吐くから。
僕はグラウムさんや他の人達に大変に悪いと罪悪感を募らせるから。
『エル~』と声をかけようとすれば。
「──魔王! 何でぇー! 貴様がー! 我が領地! 我が城に居るのだー! それも儂の大事なエルちゃんと一緒にー! 魔王ー! 貴様ー! どういうことだー!」と。
まあ、御約束の声……。それも僕自身が聞き覚えのある声がテンプレ通りに、何処からともなく聞こえたではくてねぇ。
僕の頭上から聞こえ! それも剣を振り下ろしながら、空から降ってくるから。
「……お、お前~! 何を考えているんだ~?」
僕は何度か争ったことがある前勇者……。
それも老いた元ライバル! 宿敵だった者? の空から落下してくる容姿を見て驚愕して声を漏らすのだった。
◇◇◇




