第37話 えっ! また! 嘘でしょう? (3)
「家のひとがね。この子の事を、自分の子じゃないからいらないと、私に言うのよ。エルさん」と。
美紀は自身の口を大きく開け、ワンワンと泣きながらエルへと、自身の夫への不満を嘆いてくるのだ。
だから流石にエルも美紀の事を無視して、一樹の里、実家へといく訳にはいかないから。
「美紀さん?」と。
再度声をかけると。
「何、エルさん?」と。
美紀が泣き、俯く顔を上げて、言葉を返せば。
「美紀さんの旦那様が、洋子ちゃんは、自分の子じゃないからいらないって言っているようだけれど。一体どう言う事なの?」と。
エルが問えば。
「…………」と。
美紀は、また俯き黙り込んでしまうのだ。
だからエルは、「はぁ」と溜息をつき仁王立ち。
自身の括れた腰に手を当て──小さな子にでも問うように。
「美紀さん、俯き黙り込んでしまったら。私には解らないは。だから私は美紀さんの相談にものる事もできないから。もういくわよ」と。
エルは呆れた声音で、美紀に問うのだ。
「……怒らない、エルさん?」
エルの呆れ声音での問いかけに対し、美紀はこんな言葉を返してきた。
「ええ、怒らない。怒らないわよ。美紀さん。だから早く言って」と。
エルが美紀に催促をすれば。
「じゃ、今から言うね」と。
美紀は、自身の顔を上げ、頷き!
エルの碧眼の瞳を真剣に見詰めながら、自身の口を開く美紀だった。
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