第47話 DV・児童虐待 (1)
「はぁ~! 美紀、どう言うことやぁっ?」
「どう言う事って、そう言う事じゃけぇ、一君もそんなに怒らんとってぇやぁ。頼むけぇ。お願いじゃけぇ……。そんなに一君が怖い顔をしながら、荒々しく大きな声を出して騒ぎ出したら。洋子が怖がり始めるけぇ。頼むけぇ辞めてやぁ、一君……」
「一樹! 美紀ちゃんの言う通りでぇ! そんなに大きな声を出すなやぁ、お前はぁっ!」
「ほんまよ、お父さんの言う通りじゃけぇ、一樹……。洋子ちゃんが怯え始めちょぅるから。あんたぁ、父親なんじゃけぇ、ほんまにやめん、さい。大きな声を出すのは……」と。
僕の元カノの美紀と親父、お袋の三人が、洋子ちゃん。
僕の娘が怖がり、情緒不安定に陥るからやめるようにと諫めてくる。
でもさ、先程の美紀の話。
僕の目の届かないところで、自身の娘が、だけではないのだ。
洋子ちゃんの母親である、僕の元カノの美紀が、自身の夫、アイツから《《DV》》、《《ドメスティック・バイオレンス》》、荒々しい行為、暴力を日常茶飯事。
アイツから常日頃から受け、迫害を受けていたと聞けば。
僕自身もヘラヘラ笑い、薄ら笑いを浮かべながら、美紀の話を聞く、聞き、『うん、うん』と、頷きながら聞き続ける程人間はできてはいないのだ。




