358/472
第2話 地元って困るよね? (11)
「美紀~、先程からうちがあんたに尋ねるじゃろうぅ? 何であんたが~、一樹の傍に居るね~? あんたらは遠の昔に別れちょるじゃろぅに?」
と、沙也加の阿保がやっと穏やかな雰囲気へとなった、この場をまた暗く、荒々しい物へと返る。
だからコタツに入り、寛いでいた僕だけれど、『よいしょ』と立ち上がれば。
「陛下~、わらわが美紀の代わりに、あの小娘と話しをしてきましょうか~?」
レビィアの奴が自分の紅玉の瞳を恐ろしく光らせながら『ふっ、ふふふ』と冷たく妖艶に微笑むから。
「レビィア、お前はここにいろ……。沙也加の奴は俺の許カノだから俺が話をつける」と告げれば。
「はぁ~」
「何、それ~?」
「陛下~、どう言うことかのぅ~? わらわのわかるように説明をしてくれるかのぅ~?」
エルと翔子、レビィアの三人は、今からの初日の出──初詣のドライブに、何故俺の元カノが参加するのか? 説明をするようにと遠回しに告げてきた。
だから俺は「えっ、あの、あれだよ……。本当に地元に住むってよくないね。あっ、はははははは」と笑い誤魔化した。
◇◇◇




