第43話 異世界の勇者様は真っ赤な軽自動車に驚愕!(4)
「……ん? 何です、ドラゴンボールって?」
僕の言葉を聞き、エルが首を傾げるから、マンガやアニメの物語だよ。あっ、ははは」と。
そうか、エルはよく考えたら、地球のことを調べている宇宙人やこの世界の人ではなく、中世時代のような世界からきた異世界人だからマンガやアニメと言ってもわからないだろうから。
「エルの世界にも多分あるだろう、勇者の冒険譚を物語にした書籍だよ」と僕は説明をして。
「──買い物が終わったら、マンガとビデオを見せてあげるよ」と。
僕はエルへと笑いながら説明をすれば。
「ふむふむ、なるほど」と、エルは納得した声を漏らせば。
「はい、わかりました! 陛下!」
エルが僕へと大きな声で返事を返せば。僕が借りている駐車場へと到着をしたから。
「……あそこにある三台の車が家の車で、実家にも僕の趣味の車が二台置いてあるよ」と。
エルに僕が我が家の愛車──。マイカーを、説明をすれば冒頭のシーンの通りだ。
「えぇ~、何~、陛下~? これは~?」と驚愕しながら叫び。
「……へ、陛下! この赤い小さな乗物も牛馬なしで動くのですか?」
エルは僕の趣味の愛車の一つ真っ赤なホンダのN360Ⅲタイプの450CCボアアップにウェイバーのキャブレター仕様にSSRのマークⅠ仕様のホイルが装着された小さな軽自動車を見て驚愕……。走るのか? と尋ねてきたから。
「うん、ばっちり、走るよ」と。
僕はエルへと微笑みながら言葉を返せば。エルの目の前でホンダのN360Ⅲの扉の鍵をガチャガチャと開けると。
「エル、買い物に出かけるから早く乗って」と。
僕は奥さまへと急かすように告げるのだった。
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