第21話 エルフな勇者さまは、クリスマスの飾りの艶やかさに驚愕!(4)
「一樹がそうなら。妻の私だってそうよぉ」と。
エルに更に怪訝な表情で僕は不満を告げられてしまったから。
「ごめんなさい」と、謝罪。
「まあ、私の場合は、一人娘だから。父やメイド長達に言われ、勧められて、他の貴族の家の者。次男とか三男坊の御坊ちゃま達とパーティーや祝賀会の最中に見合いだから。ダンスの最中に手を繋ぐぐらいかな?」と。
エルが苦笑いを浮かべながら僕へと教えてくれた。説明をしてくれたから。
『ホッ』と、安堵。胸を撫で下ろす僕なのだ。(ああ、良かった)と、脳内で呟いているとさぁ。
「良くは無いはよぉ。一樹。私不満ばかりが募っているもの。一樹が余りにも魔王らしい所業。振る舞いを女達にしてきたみたいだから。気に入らない。気に入らないよ」と。
僕のエル。妻への安堵感とは打って変わり。エルフな、可愛い奥さまは、自身の可愛い頬を膨らませながら不満を漏らしてくる、だけではなく。
「ああ、一樹と別れて家、里、実家に帰還して、婿養子を貰い。勇者もやめて、ひっそりと暮らそうかな。一樹は、女遊びが酷そうだから」と。
エルは、大変に恐ろしいことを、言葉を、僕へと告げてくるのだ。
そう、未だ僕達夫婦は、新婚ホヤホヤなのに、もう離婚、離別、別れて、里に、宇宙へと──。
そう、かぐや姫のように里へ帰る。帰還すると、嘆きながら呟いてくる。




